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宮沢賢治の短編集。
読後感にもの悲しさが残る作品が多かった。
最後の「ビジテリアン大祭」は好きになれない。動物保護活動家(毛唐に多し)の腐臭が漂う。
読み始めは、菜食主義者の欺瞞を暴く方向で終わるのかと思ったが、なんのことはない、毛唐の活動家(笑)どもが喜ぶだろう地点に軟着陸しやがった。
「オツベルと象」は中学か高校の教科書にも載ってたっけな。なつかしい。
「銀河鉄道の夜」はアニメでは見たことあったけど、読んだのは初である。ジョバンニが放課後、印刷所で仕事をしてる描写がとくに好きだ。
それにしても、宮沢賢治は実はSadistなのじゃないか。 登場人物が苛められる物語が多いが、こころのどこかに、そういうものを宿している人だったのかも。
本当の自分の残酷さを意識していたのかも。
「よだかの星」は酷いな。朝、出勤前に読んで気持ちが落ちたよ。嫌われ者のよだか。だれからも愛されない、よだか。賢治よ、そこまでするかと。
「猫の事務所」もきついわ。でも、これがいちばん好きなんですがね。
"かま"猫はあたりまえの猫になろうと何べん窓の外にねて見ましたが、どうしても夜中に寒くてくしゃみが出てたまらないので、やっぱり仕方なく竈の中に入るのでした。
なぜそんなに寒くなるかというのに皮がうすいためで、なぜ皮が薄いというのに、それは土用に生まれたからです。やっぱり僕が悪いんだ、仕方ないなあと、"かま"猫は考えて、なみだをまん円な眼一杯にためました。
けれども事務長さんがあんなに親切にして下さる、それに"かま"猫仲間のみんながあんなに僕の事務所に居るのを名誉に思ってよろこぶのだ、どんなにつらくてもぼくはやめないぞ、きっとこらえるぞと、"かま"猫は泣きながら、にぎりこぶしを握りました。(p132,猫の事務所)
けなげな猫を想像して、泣いてまうよ。
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