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⚠️ コンテンツ警告: この作品には一部の読者に強い苦痛をもたらし得るテーマを描写、もしくは示唆するシーンが含まれます。
- 感情的虐待
(以下、SCP-JPの規定に則った形式の翻訳クレジット)
タイトル: SCP-5057 - セニョール・あじ
翻訳責任者: C-Dives C-Dives
翻訳年: 2024
著作権者: Uncle Nicolini Uncle Nicolini
原題: SCP-5057 - Señor Taste
作成年: 2020
初訳時参照リビジョン: 37
元記事リンク: ソース
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アイテム番号: SCP-5057
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-5057は標準的なヒト型生物収容室に収容されています。必要に応じて過剰な体液を洗浄します。SCP-5057の摂取は固く禁じられています。
SCP-5057はGoI-386研究チームに割り当てられています。
説明: SCP-5057はポリプロピレン製のヒト型自動人形であり、漠然とピエロに似た姿をしています。対応する器官の欠如にも拘らず、知性を有し、発話が可能です。SCP-5057は移動能力を持ちますが、ほとんどの場合は静止しており、必要な時だけ身動きするようです。SCP-5057は体表から継続的にエチレングリコール (CH2OH)2 を分泌しているため、SCP-5057を構成するプラスチックはその流体に被覆されています。SCP-5057は自らの全身が食用物であると主張し、交流する職員に繰り返し自らを摂取するように奨励します。
補遺5057.01: 添付文書
発見当時、SCP-5057には以下のメモが貼り付けられていました。
やあ、子どもたち! 今日から君が、 ファン・タスティック教授の小さなセニョールライン、セニョール・あじの正当な持ち主だ! 何時間も楽しいを全部集めるしよう!
楽しいのために君のセニョールをここへ! セニョールを全部集めたら超楽しい! 楽しいは君のために! 君の友達の楽しい!
- セニョール・どかーん!
- セニョール・ふわふわ!
- セニョール・せにょーる!!
- セニョール・せにょりーた!!
- セニョール・たのしい!
- セニョール・あな!
- セニョール・ぶたさん!
- セニョール・むらさき!
- セニョール・あじ!
補遺5057.02: 以下のインタビュー/交流は、初期収容中にGoI-386研究チームが記録したものです。
From: | jeverwood@scp.int |
---|---|
To: | site55containment@scp.int |
件名: | 誤った割り当て |
関係各位、
いったいどうして私にSCP-5057を送ってきたんだ? あれはワンダーテインメントの製品ではないし、こちらの収容予算の浪費になっている。当面は次席研究員を1人、話し相手にあてがって暇を持て余さないようにしているけれど、早めに再評価してもらいたい。早急に連絡求む。
J・エバーウッド博士
GoI-386 研究主任
確保、収容、保護
<記録開始>
レックス: おはよう。
SCP-5057: あなたは私の身体の味見をしに来た、そう? どうぞ、してください。
レックス: 実は、ただ話をしに来ただけだ。
SCP-5057: 私は勧める。私を食べるしてください!
レックス: 断る。でも実のところ、それも話したいことの1つではあるよ。
SCP-5057: 私は話すことができる。私はたった今話す!
レックス: そうとも! さぁ、始めようか。資料によると、君はエチレングリコールに覆われているんだって?
SCP-5057: それは私に私の特許取得済美味風味を与えるものだ。だからお願いします、それ以上引き延ばさないで私の甘い身体を消費しなさい。
レックス: うん、そこが問題なんだよな。それは有毒物質なんだ。
SCP-5057: 不可能だ。私は美味だ、毒ではない。それら2つは同じではない。
レックス: いや、君はそれに関しては完全に間違ってる。それに、仮に君がエチレングリコールを垂れ流してなかったとしても、プラスチック製だから喉に詰まる危険がある。
SCP-5057: あなたは私は完全に食べるのは危険だと言う?
レックス: そうだ。どっかの誰かがとんでもなくショボいリトル・ミスターを作ろうとすると君みたいなのができるらしいね。
SCP-5057: リトル・ミスターとは何だ?
レックス: 気にしないでくれ。本題に戻ろう、君は毒性があって摂取できないからここに連れてこられた。まぁ、それと、君が喋るせいでもあるな。
SCP-5057: ...私は理解をしていない。
レックス: じゃあ改めて言う。君はプラスチックとエチレングリコールで出来ている。君は毒だ。
SCP-5057: 私は理解をまだしていない。
レックス: おいおい、君は喋れるだろう。考えることだって当然できるよな?
SCP-5057: 私... 私は考えることができる。
レックス: そう来なくちゃね。
[15秒の沈黙。]
レックス: なんかある?
SCP-5057: 私はもっと時間を持つのが必要だ。
レックス: じゃあ、その調子で続けてくれ。そのちっぽけな脳みそでなんか思い付いたら俺に知らせてくれよな。
<記録終了>
From: | site55containment@scp.int |
---|---|
To: | jeverwood@scp.int |
件名: | RE: 誤った割り当て |
ハロー、
お話がよく呑み込めません。SCP-5057はヒト型で、リストが書かれた紙を持っていて、ギミックだって付いてます。それがワンダーテインメントじゃないなんてあり得ますかね?
チケット番号: 23452263-A
ヘルメス・プラット
サイト-55 収容チーム
確保、収容、保護
From: | jeverwood@scp.int |
---|---|
To: | site55containment@scp.int |
件名: | RE: 誤った割り当て |
ヘルメス、
それでいてミスターズ・アゲインスト・ウィードは正しいチームに引き渡すんだね? あれは粗悪なバッタもん以外の何物でもない。間違いなくワンダーテインメント製じゃない、通りすがりのバカでもすぐ分かることだ。いちいち君のオフィスまで行って、私がワンダーテインメントについて書いた博士論文を顔に押し付けなきゃダメなのか?
とにかく、君の手間を多少省くべきかと思って、尋問をやりやすくするために、助手にSCP-5057との関係構築を始めさせた。あまり賢いアノマリーじゃないようだからね、仲良くしてみたらどうかと提案したよ。
J・エバーウッド博士
GoI-386 研究主任
確保、収容、保護
<記録開始>
レックス: おはよう。今日の調子はどうだい?
SCP-5057: 私はジレンマを検討している。
レックス: あぁ、じゃあこの前言ったことを考えてくれてるんだね? 俺、君にそんな力があるかどうか、いまいちよく分かんなかったんだ。
SCP-5057: 私は良い小さな男の子たちや女の子たちに食べられるために作られた、そう?
レックス: 理屈の上ではね。つまりだ、君は -
[SCP-5057はレックス研究員の話を遮る。]
SCP-5057: 私は毒だ。私はこれを受け入れる。私はプラスチックだ、そして喉に詰まる。私はまたこれを受け入れる。そして、それなのに、私は食べられるために作られた。なぜ?
レックス: どんな理由でもおかしくないよ。君を作った奴はイカれてるのかもしれない。常識を知らないだけかもしれない。俺たちが確かに言えるのは、君がここにいるのはそいつのせいだってことだけだ。
SCP-5057: しかし、私は毒だ。
レックス: その通り。だけどね、趣味を見つけるとか、何か気持ちを切り替えることをやってみたらどうかな。
SCP-5057: しかし、これはジレンマだ。私が知っている全ては目的だ。私は私が他の何になれるかを知っていない。
レックス: 君はどうにか物を考えることができた。頑張ればどうにかなるはずだよ。
SCP-5057: あなたは私を信じている?
レックス: 勿論だとも。
SCP-5057: しかし、私は毒だ。
[レックスは溜め息を吐く。]
レックス: オッケー。まず、君は自分が毒なのを理解した。それは良いことだ。でも、どうやらそれが君を悩ませているらしい。俺が気分転換になることを提案してもいいかな?
SCP-5057: オッケーだ。
レックス: お絵描きはどうかな?
SCP-5057: オエカキとは何だ?
レックス: ええっと、絵の具とかそういうのを使って自分の気持ちを表現するってことさ。頭の中に色々と思い浮かべて、それを紙に描き出すのさ。この場合はキャンバスかな。
SCP-5057: オッケーだ。私は私の毒性を乗り越えるためにこのオエカキを試すつもりだ。
レックス: その調子だぞ、お友達。
SCP-5057: オトモダチとは何だ?
レックス: お友達ってのは、楽しい時も辛い時も傍で気持ちを分かち合ってくれて、元気づけてくれる人のことだ。全面的に信頼できる人。
(10秒の沈黙。)
SCP-5057: あなたは私のお友達だ。
レックス: 君はなんて優しい奴なんだ。じゃあ、俺には何もかも教えてくれるね?
SCP-5057: はい。
レックス: そして、俺を信頼してもくれるかな?
SCP-5057: はい。
レックス: 良かった。それでいいんだよ。俺を信頼してくれるお返しに、新しくてカッコいいニックネームを付けてやろうか?
SCP-5057: それは嬉しい。
レックス: これからは君をあじくんと呼ぼう。どうだい?
SCP-5057: 良い、私は好きだ。しかし... 私は質問を持っている。私はまだ毒だ?
レックス: さて、暇つぶしになる画材でも持ってこようか?
<記録終了>
From: | site55containment@scp.int |
---|---|
To: | jeverwood@scp.int |
件名: | RE: チケット番号: 23452263-A |
ハロー、
今週中にSCP-5057を一般ヒト型生物収容区画に移す予定です。この度の取り違えをお詫びするとともに、今後このようなことが起こらないよう努めます。
ヘルメス・プラット
サイト-55 収容チーム
確保、収容、保護
From: | site55containment@scp.int |
---|---|
To: | jeverwood@scp.int |
件名: | RE: チケット番号: 23452263-A |
ハロー、
先日、助手にSCP-5057との信頼関係を築かせたと仰いましたね。今こそあれの経歴を聞き出す良い機会ではないでしょうか? こちらでもプロジェクトの担当チームをようやく編成しましたし、"暇人の手許は悪魔の遊び道具"とも俗に言いますからね。
よろしくお願いします。
ヘルメス・プラット
サイト-55 収容チーム
確保、収容、保護
SCP-5057が制作した似顔絵。
<記録開始>
レックス: おはよう、あじくん。
SCP-5057: やあ! 見なさい!
レックス: お?
[SCP-5057は2つの姿が雑に描かれたキャンバスを持ち上げる。片方はSCP-5057に似ており、もう片方には"レックス"という名前が添えられている。]
レックス: うわ。その... 素敵だと思う。ありがとう。
SCP-5057: 私の目的は今、芸術だ。毒性から心を引き離す。気分が良い。
レックス: 多分そのうち上達するさ。でも今は、幾つか君に質問したいことがある。
SCP-5057: はい、それは良い、そして受け入れられる。
レックス: ファン・タスティック教授の話をもう少し詳しく訊きたくてね。そいつについて何を知ってる?
SCP-5057: コストダウン。効率的。抜け目がない。
レックス: 教授に悪意はあると思うかい? ほら、摂取すると毒になるように君を作ったりしただろ?
SCP-5057: いいえ。彼はただ良い小さな男の子たちや女の子たちのために楽しい製品を製造したい。私のように!
レックス: 成程ね。つまり手抜き仕事をして余計な金を使わないってわけか。ひょっとしたら、彼はワンダーテインメント博士の話をしたことがあるんじゃないか? 実は仲間だったとか? それか、競争相手だったり?
SCP-5057: 私は"ワンダーテインメントハカセ"者について知っていない。
レックス: じゃあ、彼の活動拠点は分かるか?
SCP-5057: 私は知っていない。ごめんなさい。
レックス: んー... 俺たちはお友達じゃなかったっけか、あじくん? お友達はお互いに何でも話すんだぞ。
SCP-5057: はい。あなたはお友達だ。
レックス: 最高だね! さぁ教えてくれ、ファン・タスティック教授はどこにいる?
SCP-5057: 私は知っていない。
レックス: 他にどんな名前を使ってるかは知ってる?
SCP-5057: 私は知っていない。
レックス: 彼には何か能力があるのか? 例えば、君みたいなアノマリーを作る時に役立つようなのとか。
SCP-5057: 私は知っていない。
レックス: 何も知らないのか? 何一つ?
SCP-5057: 私は私が今お絵描きをするのを知っている。気分が良い。うん。
[レックスは溜め息を吐く。]
SCP-5057: 私はまたあなたがお友達なのを知っている。お友達。うん。
レックス: あのな、お友達ってのは他のお友達をがっかりさせちゃいけないの。でも君にはちょっとがっかりだな、あじくん。
SCP-5057: 何? 何? 私はあなたをがっかりさせるをしない! 私はあなたが私に質問しているものを知っていない! ごめんなさい、お友達!
レックス: じゃあ、お前のお友達の俺に、ファン・タスティック教授について知ってることを全部話してくれ。
SCP-5057: 私は知っていない、私はあなたに知っている全てを話した! ファン・タスティック教授は私を作った、抜け目がない、良い小さな男の子たちや女の子たちのためにおもちゃを作る、しかしそれは私が知っている全てだ!
レックス: ん-... 信じていいかどうか分からないな。
[SCP-5057はすすり泣き始める。]
SCP-5057: お願いします! 信じなさい! 私は私のお友達に全てを話す! 私はお友達と一緒の良い時間が欲しい!
レックス: はいはい、分かったよ。
[レックスはSCP-5057の背中を軽く叩く。彼の白衣の袖がエチレングリコールで覆われる。]
レックス: うげっ。
[レックスは立ち上がり、脱いだ白衣で手を拭う。]
レックス: 俺、もう行かなくっちゃ。ひとまずありがとう。
SCP-5057: はい。勿論。お友達は幸せだ、私は幸せだ。
<記録終了>
From: | jeverwood@scp.int |
---|---|
To: | site55containment@scp.int |
件名: | RE: チケット番号: 23452263-A |
どうか移送を早くしてほしい、私は今ちょっと手一杯だから、助手にこいつとのお友達ごっこで時間を浪費させる余裕は無いんだ。今後はもうお芝居は止めるように伝えておいた。
J・エバーウッド博士
GoI-386 研究主任
確保、収容、保護
<記録開始>
レックス: やあ。
[レックスは収容室内にカートを引っ張り入れる。]
SCP-5057: やあ、お友達。あなたは話をするためにここに来たか?
レックス: 君の出発前に全てが順調なのを確認しに来た。君はこれから新しい収容エリアに移される。
SCP-5057: 出発? これは私がまだ毒だからだろうか? 私は自分自身を良くして、そして毒ではなくして、そして良い小さな男の子たちや女の子たちという私の目的を越えて進ませるために頑張りをしている。私の芸術は十分に良くないのだろうか? 私はより良くすることができる!
レックス: ただの成り行きだ。
SCP-5057: これから私は何をするのか?
レックス: それは完全に君次第だ。
SCP-5057: 私は私の芸術を続けることができるか?
レックス: ああ。
SCP-5057: 私はあなたのお友達でいることができるか?
レックス: 質問するのを止めろ。
SCP-5057: 私は理解をしていない。
レックス: 世の中はこういうもんなんだよ。
SCP-5057: しかし... 私はここの自分自身で幸せだ。私はここのお友達と一緒で幸せだ。
[レックスがSCP-5057の絵画をカートに積み込んでいる間、30秒の沈黙が続く。]
レックス: 教えといてやるよ。ここではお前の気持ちなんて誰も気にしない。
SCP-5057: 私は理解をしていない。
レックス: そうとも、理解できないだろうさ。お前はただのマヌケな子供向けおもちゃの失敗作だからな。
[レックスは収容室のドアを開け、カートを外に押し出す。]
SCP-5057: 私は... 気分が良くない。
レックス: 俺の知ったこっちゃないね、SCP-5057。
SCP-5057: なぜSCP-5057を呼ぶ? お友達は私をあじくんと呼ぶ!
レックス: 俺はお前の友達じゃない。
SCP-5057: しかし -
レックス: 俺たちは友達じゃないんだ、SCP-5057。これ以上訊くな。
SCP-5057: 私は私たちがお友達だった時間の思い出を保つためにあなたに芸術をあげる?
レックス: 断る。俺は初めからお前の友達じゃなかった。
(10秒の沈黙。)
SCP-5057: オッケーだ。
<記録終了>
補遺5057.02: SCP-5057は専任収容チームの管轄下に移されました。詳細についてはこちらのリンクをクリックしてください。
本ページを引用する際の表記:
「SCP-5057」著作権者: Uncle Nicolini, C-Dives 出典: SCP財団Wiki http://scp-jp.wikidot.com/scp-5057 ライセンス: CC BY-SA 3.0
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ファイルページ: SCP-5031
ファイル名: SCP_icon(1).png
ソース: https://scp-wiki.wikidot.com/the-great-hippo
ライセンス: CC BY-SA 3.0
タイトル: scp_trans.png
著作権者: Aelanna Aelanna 、The Great Hippo The Great Hippo
公開年: 2018
ファイルページ: SCP-5057
ファイル名: senortaste.jpg
タイトル: senortaste.jpg
著作権者: ratking666 ratking666
ソース: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-5057
ライセンス: CC BY-SA 3.0
公開年: 2020