放射性セシウムが埋立地外へ漏出しないよう多重の安全対策を実施します。
対策① 収納容器のまま埋立
収納容器に封入したまま埋め立てることで、廃棄物の流出を防ぎ安定的に埋め立てます。
対策② 土壌層
埋立廃棄物の下部及び中間層にゼオライトを混合した土壌層を敷設し、放射性セシウムを吸着させます。
対策③ 不透水性土壌層等
埋立廃棄物の下層に不透水性土壌層等を敷設し、更なる下層への雨水の浸入を抑制して、水と廃棄物との接触を低減します。
対策④ 表面キャッピング
埋立作業を実施していない区画は、常時キャッピングシートで覆い、雨水の浸入を抑制して、水と廃棄物との接触を低減します。
対策⑤ 埋立地内の排水促進
不透水性土壌層等には勾配を設け、仮に雨水が浸入しても速やかに排水して、水と廃棄物との接触を低減します。
対策⑥ 遮水シート
埋立地の全面に二重の遮水シートを設置しており、埋立地外部への浸出水の漏出を防ぎます。万一、シートの破損があった場合に備え、破損箇所を特定できる探知システムを備えています。
廃棄物の埋立てを安全かつ円滑に行うため、埋立開始前に上流側区画の既存廃棄物を下流側区画に埋め立て直しました。施工にあたっては、既存廃棄物の上面で支持力を確認するとともに、ジオグリッドを敷設して既存廃棄物層の補強対策を行いました。また、埋立廃棄物層にも多層にわたってジオグリッドを敷設し、廃棄物層全体のさらなる安定性の向上を図ります。
収納容器に封入した廃棄物は千鳥配置で埋め立てます。収納容器の間は砂等で充填し、廃棄物層の安定性を高めます。地盤改良用収納容器の埋立てでは、収納容器を一段積み上げるごとに重機による転圧を行って強度を確保するなど、埋立廃棄物層の変形や沈下が生じないように埋立管理を徹底します。
埋立配置例(千鳥配置)
土堰堤及び最終覆土については、セメント混合土を使用し、安定性を強化します。また、その表面をモルタルで被覆することにより、埋立地内部への雨水の浸透を抑制します。さらに、モルタル被覆面を緑化することで、景観の向上及び被覆の保護を行います。
放射性セシウムが比較的溶出しやすい廃棄物(飛灰等)は、セメント固型化し角型収納容器に封入した状態で、上流側区画に埋め立てます。セメント固型化により放射性セシウムの溶出を抑制することができます。
放射性セシウムが溶出しにくい廃棄物(主灰、不燃物等)は、地盤改良用収納容器に封入し、下流側区画に埋め立てます。通常の収納容器と異なり、封入する廃棄物の締め固めが行えるため、より安定的な埋立層を形成することができます。
埋立地からの浸出水が地盤へ浸透することを防止する遮水工は、全面(底部及び法面)二重遮水シート構造となっています。遮水シートの損傷を防止するため、遮水シートの上下にそれぞれ保護材を敷設し、また、底部の遮水シートは損傷による浸出水の漏出を検知できる漏水検知システムを導入した構造となっています。
▼遮水工の構造(イメージ)