パフェで見る日本のフルーツ
日本でとれる様々なフルーツ
日本では、全国各地で多種多様なフルーツが栽培されています。このうち、生産量等農林水産省が統計で把握する品目は140程度ありますが、今回取扱ったフルーツ10品目※(注記)の収穫量上位県を図にすると上のようになります。日本の気候風土により、旬のおいしいフルーツを楽しむことができます。
※(注記)果実産出額上位7位の品目(ぶどう、りんご、みかん、もも、日本なし、おうとう、かき)及び果実的野菜3品目(いちご、すいか、メロン)を掲載。
出典:農林水産省「令和4年生産農業所得統計」「令和3年産果樹生産出荷統計」「令和3年産作物統計」
いちご、すいか、メロンについては、農林水産省では通常野菜として取り扱っているものの、利用法としてはフルーツと同様であることから、今回の特集ではフルーツと同様に取り扱っております。
フルーツの魅力を色鮮やかなパフェで発信!
観音山フルーツパーラー総本店(和歌山県紀の川市)
「観音山みかんパフェ」は濃厚な味の生のみかんに加えて、みかんのゼリーやアイス、ドライフルーツも使ってみかん尽くし。上にのったパンダの飾りはバニラアイス。
インパクト絶大な「いちごモンブランパフェ」。摘みたてのいちごに、こぼれそうなほどたっぷりのせた自家製いちごモンブランクリーム&いちごジャムが相性抜群。
「和歌山産フルーツの農園パフェ」は、複数のフルーツを盛り込んだ華やかなパフェ。季節によって使われるフルーツが変わり、旬の移り変わりを感じることができる。
和歌山県紀の川市は、その名の通り「紀の川」が東西に流れ、温暖な気候と肥沃な土壌に恵まれた地域。かんきつ類、もも、いちじく、かき、キウイフルーツ、いちごなど、四季折々のフルーツが収穫できる全国有数のフルーツの産地です。この地域で自社農園の運営から、フルーツを使った加工品製造までを手がけているのが「観音山フルーツガーデン」。2018年には、「もっとフルーツの魅力を広く伝えたい」と、農園内にある直売所に併設する形で「観音山フルーツパーラー」をオープンしました。主に自社農園で収穫したフルーツを使ったパフェを、自然豊かな農園内のお店で味わえることが評判となり、多くの観光客が訪れています。旬によって使うフルーツが変わり、自社で栽培していないフルーツは市内や県内の信頼のおける生産者から仕入れます。そのため、メニューに掲載されるパフェは常時4種類から5種類ですが、年間を通じて30種類近くの多彩なパフェを味わうことができます。
日当たりのいい広大な農園の中にある「観音山フルーツパーラー総本店」。実るフルーツを身近に感じながらパフェを味わえるのが魅力。
同店で働いて6年目の山田記代子さん。「フルーツパフェを通じて、フルーツのおいしさをもっと知ってもらいたいですね」と話す。
私たちの「観音山フルーツガーデン」があるのは、昔から「観音山」と呼ばれてきた日当たりのいい傾斜のある山で、1911年に初代の児玉吉兵衛・オヨシが夫婦で開墾しました。農園を代々受け継ぎ、私で5代目です。私が就農した半世紀ほど前は、みかんの収穫量が全国で300万トン以上もありましたが、今では4分の1以下に減ってしまいました(注1)。食べられなくなってきた原因のひとつは、フルーツのおいしさが十分に伝わっていないから。当社では、自分の子どもに送ってあげるつもりで選別したものを、お客様に届けています。主力のかんきつ類は、しっかり熟して味がのったものを見極めて収穫することはもちろん、機械を使わずに人の手でサイズを選別することにもこだわっています。
6年前に「観音山フルーツパーラー」を開いたのも、フルーツパフェをつくればフルーツのおいしさをより多くの人に伝えられると考えたから。しかも、私たちが育てたフルーツの感想をお客様に直接聞くこともできます。フルーツを通じてご縁ができた方々の助けも得て、東京の銀座、表参道にも支店を出しました。インターネット販売で東京にはすでにたくさんのお客様がいるので、情報発信の拠点になると考えたからです。フルーツの本当のおいしさを知ってもらい、もっとたくさん食べてもらえるように頑張っていきたいですね。
(注1)参考:「果樹生産出荷統計」(農林水産省)
自社農園の面積は合計14ヘクタール、東京ドーム3.5個分。耕作放棄地を積極的に借り受けて農地を広げることで、地元の雇用も創出している。
濃厚な味と香りの「せとか」。自社農園ではこのほかにも、かんきつ類だけで20種類以上が栽培されている。
観音山フルーツパーラー総本店
観音山フルーツガーデン
https://www.kannonyama.com/
column
いちごパフェを
つくってみよう!
「観音山フルーツパーラー」で12月から5月に提供される「いちご農園パフェ」。和歌山県オリジナルの品種である「まりひめ」など旬の品種を使った、人気パフェのひとつです。まるでいちごのブーケのような、美しい盛り付けのコツを教わりました。
【材料(1人分)】
いちご...7個
ホイップクリーム...適量
自家製キルシュ入りゼリー...大さじ1強(市販のみつ豆用寒天で代用可)
自家製パンナコッタ...大さじ1と1/2(市販品で代用可)
自家製いちごジャム...適量(市販品で代用可)
グラノーラ...大さじ1
ピスタチオアイス...1スクープ(市販品で可)
ココアクッキー入りバニラアイス...1スクープ(ピスタチオよりも小さめ、市販品で可)
【つくり方】
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パフェグラスの底にいちご2分の1個を6等分に切って入れ、砕いたキルシュ入りゼリーを重ねる。
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いちご1個を2ミリメートルの厚さで輪切りにし、グラスの側面に張り付ける。いちごは厚いとはがれやすいので、薄めにスライスするのがコツ。
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生クリームをしぼり、2でスライスして残ったいちごを中に埋め込む。
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砕いたパンナコッタをのせ、ぐるりと囲むようにいちごジャムを重ねる。
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生クリームをしぼり、グラノーラをのせる。
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ピスタチオアイス、クッキー入りバニラアイスをのせる。ソフトクリームのようにぐるりと生クリームをしぼる。
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いちご4個を半分に切る(1で使った残り2分の1個はここで使う)。下段には、放射状に5切れを飾る。
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中段は、下の段のいちごの間を埋めるように、4切れを飾る。
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いちご1個を4等分に切り、上段に飾る。てっぺんに、まるごとのいちご1個を飾ったら、できあがり。
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お店ではさらに、生クリームでつくった雪だるまや紀州犬を飾って提供しています!
旬のフルーツのパフェを地元だけでなく全国各地で
みのりみのるプロジェクト
大きめにカットしたメロンをトッピングし、香りのよいメロン果肉をソースとして使った「熊本県産アンデスメロンパフェ」。コクのある甘みとなめらかな食感が楽しめる。福岡パルコ店、コムボックス佐賀駅前店のほか銀座三越店でも提供予定。
甘みが強くてジューシーなびわの果肉を3個以上使用した「長崎県産びわパフェ」。ソースにもびわを使い、国産のミルクジェラートとヨーグルトゼリーを組み合わせている。長崎駅店で提供予定。
全国農業協同組合連合会(JA全農)では、農畜産物の生産者と消費者が食と農を通じて共感するという場や機会を提案するみのりみのるプロジェクトを行っています。代表的な取組としてカフェやレストランの運営があります。全国に20店舗ほど展開し、国産の農畜産物を使ったメニューを提供しています。
そのなかでも力を入れているのが、旬のフルーツを使ったパフェです。現在、直営の13店舗でご提供しており、スイーツでは一番の人気メニューとなりました。フルーツの産地だけでなく、他の地域で食べられることも人気の理由のひとつです。2023年度は全国柑橘消費拡大協議会、全国落葉果樹消費拡大協議会とコラボし、例えば東北地方の旬のフルーツが九州地方でも同時期に味わえるといった、地域を超えた展開を行っています。
口の中でとろけるような果肉の柔らかさと芳醇な香りが満喫できる、贅沢な「夕張メロンパフェ」。夕張メロンの果肉ソースのほか、北海道・よつ葉乳業のソフトクリームなども使用。札幌ステラプライス店のほか銀座三越店でも提供予定。
旬の季節を先取りして4月下旬ごろから提供を始める「宮崎県産マンゴーパフェ」。とろけるような甘さの完熟マンゴーにヨーグルトやバニラアイスクリーム、ブランマンジェなどを使用した人気メニュー。アミュプラザ博多店で提供予定。
みのりみのるプロジェクト
https://www.minoriminoru.jp/
Topics
果物で生活習慣病を予防
目標は1日200グラム
近年の研究により、果物にはがんをはじめ様々な生活習慣病に対して予防効果が高いことが分かっています。摂取量は、1人1日200グラム(可食部)が目安。例えば、みかんなら2個程度になります。
【参考】
毎日くだもの200グラム!(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/fruits/f_syohi/
お問合せ先
大臣官房広報評価課広報室
代表:03-3502-8111(内線3074)
ダイヤルイン:03-3502-8449
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