玄海原子力発電所4号機の出力降下中における一時的な運転上の制限逸脱について
発生日
2024年3月26日
発電所
九州電力 玄海原子力発電所 4号機(加圧水型軽水炉、定格電気出力118万kW)
内容
事象
玄海原子力発電所4号機は、第16回定期検査のため、2024年3月26日18時26分から出力降下中のところ、20時32分に原子炉内の領域間出力が不均一になったことを示す警報(1/4炉心出力偏差の警報)が発信し、保安規定に定める「運転上の制限」の逸脱と判断しました。その後、同日20時40分に警報が復帰したことから運転上の制限の逸脱から復帰しました。
なお、本事象は定期検査のための出力降下中に、一時的に運転上の制限を逸脱したものであり、発電所の安全性に問題はありませんでした。
原因
原子炉の運転中、各検出器の指示値(原子炉出力)には常に「揺らぎ」が発生します。また、出力降下に伴い、「指示値の差(出力偏差)が拡大」する傾向があります。今回の「揺らぎ」と「指示値の差(出力偏差)の拡大」は、想定している変動範囲内であったものの、それぞれが大きな値となる状態が重なったことから、一時的に出力偏差が一定の範囲(1.02以下)を超えたと推定しました。
対策
運転中、毎月実施している原子炉内の状態測定(注1)に加え、定期検査のための出力降下前にも原子炉内の状態測定を行い、出力降下中の原子炉の安全性に余裕があること等を確認するとともに、原則、検出器の校正(注2)を実施します。
(注1)核分裂の状況を詳細に確認するため、原子炉内に検出器を挿入し中性子の数を測定する。
(注2)詳細に確認した原子炉内の核分裂の状況に基づき、原子炉外の検出器を調整する。
参考リンク
プレスリリース