「黒い吉野家」増殖中、上品な"お牛丼"を開発した吉野家の戦略の秀逸設計
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牛丼でおなじみの吉野家が2種類あることをご存じですか。オレンジの看板の吉野家と、黒い看板の吉野家です。「街の景観に合わせて看板の色を変えただけじゃないの」と思った方、ここには吉野家の絶妙な戦略が隠れています。顧客想定からメニュー設計、出店戦略まで秀逸です。さらに、「隠れた3種類目の吉野家」があることもわかりました。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)
牛丼の吉野家には
「オレンジの看板」と「黒い看板」の2種類ある
人生の大半、約50年間にわたり、"牛丼は吉野家一筋"な経済評論家・鈴木貴博です。若い担当編集者からこのような疑問を投げかけられました。
「ついひと昔前まではおじさん達が集う店というイメージもあった吉野家が、最近ではカフェのようなおしゃれ空間になっている理由は何でしょうか?」と言うのです。
「おじハラ」じゃないかと思ったりもするのですが、実はこの疑問は企業戦略的に結構鋭いものでもあります。そこで、今回の記事ではその意図するものについて戦略コンサルタントの視点でまとめてみたいと思います。
さて、そもそものところからお話ししましょう。吉野家がおしゃれ空間になっているというと「わかるわかる」という人と「何?なんでそう思うの?」と思う人に分かれると思います。それには理由があるのです。
今、吉野家の店舗には2種類あるのです。オレンジの看板の吉野家と黒い看板の吉野家です。
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