鬼滅の刃コラボ商品が大ヒット、「先見の明」ありすぎが裏目に出た飲料メーカーも
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アニメ映画「鬼滅の刃」の勢いが止まらない。興行収入は過去最速で100億円を突破。「鬼滅コラボ」商品も大ヒットし、コロナショックでダメージを受けた企業に恵雨をもたらしている。その一方で、先見の明がありすぎて"機会損失"し、ほぞをかんでいるのはあの大手メーカーだ。(ダイヤモンド編集部 中村正毅、山本興陽)
10日間で興行収入100億円超えの大ヒット
コラボ商品もバカ売れ中
10月16日から公開されているアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が、歴史的な大ヒットを飛ばしている。
東宝は26日、25日までの10日間で観客動員は798万人、興行収入が107億を突破したと発表。これまでの100億円突破の最速記録は、興行収入308億円と歴代1位である宮崎駿監督の映画「千と千尋の神隠し」の25日間だった。
絶好調の映画の波及効果で「鬼滅コラボ」の関連商品も大ヒットしており、コロナショックでダメージを受けたさまざまな企業に恵雨をもたらしている。
コンビニエンスストア大手3社の中で、笑いが止まらないのがローソンだ。昨夏から断続的に鬼滅の刃とコラボした販売キャンペーンを実施。ついには年末年始の勝負商品であるクリスマスケーキやおせちでも鬼滅コラボに踏み切った。
9月15日から予約受付を始めたクリスマスケーキでは、約30種類ある商品の中で、鬼滅の刃のキャラクターのイラストをあしらったホールケーキ(4号サイズ、税込み4500円)が一番の売れ筋という。例年、最も売れるいちごのショートケーキ(4号サイズ、同2980円)の4倍以上の売れ行きで、クリスマスの2カ月前にしてほぼ計画数量に達した。
他のコンビニのクリスマスケーキは、セブン-イレブン・ジャパンがアイドルグループ「King & Prince」と、ファミリーマートがタレントの香取慎吾さんとコラボしている。女性需要を狙う定番の男性アイドルを避け、鬼滅の刃を選んだローソンにコンビニクリスマスケーキ商戦の軍配が上がりそうだ。
またローソンは映画公開に合わせて、10月6日からキャンペーンを開始。対象商品の弁当やおにぎりのほか、関連グッズなどの商品が10日間で累計1000万個以上売れており「好調だ」(ローソン広報)という。
対象商品を購入しスタンプを集めると、抽選で当たる限定のスマートフォンケースは、フリマサイトで2万円前後という高値で取引されているなど、ここでも人気の高さがうかがえる。
セブンやファミマも、メーカー主導の鬼滅コラボ商品を置いてはいるものの、本部主導で鬼滅コラボを柱に据えたローソンの"好景気振り"が際立っている。
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