An example structural equation model 構造方程式モデリングの例。潜在変数は丸で、測定された変数は四角で、残差と分散は両頭矢印で、それぞれ示されている。モデルにスケール感を持たせるために、潜在的な IQ の分散は 1 に固定している
共分散構造分析 (きょうぶんさんこうぞうぶんせき、英 : Covariance Structure Analysis / Structural Equation Modeling)とは、複数の構成概念間の関係を検討することができる統計的手法の1つである。従来の多変量データ分析では固定的な数理モデルに形式を合わせなければならなかったところ、共分散構造分析によって、データ固有のモデルを柔軟に構成することができるようになった。その母数推定に、最尤推定 とベイズ推定 を利用できるところが特徴となっている。
構造方程式モデリング (Structural Equation Modeling)手法では共分散を使っている特別なクラスである。
分散構造分析 も存在する[ 1] 。内生変数を扱いながら関係を調べることができる、すなわち因子分析 と重回帰分析 を同時に行うことができるのが特徴。
上図(右上)は、知能(4つの質問で測定)が学業成績(SAT、ACT、高校のGPA)を予測するという単純化されたモデルである。構造方程式モデリングのダイアグラムでは、潜在変数は楕円形、観測変数は長方形で示される。上の図では、誤差(e)が各知能問題やSAT、ACT、GPAのスコアに影響を与えているが、潜在変数には影響を与えていない。
構造方程式モデリングでは、モデル内の各パラメータ(矢印)について、関係性の強さを示す推定値が得られる。
したがって、全体的な理論の検証に加えて、どの観測変数が潜在変数の良い指標になるかを診断することができる。
豊田秀樹 『共分散構造分析 入門編』朝倉書店、1998年、ISBN 4-254-12658-1
豊田秀樹『共分散構造分析 疑問編』朝倉書店、2003年、ISBN 4-254-12666-2
Reinartz, Werner, Michael Haenlein, and Jörg Henseler. "An empirical comparison of the efficacy of covariance-based and variance-based SEM." International Journal of research in Marketing 26.4 (2009): 332-344.