第3回 高校生模擬裁判選手権 関東大会1
カテゴリー: 法教育関連イベント, 取材日記 タグ:模擬裁判, 高校生 2009年 10月 15日
2009年8月8日(土)、東京霞ヶ関の弁護士会館と東京地方裁判所を会場に、高校生模擬裁判選手権関東大会が開催されました。同日、関西大会(大阪)・九州大会(福岡)も開かれています。
今回は最高裁判所、法務省、検察庁の共催を得られたということで、裁判員裁判用法廷を含む各地の地方裁判所の本物の法廷が試合会場となったこともあり、出場校の生徒さんたちもより一層張り切っているようでした。
なお、前回は関東大会、関西大会それぞれの優勝校対決となる全国大会がありましたが、今年は開催地が3箇所に増えたため全国大会はありません。
出場校(50音順)
審査員
法曹三者、学識経験者、マスメディア関係者等、20名
試合説明
事件のシナリオは、実際の事件を基に弁護士会が作成したものです。
各高校は検察チームと弁護チームを作り、それぞれのチームが1試合ずつ行います。検察官請求証人役は検察側チームが、被告人役は弁護側チームが出します。
裁判官・裁判員席には審査員の方が5名と試合を進める裁判長役やタイムキーパー役などが座ります。
準備には支援弁護士3名と支援検事が各校へアドバイスに出向いてお手伝いされたそうですが、試合が始まったら支援弁護士・検事はアドバイスしてはいけないルールです。
証拠は1自宅内の実況見分調書、2争いのない証拠書類の内容が記載された「合意書面」の2つで、これについて取り扱うのは試合では省略され、法廷で証人尋問(被害者)と被告人質問が行われます。
試合の時間配分は以下の通りで、時間配分を厳守しなければなりません。
審査は被告人最終陳述までのやり取りから、審査員がわかりやすさ・尋問等の構成・態度を考慮し点数をつけます。それを全試合終了後持ち寄り、総合点で優勝・準優勝を判定します。
試合スケジュール
開会式後、組み合わせ抽選が行われ、以下のように対戦相手が決まりました。
公訴事実、罪名及び罰条
検察官は、被告人村山正明さんが以下の罪を犯したと主張しています。
罪名及び罰条 殺人未遂 刑法第199条、第203条
こう書いてしまうと簡単に見えるかもしれませんが、村山さん一家の家族の構成や仕事、小山さんの仕事や付き合う仲間、小山さんが村山さんに何度かお金を借りに来ていた事情、村山さんの猟銃使用歴、お酒をどのぐらい飲んでどのぐらい酔っていたか、二人の年来の感情のありよう、小山さんが村山さんを挑発するようなことを言ったかどうか当日の言動、村山さんは撃った後助けようとしたかなど、考えねばならない事柄は膨大です。
村山さんは小山さんを撃ってしまったことは認めているものの、銃に弾は入っていないと思っていたと主張しているのに対し、検察官は殺人未遂として問議していますので、村山さんに殺意があったかどうかが争点となります。事実を多面的に把握し、論理的に思考し、表現する力が問われます。
見どころは検察官請求証人尋問で、被害者の小山さんが証人として弁護側の質問に答えるところ、被告人質問で被告人の村山さんが検察官の質問に答えるところです。
では、次回は、以上の2つの見所に注目して実際の対戦を見てみましょう。
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