第2部 情報通信の現況と政策動向
第5章 情報通信政策の動向
(2)地域におけるICT利活用の推進
ア 地域ICT利活用モデル構築事業
総務省では、地域経済の活性化や少子高齢化への対応等地域が抱えるそれぞれの課題について、ICTの利活用を通じてその解決を促進するためのモデル的取組を委託事業として実施することにより、地域のユビキタスネット化等の促進を図ることを目的として、平成19年度から「地域ICT利活用モデル構築事業」を実施している。
同事業は、
[1] 地方公共団体に対し、ICTの利活用による地域課題の解決や住民の利便性の向上に資する汎用的なICT利活用モデルの構築を委託する
[2] 委託先は、モデルを構築し、その成果物を国に提出する
[3] 国はその成果物を必要に応じて他の地方公共団体に提供することにより、モデルの全国展開を図る
ものであり、平成20年度はICTを利活用した地域課題の解決モデルの構築を50団体に委託したところである6。
イ 地域情報プラットフォームの普及促進
総務省は、地方公共団体等の情報システム同士の連携を可能とするために、各々のシステムが従うべきルールである「地域情報プラットフォーム標準仕様」7の普及を推進しており、これまで、システム間の連携を可能とする技術開発を進めるとともに、財団法人全国地域情報化推進協会と連携し、標準仕様等の策定8を行ってきたところである。地域情報プラットフォームの活用によって、地方公共団体の様々なシステム同士を連携させ、住民の利便性の向上、行政の効率化等を図るとともに、官民のシステム間連携によるワンストップサービスが期待されている。
総務省では、平成20年度から「地域情報プラットフォーム推進事業」6として、引越分野及び地域活性化分野を対象に、地域情報プラットフォーム標準仕様書に準拠したシステムを利用して、地方公共団体間、地方公共団体−民間間を連携させる実証実験を実施し、ワンストップサービスについて制度面や運用面における課題の抽出等を行っている。
平成21年度には、国−地方公共団体間等の連携について、同様の実証実験を行う予定であり、これらの事業の成果を地方公共団体等に普及していくこととしている。
ウ ふるさとケータイ創出推進事業
総務省では、携帯電話のMVNO9を用いて、地域の高齢者が使いやすいように端末の機能の一部を限定したサービス、GPS機能を用いた高齢者や子どものモニタリングサービス、不審者情報、災害情報、地域住民に商店街の特売情報や地域のイベント情報を提供するサービス、医療・介護・健康・安全をサポートするサービス等を実施する「ふるさとケータイ」事業の創出を推進することにより、ユビキタス社会の構築及び地域の安全・安心の回復、地域産業の振興等を図り、地方の再生を実現することを目的として、平成20年度から「ふるさとケータイ創出推進事業」を実施している10(図表5-4-2-1)。
図表5-4-2-1 ICT利活用による地域活性化−ふるさとケータイ利活用モデル−
図表5-4-2-1 ICT利活用による地域活性化−ふるさとケータイ利活用モデル−
同事業は、
[1] 地方公共団体に対し、携帯電話の利活用による地域課題の解決や住民の利便性の向上に資する汎用的なふるさとケータイモデル事業の構築を委託する
[2] 委託先は、モデルを構築し、その成果物を国に提出する
[3] 国はその成果物を必要に応じて他の地方公共団体に提供することにより、モデルの全国展開を図る
ものであり、平成20年度は4団体を委託先候補としたところである。