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今だからこそ読んでおきたい『中東とイスラーム世界が一気にわかる本』

アフガニスタン情勢が大きく動いて決着した今、このタイミングで読んでおきたいのが本書。
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目から鱗というか、認識が改められたことがいくつか。
1.ユーラシアが一つの経済圏となったのは、『世界史の誕生─モンゴルの発展と伝統』で語られたモンゴル帝国の西進によるのではなく、アッバース朝を中心にイスラム教徒がユーラシアに張り巡らせた交易ネットワークによること。
2.オアシス都市は、後の大航海時代の港湾都市とのアナロジーで理解できること。つまり、オアシス都市は砂漠の海の港という位置付けで捉えられること。
3.シナは受け入れる側であって、発信する側ではなかった。ユーラシア交易ネットワークを中心に考えると、シナの西の(陸の)玄関が長安、南の(海からの)玄関が広州。
4.唐の時代に製紙技術がシナからイスラム圏に伝わったのは、タラス河畔の戦いで唐がアッバース朝に敗れ、捕虜となった中に製紙職人がいたから。
(注記)タラス河はシルダリア川の上流、現在のキルギス北西部。
等々

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