【コンサルが教える】コミュ力高い人が「伝え方」よりも実は大事にしている人間本質・ベスト3
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一生懸命、「伝え方・話し方」を工夫したのに、伝わらない......
うまくは話せたはずなのに、なんか反応がイマイチ......
ビジネスでも、プライベートでもこのように感じた経験のある人は多いでしょう。コンサル22年の知見が凝縮した書籍『頭のいい人が話す前に考えていること』の著者である安達さんは、「伝わるかどうか」はテクニックよりも人間の本質を知ることの方が大事だと言います。本記事は「知性」と「コミュニケーション」の新法則を綴り話題沸騰中の『頭のいい人が話す前に考えていること』に入りきらなかった、コミュニケーションの本質についてお伝えします。
コミュニケーションの本質は「伝える」ではない。「伝わる」だ。
伝えることは誰でもできる。話せばよい。
見せれば良い。聞かせれば良い。だが、「伝えた」だけでは、人を動かすことはできない。人を動かすのはその内容が「伝わった」時だ。
コミュニケーションが難しいのは、「伝えても伝わらない」からである。
コミュニケーションの本質が「伝える」ではなく「伝わる」と理解している人は、どんな仕事でも成果をあげる。
教師、マーケティング、営業、エンジニア、芸術家、作家、音楽家、コメディアン......現代では作品や商品・サービスを「作る」だけではなく「伝わる」ことを考えなければならない仕事ばかりである。
伝われば、相手は動き、変化し、感動し、感化される。
では、「伝わる」とはなんだろうか。単に伝えるだけではなく、伝わる表現をものにするためには何をすればよいのだろうか。
私はコンサルタントとして3000社1万人もの人と対峙する中で、知っておくべき人間の本質があることに気づいた。
1.伝わるのは、相手が見たいと思うものだけである。
人間は、自分が見たくないものは、基本的に見えない。
例えば、ある会社で「近々リストラがある」という話が出るとする。
しかし、皆「自分には関係がない」と思う。年金を含む社会保障が破綻寸前だと知らされても「他人事」と思う。40歳にもなれば、あと人生はせいぜい40年であるが、「死ぬのはまだまだ先」と思う。人から任された仕事をやらずにいても、「許してもらえる」と思う。
人間は、自分が見たいと欲するものしか見えない。無理やりそれを見せようすると、人は反発し、怒る。
「見たいもの」と「見たくないもの」の両方を見ることのできる人は、稀有であるし、それは一種の才能であるから、それを相手に期待してはいけない。
「何を言っても伝わらない人」は存在する。そういう人には「見たい」と思うまで、時間をかけなければならない。状況の変わることを待たねばならない。今伝わらなくても、時間が経てば、すんなり伝わることもあるのだ。
自分が伝えたいことより「相手が見たいもの」を考えてみよう。
2.感情抜きには、伝わらない。
論理は大切だが、論理だけでは伝わらない。論理だけで伝わる人は、これも稀有であるし、それは一種の才能である。
それを相手に期待してはいけない。
人に最もよく伝わるのは、感情だ。
数学者よりも音楽家や画家が伝わる表現に秀でているのは、このためである。
感情を喚起しなければ、人には伝わらない。
したがって、本当に伝えたい事があるならば、説得しても無駄である。ストレートに伝えてもあまり効果はない。何かのエピソード、ストーリー、色、音楽、視覚表現など、別の形の表現を取る必要がある。
ある会社では、「会社の危機的状況」を知らせるために漫画を作った。論理ではなく、感情に訴えた。
ブログや雑誌などで炎上を意図的に発生させる人が後を絶たないのは、これを知っているからである。
アル・カポネは、「やさしい言葉に銃を添えれば、やさしい言葉だけのときよりも多くのものを獲得できる。」と言った。恐怖で人を支配する試みがなくならないのは、このためである。
あなたのアドバイスが目の前の人に伝わらないのは、論理で説得しようとしているからだ。
3.人は「誰に言われたか」を重視する。
同じことを言ったのでも、あなたが言うのと、ビル・ゲイツが言ったのとでは異なる影響力がある。
それは不合理ではなく、人間性の本質である。
したがってあなたが表現して「伝わらない」のであれば、あなたが変わらなければならない。時には他の人に言ってもらわなければならない。
目の前の人が「誰からの話なら聞くのか」は、重要なことである。CMに芸能人が起用されるのは、このためである。「知り合いの紹介」が1番の営業であるのは、このためである。
コミュニケーション能力の高い人は、話し方や伝え方のテクニックを持った人ではなく、上記のような人間の本質を踏まえた上で相手に合わせて伝え方を変えられる人なのだ。
ティネクト株式会社 代表取締役
1975年生まれ。筑波大学大学院環境科学研究科修了後、理系研究職の道を諦め、給料が少し高いという理由でデロイト トーマツ コンサルティング(現アビームコンサルティング)に入社。品質マネジメント、人事などの分野でコンサルティングに従事し、その後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサルティング部門の立ち上げに参画。大阪支社長、東京支社長を歴任したのちに独立。現在はマーケティング会社「ティネクト株式会社」の経営者として、コンサルティング、webメディアの運営支援、記事執筆などを行う。また、個人ブログとして始めた「Books&Apps」が"本質的でためになる"と話題になり、今では累計1億2000万PVを誇る知る人ぞ知るビジネスメディアに。Twitter:@Books_Apps
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この本に出会っていない世界線を想像するとゾッとする。
(30代・男性)
頭のいい人が話す前に考えていること 頭のいい人が話す前に考えていること
本書の内容
第1部 頭のいい人が話す前に考えていること ―「知性」と「信頼」を同時にもたらす7つの黄金法則
その1 頭が悪くなる瞬間、頭がよくなる時間
その2 頭のよさを決めるのは「だれ」だ?
その3 なぜ、コンサルは入社1年目でもその道30年の社長にアドバイスできるのか?
その4 頭のいい人は、論破しない
その5 「話し方」だけうまくなるな
その6 知識が「知性」に変わるとき
その7 承認欲求をコントロールできる者がコミュニケーションの強者になれる
第2部 一気に頭のいい人になれる思考の深め方 ―「知性」と「信頼」を同時にもたらす5つの思考法
第1章 まずは、バカな話し方をやめる ――客観視」の思考法
第2章 なぜ、頭のいい人の話はわかりやすいのか? ――「整理」の思考法
第3章 ちゃんと考える前に、ちゃんと聞こう ――「傾聴」の思考法
第4章 深く聞く技術と教わる技術 ――「質問」の思考法
第5章 最後に言葉にしてインパクトを残す ――「言語化」の思考法
どれだけ考えても、伝わらなければ意味がない。でも、話し方のスキルだけでは、人の心は動かせない。コンサルで叩き込まれたのは、人の心を動かす、思考の「質」の高め方でした。本書は「頭のいい人」が何をどう考えているかを明確にし、誰でも思考の質を高め、「頭のいい人」になれる方法を伝授します