クレジット
3/2133-JP LEVEL 3/2133-JP
CLASSIFIED
classified-lv3.pngアイテム番号: SCP-2133-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
SCP-2133-JP
特別収容プロトコル: SCP-2133-JPはサイト-81AMの標準物品収容室にて、開口部を上に固定された状態で収容されます。収容室の周囲にはC/KAAセキュリティプロトコルに基づいた保安職員を配置し、SCP-2133-JPに関するあらゆる異常事態が発生した場合、収容室は完全に遮断されなければなりません。
担当研究チームは定期的にSCP-2133-JP内部から混合物を汲み出すことでSCP-2133-JP-1を回収し、内容を転写・記録の上資料として保存することが許可されています。余剰の混合液は標準非異常物品廃棄プロトコルに従い廃棄して下さい。以上を除いたSCP-2133-JP内部へのあらゆるアクセスはレベル4指令に基づき制限されています。
説明: SCP-2133-JPは円筒形の鉄製深鍋(寸胴鍋)です。製造者を示すラベル及び同型製品の製造記録は確認されていませんが、金属工学的分析によって現代の主流技術と同等の冶金技術が使用されていると推測されています。SCP-2133-JPの外見から推測される容積の内、約70%は白濁した液体の混合物で満たされています。
SCP-2133-JPの内底には太=ソルブレクス・シンギュラリティワームホール理論に基づくと考えられているポータルが展開されており、前述の混合物がSCP-2133-JP内部から消費された場合、直ちにそれと同量の混合物が内底から生成されることでSCP-2133-JP内部の混合物の総量は回復し、一定に保たれます。
この特異性に関連して、SCP-2133-JPの内底から混合物が生成される際、不定期に何らかの文書(SCP-2133-JP-1)がSCP-2133-JP内部へ同時に出現します。SCP-2133-JP-1は財団内部文書やニュースリリースなど、超常社会に関連する様々な文書形態を取りますが、全ての実例は"短絡的/非合理的な財団の活動が描写されている"という点で一致しています。SCP-2133-JP-1内で描写されている事象に対応する内部記録は確認されておらず、文書と同様の財団活動はヴェール維持及びオブジェクト研究の指針に多大な脅威となり得るものです。
補遺2133-JP.1: 回収された文書記録
以下にSCP-2133-JPから回収されたSCP-2133-JP-1実例の複写を掲載します。
20██年██月██日
財団諜報機関
未詳資料/目録編纂室: 総覧目録 GoI-1889関連組織
編纂業務主任: 転眼 式見
GoI-1889関連組織総覧
GoI-1889("任天堂")の活動は年々拡大しつつあります。特に近年の「あつまれ どうぶつの森」「ポケットモンスター ソード・シールド」のヒットは世界的に大きな影響を与えており、GoI-1889は超常社会においてますますその発言力を増大させて行くであろうことが予想されています。以下は財団諜報機関の調査を元に作成されたGoI-1889に関連する超常組織の最新版リストです。
理由は不明ですが、複数のオブジェクトから推測される限り、アルカディアは任天堂の製品を利用、あるいはその商業的成功を奪い取ろうとしているようです。
壊れた神の教会の一派である"マクスウェリズム教会"にはXboxユーザーが多いものの、ある構成員が任天堂のために祈りを捧げています。
ディア大学の卒業生が任天堂の「スーパースコープ」コントローラーと「パワーグローブ」コントローラーを超常兵器化しています。
ワンダーテインメント博士
任天堂の偽造ビデオゲームコンソールであるPretendoブランドを買収し、対応するいくつかのゲームソフトを生産しています。その一方でビデオゲームを否定し、並行世界では任天堂に著作権侵害で訴訟されています。にもかかわらず任天堂と共同訴訟を起こしているなど、その関係性は一貫していません。
詳細は不明ですが、"ニンテンドーの製品シールの最上級に昇進した"と自称しています。またGAWが作成したミズ・ビデオゲーム狂は、任天堂製品を含む複数のゲーム機器と深い関わりを持っているようです。
オネイロイ・コレクティブに関連するフリーマーケットで、任天堂のコピー製品と思しき"Dependo 64"や"大コンソール戦争中のエジソンと任天堂 — 歴史"などの書籍が販売されています。また、夢界における任天堂のゲーム展開が示唆されています。
WWSは、2013年に日本の任天堂本社で発生した集団睡眠事件について認知しています。
超常薬理学者である要注意人物"dado"は、任天堂のMario teaches Typingに類似すると見られるビデオゲーム"まりおすは たいぴんぐの せんせい(marios is typing teacher)"を使用してタイピング練習をしています。
トリスメギストス・トランスレーション&トランスポーテーション
Ttt社の主要構成員である"ヘルメス"があつまれ どうぶつの森を実況プレイしています。
並行世界において、任天堂とワンダーテインメント・ソフトウェアから共同訴訟されています。
構成員の一人がSFC用サッカーゲームソフト"ジーコサッカー"を購入する姿を目撃されています。
任天堂のゲームハードに対応した製品を作成しています。
・・・
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・・・
財団、宇宙プロレスチャンピオンシップ(SCiP)にミームエージェント使用
"ミームは禁止行為に当たるか?"SCiP運営委員会にて議論加熱
財団の横暴がとどまるところを知らない。宇宙中央プロレスに今日付で届いた書状によれば、ヴィダ=コントラ・ミーム殺害エージェント、通称SCP-036-JP-Jを宇宙プロレスチャンピオンシップに出場させ、異種統一戦を行いたいとの財団側からの申し出があった。この申し出が認められれば、財団は第78回SCiP優勝に引き続いて今回も宇宙中央プロレス側から勝利をもぎ取る構えだ。
・・・続きを読む
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本当に財団の卑劣なやり方には憤りを隠せません。親善のための統一戦とはのたまっていますが、その真意は間違いなくパラスポーツ界の制圧です。以前の4/1に財団日本支部が大量の芋を放出しパラファーマー業界に大打撃を与えたように、財団はパラスポーツ界へ、そしてひいては宇宙中央プロレスを通じて宇宙超常社会にまで支配の手を伸ばそうとしているのです。
財団の薄汚い魂胆の証拠として、今回SCiPに出場するヴィダ=コントラ・ミーム殺害エージェントとは財団のヴィダ博士とコントラ博士によって作られた人造ミーム生物なのです。財団のミーム技術は他の団体の追随を許さない速度で進歩しており、今回も最高にチューンナップされたミーム・ド外道プレイを披露して対戦相手を無残にも血祭りにあげるに違いありません。名前に"殺害"とついているのもその計画を隠そうともしない財団特有のふてぶてしさからでしょう。いちプロレスファンとして、私は今後もこの事件の成り行きを見守ってゆく所存です。
ボディピロウ計画 |
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ボディピロウ計画はアンニュイ・キャット・プロトコル制定に伴い、より多くの人にねこを曝露させるための計画群のひとつです。
現在財団はインターネット上のオンライン活動とフィールドワークの両面によって、効率的にねこのイメージを拡散しつつあります。中でも"エレクトリカルパレード計画"・"コレスシピージャン計画"の2つの計画は大きな成果を上げており、今後の追加予算によりさらなる効果が期待できるでしょう。しかしGoI-716("PAMWAC")の妨害によりこれらの作戦の浸透率は僅かに低下しつつあります。以下にそれぞれの計画の概要とPAMWACの反応を記します。
エレクトリカルパレード計画
- 訓練されたエージェントがねこを模した着ぐるみを用いて町を練り歩きます。この際ひょうきんな動きや愛嬌をふりまく身振りをすることで、子供人気と夏休み商戦における関連グッズの大量売り上げを狙います。
PAMWACによるコメント
- 「SAN値削られるわ」「怖わ......」「控えめに言ってこの世の終わりみてーな光景」「そのひょこひょこした動きをやめろ、悪夢に出てくる」「こいつらが列を成してるところを見ると"魑魅魍魎"という言葉が浮かんでくるな」「怖すぎて泣いちゃった」
コレスシピージャン計画
- 機動部隊く-3("NIWAKA")が常にTwitter等の各種SNS、及びYoutube・ニコニコ動画などの動画投稿サイトを監視し、非異常の猫(Felis silvestris catus)に関する画像もしくは動画が投稿された場合即座に「これねこですじゃね」「scp-40-jp出た!!」「SCPー040ーJPだろ」「猫ですはSCP-040-jp-2じゃなかった?」などといったコメントを投稿します。また"ねこですよろしくおねがいします"というフレーズを無意味に多用し、定着させることでネットスラング・ネットミームとしてのねこの知名度を上昇させます。
PAMWACによるコメント
- 「普通にマナー違反」「なにやってんの財団?」「世界規模の団体が総力を挙げてやることがクソリプなのか」「失望しました。鉄錆の果実教団のファンやめます」「頼むから自重して下さいよろしくおねがいします」
こうしたPAMWACによるネガティブキャンペーンを抑止し彼らにもねこを与えてあげるため、ボディピロウ計画が対PAMWAC用に作成されました。あらゆる事物を擬人化できる異常性を保持するSCP-1239-JPの協力の下、ねこを可愛く擬人化し、その抱き枕を製作して配布することで、PAMWAC側から積極的にねこへ曝露したがる状況を目指します。
抱き枕用の絵をSCP-1239-JPへ発注。
「もっとねこ要素を出して欲しい」という理由で全て没になる。
「ねこ過ぎる」という理由で没になる。
「書き込みが細かいため製造コストがかさむ」という理由で没になる。
3日間の猶予を設ける。
調査の結果SCP-1239-JPの親類にそのような実例は確認されなかったため、申請は却下される。
締め切りは06/30の23:59までである。厳守するように。
事案報告-001: ██/07/01 SCP-1239-JPが逃亡しました。調査の結果SCP-1239-JPはSCP-4777-JP-J発症者となっていたことが判明したため、SCP-1239-JPが再収容され治療されるまでボディピロウ計画は中断されます。
イベント・スシクイネ発生 宮城に響き渡る"スシ食いねェ!"
普通のマグロ
ヴェール崩壊について宮城県知事が声明を発表 "対処するにはスシブレードを学ぶしかない"
宮城県民の皆さん、こんばんは。"脱政党"でおなじみ無所属、浅野史郎であります。
本日は皆さんに大切なお知らせをしなければなりません。県議の多数負傷に伴い県議会の再編が行われましたが、私、浅野史郎は県知事を続投することとなりました。
連日の報道に、不安を覚えている方が多いでしょう。確かに、私たちもスシってなんだよと思いました。しかし実際にマグロによってもたらされた甚大な災害によって多くの人々が被災しています。宮城県は混乱し、回されています。打ち出されています。へいらっしゃいされています。
しかしながら、今こそ宮城県は連帯するときです。政府だけでなく、様々なNGOが支援を表明してくれました。今この瞬間にも物資と人員が我が県に続々と届いています。配給は本日より開始され、まずはアルティメットマグロ、エビリュウオウ、カッパマーキュリー、イクラリオンの4種が行われます。1週間以内に全県にスシブレードが行き届き、水産流通ルートの復旧も完了するでしょう。よき寿司職人たちの腕前に感謝を。皆さん、私たちの世界にはヴェール(透明カバー)がありました。これまで長きに渡って世界を守り、私たちに安心してレーンから皿を取ることを、レーンで回っている寿司が乾燥しないことを約束してくれていたヴェール(透明カバー)です。無知と信仰と最先端技術によって維持されてきたそれは、しかしいま取り払われました。財団と世界オカルト連合、そして回らない寿司協会の3者会談は、日本国政府を完全に無視して明日の13時から行われます。彼らの協力は、この難局を克服するための大いなる力となることでしょう。新たな絆とスシブレードとの盟約を得て、1998年の新年は永遠に語り継がれるでしょう。"回転ずし"の真実が明らかになり、私たちはスシブレードと向き合わねばなりません。
この写真を見てください。これはクラズシです。かの災害の中心地です。しかし、板前は懸命に握っています。明日を見据えて回しています。これが宮城県の、我が国の人々の、遥か昔から変わらぬ伝統文化の在り方なのです。
政府は、県議会は、裁判所は、警察は、自衛隊は、皆さんを守ります。皆さんのために戦います。皆さんと共に回します。この写真は、クラズシは、人々は私たちの象徴なのです。食料危難の時にあるからこそ団結し手を握り、すべてを回してやろうではありませんか。宮城では明日、世界に先駆けて新たな日常が回りだします。ヴェールの先へ、闇へ立ち向かうために。宮城に勝利あれ。
補遺2133-JP.2: 発見経緯
████/10/07、サイト-81AMのカフェテリアにおいて「突然空中から鍋が落下し、中の料理が際限なくあふれ出している」との報告があったことを発端としてSCP-2133-JPは収容されました。当時SCP-2133-JPには判読不能な何らかの記号が描かれたシール、及びGoI-101("エルマ外教")のシンボルマークが印字されたメモが貼り付けられていました。
メモには"危険立ち入り禁止 廃棄予定"と走り書きされており、GoI-101とSCP-2133-JPの間に何らかの関連性があるという推測の下で同団体の内部調査が進行しています。
警告: 以下のファイルはレベル4/2133-JP機密情報です
これらのファイルにレベル4/2133-JP承認無しで行われるアクセス試行は記録され、即時懲戒処分の対象となります。
補遺2133-JP.3: 探査記録
音声転写
概要: SCP-2133-JPの内部空間探索。
注記: 数回の潜水ドローン調査により、SCP-2133-JP内底の先に未知の大規模空間が存在することが判明しました。当時この空間はGoI-101に関連する施設内部であると推測されており、更なる調査のために機動部隊に-9("モータルオフィサー")が派遣されました。
メンバー:
- 機動部隊に-9("モータルオフィサー") 部隊長 コードネーム"ニコラス"
- 同機動部隊 隊員 コードネーム"ドッグ"
- 同機動部隊 隊員 コードネーム"ミーナ"
- 同機動部隊 隊員 コードネーム"ガショウ"
[記録開始。]
"ドッグ": ウェットスーツを着て鍋の中に入るなんて、さすがに初めての経験だぞ。
"ミーナ": まあ、財団の歴史でワタシたちが初めてってわけじゃないだろうけどね。ジャガイモ袋を通ってジャガイモだらけの世界に行った探査チームの話を知ってる?
"ニコラス": おしゃべりはそこまでにしろ。ブリーフィング通り、GoI施設への位置発信ビーコンの設置が今回の主な任務だ。できれば施設の構造なども調べる。以上。
"ガショウ": 「銃火器の搬入が難しく、また迅速な撤退が困難なことから戦闘は出来るだけ避けろ」と言われたのも忘れてるんじゃないですか?
"ドッグ": OK、「発信器バラまくドンパチしない」了解した。
"ニコラス": じゃあ行くか、ミーナから一人づつだぞ。途中で鍋に詰まったら笑いものだからな。
[粘度の高いゴポゴポという音。]
"ミーナ": あ痛っ!
[金属音。]
"ガショウ": なるほど。鍋に入るとまた別の鍋から出てくる。当たり前と言えば当たり前なのかな?
"ミーナ": ちくしょう、それなら蓋もあけておいて欲しかったね。そうすればワタシがいきなり頭をぶつけることも無かったのに。
"ドッグ": ここはキッチンか?見た所は誰も居ないみたいだが......。
"ニコラス": 待て、俺たちが出てきた鍋に何かメモが貼ってある。「鬼食料理長のシチュー鍋」?鬼食ってのは確かサイト-8192の調理スタッフだったはずだ。なんでこんな所に。
"ドッグ": とりあえずウェットスーツを脱いで作業に取りかかりましょうや。発信器さえ置いておけば、後からやってきた他のチームがそこら辺のことも調べてくれるでしょう。
[湿った衣擦れの音、ドアの開閉音。]
"ミーナ": うわあ、なんだか財団のサイトっぽいね。やっぱり誰も居ないけど。
"ニコラス": オーケイ。ではミーナとドッグは発信器設置を頼む。俺とガショウでもう少しこの施設の探索を行う。
"ドッグ": 了解。
[足音。]
"ガショウ": 柱の配置や床のタイルなんかも、見れば見るほど財団とそっくりですね。ポスターは少し違いますが......ヒーロー・フライドチキン?
"ニコラス": あの鍋に関係しているエルマ外教って奴ら、異世界への渡航を目指している宗教団体らしい。ここが平行世界の財団という可能性は十分にある。
"ガショウ": ダッシュワン(SCP-2133-JP-1)もこちらの財団に起源があると?それにしたってあの内容は
"ニコラス": 止まれ。向こうの部屋から物音がする。
"ガショウ": あそこは......サイトだと多目的ホールだった場所ですね。一体......。
"ニコラス": おいどうした!止まれと言っているだろう!
"ガショウ": 分かりません......なんだか、招き寄せられているというか、足が勝手に......。
[ドアの開閉音、複数の咀嚼音。]
"ニコラス": なんだこれは?大勢で鍋を囲んで、これは一体。
"ガショウ": ああ......おなかが減った......俺にもそのカニを下さい......。
声1: ............いいよ............でも食べ過ぎないでね............。
声2: ほら............あげるよ............そこのおじいちゃんも一緒にどう............?
"ガショウ": ............わあい............ありがとうございます............いただきます............うまい......隊長もいかがですか............。
"ニコラス": くそったれ!しゃっきりしろガショウ!おい!こいつを引きはがすのを手伝ってくれ、誰かまともな奴はいないのか!
[くぐもった笑い声、複数の咀嚼音。]
声3: 手伝おう。
[靴音。]
"ガショウ": ああ............もっと食べたいのに............。
"ニコラス": な、なんだアンタ。アンタはカニ狂いじゃないのか?
声3: さあ?長いこと生きていると自分がまともなのかよく分からなくなってきてね。カニには大昔に地獄を見せられたことがあるからかもしれないが。
"ニコラス": 大昔?どう見ても若く見えるが......。まあいい、ありがとう。何者なんだアンタは?
声3: 妙案部門(The Bright Ideas Department)の長、SCP-001を下腹部に装備せし者、伝説の海賊にして魔法少女、そして運悪くイカレた世界で正気を保ってしまっている男。
"ニコラス": はあ?
声3: 私のことはどうでも良いが、君はお仲間を担いでさっさとここから立ち去るべきだ。あのカニはだんだん効果を増していくから。ほら、行くぞ!
[複数の足音と息づかい。]
"ニコラス": カニを食ってたあいつらは大丈夫なのか?
声3: 心配するな、どうせリセットボタンが押されるだろうさ。そしてまたこの世界では馬鹿騒ぎが起こせるって寸法だ。太陽へクソトカゲをぶち込んだり、月を収容しようとしたり、その他ファックな諸々が。
"ニコラス": 何を言っているかさっぱりだ。
声3: ああ、まともな価値観に出会えて涙が出そうだよ。アイデアのゴミ箱にならないために、ここの連中は面白いことをやるのに命がけだからな。
[ドアの開閉音。]
"ミーナ": あっ隊長、こっちは終わったよ。ってなにやってんのさガショウは?
声3: 話は後だ。早いとこ元の世界に帰ってくれ。
"ドッグ": 偉そうにしてるけど誰だよ!
"ニコラス": ドッグ、ミーナ。そこで腑抜けてるガショウを鍋に押し込んで、お前たちも先に戻っておいてくれ。あとで詳しく説明するから。
声3: 良いか、伝言を頼む。あいつらはいずれお前らの世界に眼を付けるだろう。俺は道化ながらそれを可能な限り押しとどめるが、そちらにも準備が必要だ。こちらの馬鹿げた法則と規格外の不条理を理解し、対抗する力を身につける準備が。SPCという文字列を探せ。きっとヒントになるはずだ。SCPじゃない。
"ニコラス": よく分からんが、それを伝えれば良いんだな?
声3: ああ、頼んだぞ。ジョークで世界が滅びるなんて冗談じゃない。
"ニコラス": OK。じゃあな。
[粘度の高いゴポゴポという音。]
[記録終了。]
機動部隊に-9("モータルオフィサー")の帰還から2日後、以下のSCP-2133-JP-1実例が取得されました。
ブライト博士の禁止リスト改訂案
97. ブライト博士が過去、未来、別次元に対して物を送ることはいかなる物であっても許可されていません。
267. "並行世界の私はやらないはずだから"というのは、もはや収容プロトコルに違反する際の有効な理由とは見做されません。
ブライト博士は先日の事案において以上の禁止行為を実行し、それに対して「異世界人を助けるなとは書いてない」という言い訳をしています。よって以下の禁止行為をリストに追加することを提案します。
- ブライト博士は財団サイトに忍び込んだ異世界/平行世界/別次元出身の人間 生命体の脱出を幇助してはいけません。
- それが我々のすばらしいおもちゃ 遊び相手 良き友人になりそうだったならなおさらです。
この文書及び音声記録についてブライト博士は関与を否定しました。現在、全てのSCP-2133-JP内部探査計画はO5評議会指令によって中止されています。