2025年07月30日 専攻紹介, 授業紹介, 大学紹介, 言語聴覚士, 言語聴覚士教育 | 固定リンク 投稿者: うらの
皆さんは「失語症」という言葉からどんなイメージを連想するでしょうか。「語を失う」と書いてありますから、「話せなくなる状態」ということは容易に想像できるでしょうね。では、失語症はどんな疾患が原因で生じるのでしょうか。話すこと以外にどんな症状が現れるのでしょうか。
失語症は脳出血、脳梗塞、くも膜下出血といった脳血管疾患や、外傷(交通事故や転落など)、脳腫瘍、炎症性疾患など、脳が損傷されることで生じます。脳には「言語野」といって、言語をつかさどる部位があるのですが、そこが損傷されることで生じます。間違っても「心が落ち込んだことが原因で話せなくなる」とか「精神的な疾患が原因で話せなくなる」ということではありません。さらに、失語症では、単に話すことだけでなく、人の話を聴いて理解したり、字を読んだり書いたりということにも障害をきたします。
脳血管疾患(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)の疑いがある典型的な症状がいくつかあるのですが、それらの頭文字を取って「FAST」といいます。
F:Face→顔面が麻痺していないか。どちらかの口角が下がったりしていないか。
A:Arm→水平に上げたどちらかの腕が下がってこないか、腕に力が入らなかったりしないか
S:Speech→言語障害がないか。ろれつが回らなかったり、言葉が出にくい、人の話がわからないことはないか。
T:Time→症状が出たら時間を空けずにすぐ病院に行く。症状が何時に出たか確認し、医療機関でしっかり伝える。
上記【S】のうち、緑色の部分は"運動障害性構音障害"という症状ですが、赤色の部分が失語症を強く疑う症状となります。
厚生労働省によれば、失語症患者さんの新規発生数は年間およそ6万人にも及ぶとされています。失語症患者さんの機能改善や生活支援、心理的サポートをする言語聴覚士の役割がいかに重要であるか、是非多くの皆さんに知っていただきたいところです。
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