開館70周年記念展示「本の玉手箱―国立国会図書館70年の歴史と蔵書―」
当館は録音資料・映像資料も収集している。ここではさまざまな録音資料の中から、東京オリンピック、アポロ11号による月着陸など、歴史的な出来事に関わる資料を取上げ、媒体の変遷に着目して展示する。
美しいピクチャーレコード
テイチク〔昭和34(1959)年〕【YMA-4-30-9】
SPレコードは、シェラックと呼ばれる天然樹脂製で、片面最大4分30秒収録可能。
SPレコードの生産は、国内では明治40(1907)年に始まり、昭和38(1963)年に終了した。展示資料は、昭和34(1959)年4月の皇太子(今上天皇)御成婚を記念して制作されたピクチャーレコード。
ハート型のカラーレコード
東芝〔昭和57(1982)年〕【YMA-267-19-2】
通常のレコードは、強化や着色などを目的としてカーボン(炭素)を配合しているので黒いのに対して、カラーレコードは、赤や青などの顔料を配合し、色を付けたものである。展示資料は、昭和55(1980)年に公開され世界的にヒットしたフランス映画「ラ・ブーム」の主題歌が収録されたハート型のカラーレコード。
郷愁のソノシート
朝日ソノラマ 昭和44(1969)年8月【YMH-15】
ソノシートは、塩化ビニール製の薄くて安価なレコードで、雑誌の付録などに用いられた。国内の生産は、昭和34(1959)年から平成17(2005)年まで。「朝日ソノラマ」は、昭和48(1973)年まで発行されたソノシート付き雑誌。展示資料には、昭和44(1969)年7月16日に打ち上げられたアポロ11号乗組員の交信記録などが収録されている。
54年前の東京オリンピック中継
コロムビア〔昭和40(1965)年〕【YMA-55-9-6 ; YMA-55-9-10】
LPレコードは、片面約30分収録可能なポリ塩化ビニール製のレコード。昭和26(1951)年から国内で発売が始まり、1970年代に生産のピークを迎えた。展示資料のレコードは5枚組で、昭和39(1964)年東京オリンピックのNHK実況放送テープ及び競技終了後に放送された番組の放送テープを元に編集された。
エバーグリーンなサウンドを♪
ソニー 昭和57(1982)年【YMC-2-4-7】
CD(コンパクトディスク)は、音声記録用の光ディスクにデジタルデータを記録したもので、直径12cmのCDは、約74分収録が可能。昭和57(1982)年10月、国内で世界初のCDプレーヤーとCDソフトの販売が開始された。展示資料は、ソニーの国内制作盤CD第1号。
ちいさくても手軽に楽しくクラシック♪
ソニーレコード 昭和63(1988)年【YMCB-8-7-23】
昭和63(1988)年に発売が開始された直径8cmのCD(コンパクトディスク)は、約22分収録が可能であった。シングルCDとして、新曲の発表などに利用されたが、12cm盤のシングルCDに取って代わられ、平成21(2009)年以降、ほとんど発売されることはなくなった。展示資料は、クラシックの国内初8cmCDのうちの一つ。
MD(ミニディスク)を知っていますか?
日本コロムビア 平成4(1992)年【YMC31-805】
MD(ミニディスク)は、直径約6.4cmの光ディスクがカートリッジに格納された音声記録用媒体。平成4(1992)年にMDプレーヤーの発売が開始され、同時期に国内各社から音楽ソフトが発表された。展示資料は、闘病から復活した美空ひばりが昭和63(1988)年に発表したアルバムのMD盤。