1 九電グループの概要 2 価値創造ストーリー 3 戦略とパフォーマンス 4 事業を通じた価値創出 5 価値創出の基盤 6 データセクション
目次 55
KYUDEN GROUP INTEGRATED REPORT 2023
脱炭素社会の牽引
九電グループは、
気候変動対応を経営上の重要課題
(マテリアリティ)
と位置付けており、
2020年からTCFD提言に基づくシナリオ分析と情報開示を継続して実施しています。
また、
九電グループの温室効果ガス
(GHG)
の排出に関する削減目標が、
国内エネルギー事業者として初めて国際的なイニシアチブである
「ScienceBasedTargets
(SBT)
イニシアチブ」
から、
科学的根拠に基づいた目標
(science-basedtargets)
であると認定されました。
今後も、
同提言を活用した戦略策定、
同提言の枠組みに沿った情報開示の充実を通じ、
「脱炭素社会の牽引」
を実現するとともに、
ステークホルダーの皆さまへの説明責任を果たしていきます。
九州電力は、
2019年7月、
TCFD(注記)
提言に賛同しました。
(注記):TCFD:
TaskForceonClimate-relatedFinancialDisclosures G20財務大臣・中央銀行
総裁会合の要請を受け、
金融安定理事会
(FSB)
によって設立されたタスクフォース。
2017年
6月、
気候関連のリスクと機会がもたらす財務的影響について情報開示を促す提言を公表。
カーボンニュートラルをはじめとするESGの取組みを強力に推進するため、
2021年7月、
取締
役会の監督下に、
社長を委員長とする
「サステナビリティ推進委員会」
を設置しました。
本委員会では、
ESG 全般に係る戦略・基本方針の策定
(マテリアリティの特定)、具体的方策の
審議、
施策実施状況の進捗管理に加え、
気候変動に関する戦略、
リスクについての審議
・監督を
行います。
また、
本委員会の下には、
ESG 担当役員を議長とする
「カーボンニュートラル・環境分
科会」
を設置し、
カーボンニュートラルを含む環境問題全般について、
より専門的な見地から審
議を行っています。 年に2回以上開催する本委員会の審議結果は、
取締役会に遅滞なく報告しており、
取締役会は
ESGに係る活動全般を監督しています。
2021年11月に公表した、
九電グループが目指す2050年のゴールや、
2030年経営目標
(環境
目標)
の上方修正を含む
「カーボンニュートラルの実現に向けたアクションプラン」
は、
カーボン
ニュートラル・環境分科会及び本委員会での議論を経て、
取締役会で決議しました。
今後も、
気候変動リスク・機会の評価・管理プロセスの更なる充実・強化を図り、
九電グループ
の企業価値向上につなげていきます。
リスクマネジメントシステムに関する詳細は P86 参照
取締役のスキルマトリックスは P78 参照)
九州電力は、
取締役
(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)及び役員に対する業
績連動報酬を支給しており、
その業績指標の一つとして、
カーボンニュートラルに向けたGHG削
減量を採用しています。
(役員報酬に関する詳細は P79 参照)
気候変動に係る対応体制
(リスク・機会の評価・マネジメントプロセス)
取締役会・サステナビリティ推進委員会等における主な気候変動関連議題の議論状況
(2022年7月以降)
気候変動対応と役員報酬の連動
対応体制監督
取締役会・
マテリアリティの見直し
(要否検討含む)・
中期ESG推進計画策定方針、
中期ESG推進計画の進捗・
GHG排出削減に向けた施策・
統合報告書発行方針・開示内容
(TNFD・TCFD開示内容含む)・
資本市場との対話内容
(外部ESG評価向上に向けた取組み含む)・
SBT認定取得・
GXリーグ関係執行
サステナビリティ
推進委員会
TCFD提言に基づく取組み
しかくサステナビリティ推進委員会
しかくカーボンニュートラル・環境分科会
[構成]
委員長:
代表取締役社長執行役員
副委員長:ESG担当役員
(代表取締役副社長執行役員)
委 員:社外取締役、
関係統括本部長 等
[開催]
原則として年2回のほか、
必要に応じて開催
[構成]
議 長:ESG担当役員
(代表取締役副社長執行役員)
副議長:
コーポレート戦略部門長、
地域共生本部長
委 員:関係本部部長 等
[開催]
原則として年2回のほか、
必要に応じて開催
しかく ガバナンス・
リスクマネジメント
方針・計画等の提示、
モニタリング等
部門計画策定、
実施状況報告等ステ�クホルダ�
情報開示
声の反映
取締役会
サステナビリティ推進委員会
カーボンニュートラル・環境分科会
・地球環境、社会、ガバナンス
に係る戦略・基本方針の策定
・実施状況のモニタリング など
・環境問題全般に関する専門的な
検討
各本部、グループ会社
監督 付議・報告
経営会議
・中期経営計画の策定
など
連携
付議・報告
統括/指示 付議/報告
対応体制 [ ] 1 九電グループの概要 2 価値創造ストーリー 3 戦略とパフォーマンス 4 事業を通じた価値創出 5 価値創出の基盤 6 データセクション
目次 56
KYUDEN GROUP INTEGRATED REPORT 2023
脱炭素社会の牽引
気候変動に係る政府間パネル
(IPCC)
第6次報告書やIEAの報告書、
国の第6次エネルギー基本計画等を踏まえてシナリオ分析を行い、
気候変動が九電グループに及ぼす影響を評価しました。
これらの分析結果は、
九電グループの低炭素移行計画である
「カーボンニュートラルの実現に向けたアクションプラン」
に適切に反映の上、
その着実な推進に向けて
「中期 ESG 推進計画」
を策定しています。
アクションプラン
については、
サステナビリティ推進委員会、
カーボンニュートラル・環境分科会において進捗状況を確認・審議するとともに、
社会情勢や技術革新の動向等を踏まえ適切に見直しを図っていくこととしています。
なお、
昨年より、
電気事業
(国内・海外・再エネ事業)
に関するリスク・機会とその財務影響に加え、
成長事業であるICTサービス事業と都市開発事業におけるシナリオ分析も実施しています。
シナリオ分析
[1.5°Cケース]
シナリオ
シナリオドライバー
リスク・機会
発現
時期
発現
可能性
財務インパクト
(損益ベース) 対応戦略
大項目 中項目 小項目
世界全体で、
カーボ
ンプ ライシン グ 等 の
規制が強化され、
気候
変 動 対 応の取 組みが
進展している。
その結
果、
GHG削 減 が 順 調
に進展。
気 温 の 上 昇 が 抑え
ら れ る た め、
九 電 グ
ル ープ の 主 な 事 業 領
域 で ある九 州 でも異
常 気 象や出水 率 の 増
減 等の事 象が 現 状か
ら大きく増加しない。
国 内では 再 エネや
原 子力発 電の最 大 限
の 活 用 な ど、
ゼ ロ エ
ミッション電源の導入
が進んでいる。
顧 客 の 環 境 意 識も
高く、
野心的な省エネ
が進展するとともに、
EVの普及も含めたあ
らゆる分 野 で の 電 化
が進展している。電気事業(再エネ・海外含む)
政策・
規制
GHG排出規制
強化に伴う
コスト・投資
カーボンプライシング
(税・排出権など)
移行リスク
(政策・規制)
中・長 中
GHGを削減しなかった場合、
100〜150億円程度の費用増
(カーボンプライシングを2,000〜3,000円/t-CO2と仮定)
・GHG排出量削減
・エネルギー政策への提言・関与
非効率石炭フェードアウト、
火力総合
熱効率向上
短・中・長 高
数百億円
(自社LNG火力に水素1%、
石炭火力にアンモニア20%を
混焼した場合の燃料費上昇額)
・既設火力での混焼技術の確立
・水素・アンモニアのサプライチェーンの構築
・再エネや原子力を用いたカーボンフリー燃料製造
・石炭火力からLNGコンバインド火力への振替
技術
再生可能エネ
ルギーの主力
電源化
再エネ開発推進による収益拡大
(海外含む)
機会
(エネルギー源)
短・中・長 高 再エネ事業での経常利益130億円
(2025年度)
・強みである地熱や水力の開発
・導入ポテンシャルが大きい洋上風力やバイオマス等の開発
・蓄電池・揚水の活用
系統の安定性低下
移行リスク
(技術)
中・長 低 小〜中 デジタルの活用による需給運用・系統安定化技術の高度化
原子力の
最大限の活用
原子力の設備利用率向上
機会
(エネルギー源)
中・長 中 設備利用率が1%向上した場合50億円程度の燃料費削減効果 定検短縮、
長期サイクル運転、
電気出力向上
原子力の計画外停止
移行リスク
(政策・規制、
技術)
短・中・長 低 1か月の停止で100億円/基程度 設備の実態に合わせた適切な修繕費及び改良工事費の予算配分の実施
市場
電力需要
電化の進展による販売電力の増加
機会
(製品・サービス)
短・中・長 高
電化目標達成した場合の売上増600億円程度
(2030目標KPIを達成した場合の売上増)
九州の電化率向上への貢献
-家庭:住宅関連事業者との連携強化 -業務:高効率ヒートポンプシステムの提案 等
分散型エネルギーシステムの普及や競
争激化等による販売電力の減少
移行リスク
(市場)
中・長 高 小売販売電力1%減で150億円程度の売上減 DER制御技術の確立と蓄電池を用いたアグリゲートビジネスの展開
燃料価格 燃料価格の上昇 短・中・長 高 一定の影響はあるが、
原子力の安定稼働を前提に影響を低減
・供給ソースの分散化
・契約上の価格固定化オプションの活用等による価格上昇の抑制
【石炭】
・価格安定性の高い新たな指標を用いた価格決定方式の多様化を検討
【LNG】
評判 信用力
カーボンニュートラルへの取組みが投
資家から不十分と評価されることによ
る資金調達コストの上昇
移行リスク
(評判)
中・長 中
8億円程度
(2022年度の資金調達実績約7,000億円の金利が0.1%
変動した場合の影響額)
・アクションプランの着実な実行
・KPIの進捗の適切な開示など、
情報開示の推進
製品・
サービス
顧 客ニーズ の
変化
非化石価値の販売
機会
(製品・サービス)
短・中・長 高
200億円〜400億円
(非化石価値を全量販売した場合の売上ポテンシャル)
・ゼロエミ電源の最大限の活用
・再エネ・CO2フリープランの拡充
地域のカーボンニュートラルニーズ
拡大
機会
(製品・サービス)
中・長 高
数億円程度
(分散型エネルギーシステム、
EVサービス等による売上増)
・DER制御技術の確立と蓄電池を用いたアグリゲートビジネスの展開
・EVを活用した新たなビジネスモデルの検討ICTサービス・都市開発事業
政策・
規制
GHG排出規制
強化に伴う
コスト・投資
カーボンプライシング
(税・排出権など)
移行リスク
(政策・規制)
中・長 中 小
省エネ性能向上、
創エネによるZEB・ZEH化、
再エネ由来電力導入、
DX活用の推進によ
り差別化・高付加価値化を図り、
収益性を維持・向上。
また、
カーボンプライシング導入の
影響低減を図る
省エネ法強化等に伴うコスト増
移行リスク
(政策・規制)
中・長 高 小
製品・
サービス
顧 客ニーズ の
変化
脱炭素、
省エネニーズの高まりを受け
た電化の推進、
エネルギーマネジメント
ニーズの増加 機会
(製品・サービス)
短・中・長 高 中
レジリエント確保に関連した製品・
サービス需要の拡大
中・長 中 小
・自治体災害対応ニーズへの適格な対応、
協定の締結
・ドローンサービスや無停電電源装置等の関連製品・サービスにおける他社との協業、
及び 競合他社との差別化
物理
設備被害
台風・洪水・集中豪雨等自然災害に伴
う損失の発生
(被災設備の復旧費増、
稼働停止による収益減)
物理リスク
(急性)
短・中・長 低 小
災害に強い施設の建設、
ハザードマップを活用した開発地点の選定・防災対策の実施、
保険付保によるリスクヘッジ等により影響を最小化
・分散構成や災害に強い通信ネットワークの構築
・災害対策マニュアル等の作成
オペレーション
コスト平均気温上昇に伴う空調電力コストの
増加
物理リスク
(慢性)
中・長 高 小 ・データセンターの空調エネルギー効率改善 等1.5°Cケース[ 発 現 時 期 ]
短期:現在〜2025年度、
中期:2026年度〜2030年度、
長期:2031年度〜2050年度
[財務インパクト] 小:
10億円未満、中:
10〜100億円、大:
100億円以上 *財務インパクトのうち注釈のないものは2022年度実績を用いた
[ 検 討 の 前 提 ]
1�5°C上昇ケース:気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次報告書(SSP1-1�9シナリオ)、
IEAWEO2022
(NetZeroEmissionsby2050(NZE)シナリオ)、第6次エネルギー基本計画 等
4�0°C上昇ケース:気候変動に関する政府間パネル
(IPCC)
第6次報告書(SSP5-8�5シナリオ) 等
しかく 戦略
(リスク
・機会と対策)
〜シナリオ分析に基づく気候変動対策〜
[対応戦略の具体的な内容は P42〜49 に記載〕
1 九電グループの概要 2 価値創造ストーリー 3 戦略とパフォーマンス 4 事業を通じた価値創出 5 価値創出の基盤 6 データセクション
目次 57
KYUDEN GROUP INTEGRATED REPORT 2023
脱炭素社会の牽引
シナリオ分析
[4.0°Cケース]
シナリオ
シナリオドライバー
リスク・機会 発現時期
発現
可能性
財務インパクト
(損益ベース) 対応戦略
大項目 中項目 小項目
国・地域によって気候
変動対応の取組みに温
度差があり、
世界全体で
見ると、
GHG排出量 削
減が進んでいない。
世界全体で気温が上
昇し、
九電グループの主
な事業領域である九州
も含め、
異常気象や出水
率の増減等の事象が増
加し、
海外の資源開発地
の一部では操業不能な
どの影響が顕在化する。
国内では再エネや原
子力発電の最大限の活
用など、
ゼロエミッショ
ン電源の導入が進んで
いる。
さらに原子力に関
しては、
脱炭素電源の必
要性の高まりから、
新型
炉開発に向けた議論が
進展する。
顧客の環境意識も高
く、
野心的な省エネが進
展するとともに、
EVの普
及も含めたあらゆる分野
での電化が進展してい
る。
カーボンプライシング
等の規制は、
世界全体の
GHG排出削減が不十分
であることから、
先進国
の発電事業者に対し、更に厳しいものが課されよ
うとしている。電気事業(再エネ・海外含む)
政策・
規制
GHG排出規制
強化に伴う
コスト・投資
カーボンプライシング
(税・排出権など)
移行リスク
(政策・規制)
中・長 中
GHGを削減しなかった場合、
200〜300億円程度の費用増
(カーボンプライシングを4,000〜6,000円/t-CO2と仮定)
・GHG排出量削減
・エネルギー政策への提言・関与
非効率石炭フェードアウト、
火力総合
熱効率向上
短・中・長 高 1.5°Cよりも大きい
・既設火力での混焼技術の確立
・水素・アンモニアのサプライチェーンの構築
・再エネや原子力を用いたカーボンフリー燃料製造
・石炭火力からLNGコンバインド火力への振替
技術
原子力の
最大限の活用
原子力の計画外停止
移行リスク
(政策・規制、
技術)
短・中・長 低 1か月の停止で100億円/基程度 設備の実態に合わせた適切な修繕費及び改良工事費の予算配分の実施
市場 電力需要
電化の進展による販売電力の増加
機会
(製品・サービス)
短・中・長 高 1.5°Cケースほど顕著でない
九州の電化率向上への貢献
-家庭:住宅関連事業者との連携強化
-業務:高効率ヒートポンプシステムの提案 等
分散型エネルギーシステムの普及や競
争激化等による販売電力の減少
移行リスク
(市場)
中・長 高 小売販売電力1%減で150億円程度の売上減 DER制御技術の確立と蓄電池を用いたアグリゲートビジネスの展開
評判 信用力
カーボンニュートラルへの取組みが投
資家から不十分と評価されることによ
る資金調達コストの上昇
移行リスク
(評判)
中・長 中
8億円程度
(2022年度の資金調達実績約7,000億円の金利が0.1%
変動した場合の影響額)
・アクションプランの着実な実行
・KPIの進捗の適切な開示など、
情報開示の推進
製品・サービス
顧 客ニーズ の
変化
カーボンニュートラルニーズの拡大
機会
(製品・サービス)
中・長 低 1.5°Cほど顕著でない ・ゼロエミ電源の最大限の活用
物理
燃料
水力発電量の減少
物理リスク
(慢性)
中・長 低
数億円程度/%
(出水率1%変動による収支感応度)
FIT・FIP制度等を活用した、
既設発電所の更新や新規開発の推進
資源開発地の操業不能
物理リスク
(急性)
中・長 低
燃料価格の上昇により300億円程度の燃料費増
(石炭:10$/t、
LNG:1$/MMBtuの価格上昇による感応度)
・供給ソースの分散化
・契約上の価格固定化オプションの活用等による価格上昇の抑制
【石炭】
・価格安定性の高い新たな指標を用いた価格決定方式の多様化を検討
【LNG】
設備 設備被害 中・長 高
災害復旧費用 71億円
(2022年台風14号実績)
・無電柱化の推進
・災害対応力の向上(訓練等)ICTサービス・都市開発事業
政策・
規制
GHG排出規制
強化に伴う
コスト・投資
カーボンプライシング
(税・排出権など) 移行リスク
(政策・規制)
中・長 中 小
省エネ性能向上、
創エネによるZEB・ZEH化、
再エネ由来電力導入、
DX活用の推進によ
り差別化・高付加価値化を図り、
収益性を維持・向上。
また、
カーボンプライシング導入の
影響低減を図る
省エネ法強化等に伴うコスト増 中・長 高 1.5°Cケースほど顕著でない
製品・サービス
顧 客ニーズ の
変化
脱炭素、
省エネニーズの高まりを受け
た電化の推進、
エネルギーマネジメント
ニーズの増加 機会
(製品・サービス)
短・中・長 高 1.5°Cケースほど顕著でない
レジリエント確保に関連した製品・
サービス需要の拡大
中・長 中 1.5°Cケースよりも大きい
・自治体災害対応ニーズへの適格な対応、
協定の締結
・ドローンサービスや無停電電源装置等の関連製品・サービスにおける他社との協業、 及び競合他社との差別化
物理
設備被害
台風・洪水・集中豪雨等自然災害に伴
う損失の発生
(被災設備の復旧費増、
稼働停止による収益減)
物理リスク
(急性)
短・中・長 中 1.5°Cケースよりも大きい
災害に強い施設の建設、
ハザードマップを活用した開発地点の選定・防災対策の実施、
保険付保によるリスクヘッジ等により影響を最小化
・分散構成や災害に強い通信ネットワークの構築
・災害対策マニュアル等の作成
オペレーション
コスト
平均気温上昇に伴う空調電力コストの
増加
物理リスク
(慢性)
中・長 高 1.5°Cケースよりも大きい データセンターの空調エネルギー効率改善等4.0°Cケース[ 発 現 時 期 ]
短期:現在〜2025年度、
中期:2026年度〜2030年度、
長期:2031年度〜2050年度
[財務インパクト] 小:
10億円未満、中:
10〜100億円、大:
100億円以上 *財務インパクトのうち注釈のないものは2022年度実績を用いた
[ 検 討 の 前 提 ]
1�5°C上昇ケース:気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次報告書(SSP1-1�9シナリオ)、
IEAWEO2022
(NetZeroEmissionsby2050(NZE)シナリオ)、第6次エネルギー基本計画 等
4�0°C上昇ケース:気候変動に関する政府間パネル
(IPCC)
第6次報告書(SSP5-8�5シナリオ) 等
「カーボンニュートラルビジョン2050
(アクションプラン含む)」の詳細は九州電力ホームページ
(以下)
をご覧ください。
https://www�kyuden�co�jp/ ホーム > サステナビリティ > カーボンニュートラルビジョン2050
1 九電グループの概要 2 価値創造ストーリー 3 戦略とパフォーマンス 4 事業を通じた価値創出 5 価値創出の基盤 6 データセクション
目次 58
KYUDEN GROUP INTEGRATED REPORT 2023
脱炭素社会の牽引
KGI(2050年) 指標 中期目標・KPI
(2030年) 2022年度実績供給側サプライチェーン
GHG排出量
「実質ゼロ」
サプライチェーン
GHG排出量
サプライチェーンGHG排出量を60%[国内事業は65%]削減
(2013年度比) 26%削減 [国内事業は28%削減]
再エネの主力電源化 再エネ開発量500万kW
(国内外) 302万kW
(国内外、
既決定案件(注記)1)
火力発電の低炭素化
省エネ法ベンチマーク指標 (A指標:1�0以上/B指標:44�3%以上/石炭単独指標:43�0%以上)
の達成
A指標:0�98、
B指標:43�02%、
石炭単独指標:41�66%
水素1%・アンモニア20%混焼に向けた技術確立
水素・アンモニア混焼技術の調査・検討
(2023年4月より苓北発電所1号機でアンモニア混焼試験を実施)需要側社会のGHG排出削減への貢献
ー九州の家庭・業務部門の電化率
100%の実現に貢献
電化の推進 九州の電化率向上に貢献
(家庭部門:70%、
業務部門:60%) 家庭部門:61%、
業務部門:48% (注記)2
家庭部門 増分電力量15億kWh
(2021-2030年累計) 増分電力量:1�2億kWh
業務部門 増分電力量16億kWh
(2021-2030年累計) 増分電力量:1�1億kWh
運輸部門 社有車100%EV化
(特殊車両を除く) 社有車のEV割合:16%
(95台導入)
社会のGHG排出削減への貢献 GHG排出削減貢献量700万t-CO2 約100万t-CO2 低・
脱炭素の業界トップランナーとして、
2050年のサプライチェーン温室効果ガス
(GHG)
排出量の
「実質ゼロ」
に挑戦するとともに、
九州の電化率向上への貢献などにより、
社会のGHG排出削減に大きく貢献していくことで、
九電グループの事業活動全体の
「カーボンマイナス」
を2050年よりできるだけ早期に実現します。
また、
2050年カーボンニュートラルに向けた中間目標として、
2030年の経営目標
(環境目標)
を、
日本政府が示したGHG排出削減目標を大きく上回る水準に設定し、
これらの達成に向けた具体的行動計画
(進捗等詳細は
P40〜41 参照)
を策定しています。
九電グループでは、
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、
再エネ事業の推進を目的に、
非化石価値
取引市場の取引状況等を基に社内炭素価格を設定し、
投資判断に活用しています。
社内炭素価格は、
非化石価値取引市場
(高度化法義務達成市場)
の取引価格
(0�6〜1�3円 /kWh)
等を基
に1,400〜2,900円/t-CO2程度と設定しています。
脱炭素に向けた取組みの加速に向け、
社会情勢等も勘案しつつ、
社内炭素価格の更なる活用
(適用範囲拡
大や価格水準の見直し等)
を含めて検討します。
2022年度は、
旧一般電気事業者として初となるトランジションボンドの発行や国の利子補給制度初となる
トランジションローンを実行しました。
(グリーン・トランジションファイナンスの推進に関する詳細は P46 参照)
2021〜2025年度の投資総額 約5,000億円
(うち再エネ関係約2,500億円)
インターナルカーボンプライシング
(社内炭素価格)
サプライチェーンGHG排出量
(経営目標)
の推移
(詳細は P95 )
電源の低・脱炭素化に向けた投資総額
約100
約100
6,166
4,510↓GHG排出量
(Scope1+2+3)
「実質ゼロ」↓2,600
さんかく65%
単位:万t-CO2
カーボンマイナス
(排出量<排出削減貢献量)
の早期実現
6,096
4,341
3,972
3,840
2,200
(国内)2013700
2030 〜 205020222021
(注記):GHG排出量データは
「ESGデータブック2023」
上で、
デロイトトーマツサステナビリティ(株)による第三者保証を受けています。サプライチェーンGHG排出量
(注記)GHG排出削減貢献量
【社会のGHG排出削減への貢献に向けた取組み】
九州域内での電化の推進
(電化率向上への貢献)
九州域外・海外での再エネ開発推進
適切な森林管理によるCO2吸収 等
再エネの主力電源化
原子力の最大限の活用
火力発電の低炭素化
さんかく60%
(注記)1:現段階で2030年までに開発が見込まれる案件の合計 (注記)2:資源エネルギー庁
「都道府県別エネルギー消費統計の2020年度値
(暫定値)」をもとに当社試算
しかく 指標と目標 〜気候関連の目標の設定とその進捗〜

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