コンテンツにスキップ
Wikipedia

「二刀流」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
(100人を超える利用者による、間の205版が非表示)
1行目: 1行目:
[[file:Miyamoto Musashi Self-Portrait.jpg|thumb|[[宮本武蔵]]の下段の構え]]
'''二刀流'''(にとうりゅう)とは、両手(右手と左手)にそれぞれ[[刀]]もしくは[[剣]]を持って、攻守をおこなう技術の総称。'''二刀剣法'''とも呼ばれる。また、左右両方の手それぞれが、[[武器]]を扱うことから、二つの異なる手段をもって事にあたること、あるいは同時に二つのことを行うことなどを意味するようにもなった。
'''二刀流'''(にとうりゅう)は、両手(右手と左手)にそれぞれ[[刀]]もしくは[[剣]]を持って、攻守をおこなう技術の総称。'''二刀剣法'''とも呼ばれる。


転じて、二つの異なる手段をもって事にあたること、あるいは同時に二つのことを行うことを意味するようにもなった。拳銃を使う場合は[[二丁拳銃]]と言う。英語においては武器の種類を問わずDual wield(Dual 2重の、一対。wield 振るう、振り回すなどの意)と表現する。


==(削除) 概要 (削除ここまで)==
==(追記) 日本 (追記ここまで)==
=== 剣術 ===
*日本
[[ファイル:Hyoho-niten-ichi-ryu-nito.jpg|thumb|280px|[[二天一流]]の演武]]
日本の[[武術]]での二刀流は、右手に[[打刀|大刀]]を左手に[[小太刀]]を持った形が最も多い。基本的に両手で把持して使用する目的で作られている[[日本刀]]を片手で使用する事、両手を別々に使用すること等、日本刀での二刀は難しく、二刀を中心とする流派は少ない。日本の剣術から生まれた[[剣道]]でも二刀流は行われている。
日本の[[剣術]]の二刀流は、利き手に[[本差]]を、反対側の手に[[脇差]]を持った形が最も多い。{{要出典範囲|基本的に両手で把持して使用する目的で作られている[[日本刀]]を片手で使用することや、両手を別々に使用することは難しく|date=2019年4月}}、二刀を中心とする[[流派]]は少ない。二刀流を重視する流派としては、[[宮本武蔵]]が開いた[[二天一流]]が最も有名である。


二刀剣法の技術は、多くの[[(削除) 日本 (削除ここまで)(削除) 術|武術 (削除ここまで)]]で継承されているが、形は様々で、左手に(削除) 大 (削除ここまで)刀を持つものや、逆手で扱うもの、珍しいものでは二振りの(削除) 小太刀 (削除ここまで)を使う、小太刀(削除) による二刀流 (削除ここまで)([[柳生心眼流]]、[[天道流]]など)や二丁[[十手]]なども存在する。[[手裏剣術]]では、片手に刀を持っていることを前提にして逆の手で[[手裏剣]]を打つ技もある。(削除) 日本の二 (削除ここまで)(削除) 流を重視 (削除ここまで)する(削除) [[剣術]]流派 (削除ここまで)として(削除) は (削除ここまで)(削除) [[宮本武蔵]]の[[ (削除ここまで)(削除) 天 (削除ここまで)(削除) 流]] (削除ここまで)(削除) 最 (削除ここまで)(削除) 有名で (削除ここまで)(削除) る (削除ここまで)
二刀剣法の技術は、多くの[[(追記) 古 (追記ここまで)(追記) 道 (追記ここまで)]]で継承されているが、形は様々で、左手に(追記) 打 (追記ここまで)刀を持つものや、逆手で扱うもの(追記) (片方だけ逆手の場合もあり、当然もう片方は順手で扱う) (追記ここまで)、珍しいものでは二振りの(追記) 脇差 (追記ここまで)を使う、(追記) 二刀[[ (追記ここまで)小太刀(追記) 術]] (追記ここまで)([[柳生心眼流]]、[[天道流]]など)や二丁[[十手(追記) ]]、二丁[[鎌 (追記ここまで)]]なども存在する。[[手裏剣術]]では、片手に刀を持っていることを前提にして逆の手で[[手裏剣]]を打つ技もある。(追記) 一 (追記ここまで)(追記) で行う剣術に習熟 (追記ここまで)する(追記) 方法 (追記ここまで)として、(追記) まず (追記ここまで)(追記) 刀を練習して慣れてきたら (追記ここまで)(追記) 刀に戻すという方法 (追記ここまで)(追記) 行われること (追記ここまで)もあ(追記) った (追記ここまで)


中国や東南アジアの影響が多い[[(削除) 沖縄]]の[[沖縄 (削除ここまで)古武(削除) 道 (削除ここまで)]]では、[[釵]]や[[トンファー]]等の武器を両手に一つ(削除) づ (削除ここまで)つ持って使う。
中国や東南アジアの影響が多い[[(追記) 琉球 (追記ここまで)古武(追記) 術 (追記ここまで)]]では、[[釵]]や[[トンファー]]等の武器を両手に一つ(追記) ず (追記ここまで)つ持って使う。


==== 流派 ====
*諸外国
* [[二天一流]](二刀が主流)
ヨーロッパでは[[マインゴーシュ]]など左手で使う短剣が存在した。中国では[[双剣]]や[[双刀]]、東南アジアでは[[シラット]]や[[エスクリマ]]、[[クラビクラボーン]]などの武術で二刀流(東南アジアや中国では、短棒二本や短剣二本や長短の剣など二刀流のバリエーションが多い)が行われ、日本とは違い比較的一般的であった。
* [[武蔵円明流]]
[[西部劇]]等で、同時に二丁の拳銃を扱うことは、「[[二丁拳銃]]」と呼ばれる。

==スポーツにおける二刀流 ==
[[剣道]]では、二刀流を公式試合で使うことが認められている。しかし、高校生以下では禁止されている。全日本学生剣道連盟では[[1992年]]から解禁された。試合では、基本は小太刀で敵の攻撃を受け流し、太刀で打つ。小太刀は防御専門であり、小太刀の打突は基本的に有効打とされない。また太刀も一般の物より短めの竹刀を使う。

[[スポーツチャンバラ]]では、二刀の部では二刀流が義務づけられ、異種の部では二刀流が認められている。

[[ルネッサンス]]期の[[イタリア]]では[[フェンシング]]の技術として、利き手で[[レイピア]]、逆の手で[[マインゴーシュ|短剣]]を扱う技術があったが、防御専門であり用途は盾に近い。

また、[[プロ野球]]において、両打ち([[スイッチヒッター]])の選手を二刀流と呼ぶことがある。また、投手と野手を兼任する選手も二刀流と呼ばれる。全く違う投球フォームを二種類持つ選手を二刀流をもじって二投流と呼ばれたこともある。

== その他の二刀流 ==
*俗語、隠語として、[[両性愛]]者(主に男性)を表現する場合もある。両刀使いとも表す。

== 現存する二刀剣術 ==
* [[二天一流]] (二刀が主流)
* [[武蔵円明流]](二天一流創始以前の[[円明流]]との関係は不明確)
* [[天真正伝香取神道流]]
* [[天真正伝香取神道流]]
* [[新陰流]]
* [[新陰流]]
34行目: 21行目:
* [[柳剛流]]
* [[柳剛流]]
* [[影山流]]
* [[影山流]]
* [[大石神影流]]
* [[神道夢想流杖術]](打太刀が二刀の型がある。)
* [[徳永双流]]
* [[渋川流]](現存する広島藩伝の渋川流には二刀剣術が伝わっている)
* [[神道夢想流杖術|神道夢想流]]([[打太刀]]が二刀の形がある)
* [[駒川改心流]](小太刀と帯刀状態の太刀の二刀で両刀居合詰と称する)
* [[駒川改心流]](小太刀と帯刀状態の太刀の二刀で両刀居合詰と称する)
* [[大東流合気柔術|大東流]]の合気二刀流(大東流は柔術を主体とした流派)
* [[大東流合気柔術|大東流]]の合気二刀流(大東流は柔術を主体とした流派)
* [[柳生心眼流]](甲冑組討を主体とした総合武術、小太刀の二刀、太刀と鞘での二刀等)
* [[柳生心眼流]](甲冑組討を主体とした総合武術、小太刀の二刀、太刀と鞘での二刀等)
* [[天道流]](小太刀の二刀を使う技法がある)
* [[天道流]](小太刀の二刀を使う技法がある)
* [[一角流]](十手と鉄扇の二刀技法)
* [[(追記) 一角流十手術| (追記ここまで)一角流]](十手と鉄扇の二刀技法)
* [[浅山一伝流]](陣鎌術に二丁鎌を使う技法がある)
* [[浅山一伝流]](陣鎌術に二丁鎌を使う技法がある)
* [[西岡是心流]](通常は長太刀をもつ右手に小太刀をもつ特殊な二刀流)
* [[二刀鉄人流]]

==== 人物 ====
*[[新田義貞]] - 「[[太平記]]」では両手に持った太刀で矢を次々と叩き落とす場面が描かれている。
*[[山口卜真斎]] - [[江戸時代]]初期の武芸者。
*[[宮本武蔵]] - [[江戸時代]]初期の剣客。[[円明流]]と[[二天一流]]の創始者。
*[[河西忠左衛門]] - 二刀流の使い手として藩外にも知られていた[[彦根藩]]一の剣豪。[[桜田門外の変]]において奮戦した。
*[[桂早之助]] - [[京都見廻組]]の一員で[[近江屋事件]]に関与したという。[[西岡是心流]]。
*[[服部武雄]] - [[新選組]]隊士。のち[[御陵衛士]]。[[油小路事件]]では二刀で奮戦した。
*[[高橋筅次郎]] - [[幕末]]から[[明治]]の剣客。[[田宮神剣流]]。
*[[奥村左近太]] - 幕末から明治の剣客。[[奥村二刀流]]の創始者。
*[[三橋鑑一郎]] - 幕末から明治の剣客。[[武蔵流]]。「[[カニ|蟹]]の三橋」の異名をとった。
*[[奥村寅吉]] - 奥村左近太と三橋鑑一郎から二刀流の[[免許皆伝]]を受けた。

=== 剣道 ===
[[ファイル:Nito ryu.jpg|thumb|280px|二刀流の剣道選手]]
現代の[[剣道]]では、成年者は二刀流を公式試合で使うことが認められているが、使用者の数は少ない。[[昭和]]初期に学生の間で、団体戦において二刀流の選手を防御一辺倒の[[引き分け]]要員とする手段が横行したため、一部の学生大会では二刀流を禁止するようになった。[[太平洋戦争]]後に発足した[[全日本剣道連盟]]も戦前に倣って学生の二刀流を禁止し、二刀流を学ぶ者は非常に少なくなった。伝統の断絶を危惧する声もあり、[[1992年]](平成4年)に[[大学]]剣道では解禁された。現在は徳島県警の[[山名信行]]が二刀流の使い手として知られている<ref>[http://www.asahi.com/articles/ASG7B6CTBG7BPTQP00H.html|スポーツ好奇心 平成の武蔵!? 二刀流にかける]アサヒ・コム 2014年7月17日</ref>。

試合では、基本は小太刀で敵の攻撃を受け流し、太刀で打つ。太刀は一般の物より短めの竹刀を使う。小太刀は防御や崩しが中心で、完璧な形で決まれば小太刀の打突も有効打突となる場合もあるが、間合いの短い小太刀で完璧な打突は決まる事がほとんど無いうえ、太刀での打突に比べて判定自体も厳しくなるので、事実上有効打突とされないという認識が一般的である。かつて、二刀流の相手に対しては胸突きが認められていた時期があったが、[[1995年]]のルール改正以降は認められていない。

==== 著名な遣い手 ====
*[[藤本薫]] - [[昭和]]9年の[[昭和天覧試合|天覧試合]]で準優勝した二刀流の剣道家。
*[[萱場照雄]] - 昭和15年の天覧試合で準優勝した二刀流の剣道家。
*[[乳井義博]] - 積極的に二刀を教えた人物で、萱場にも二刀を伝授した。
*[[戸田忠男 (剣道家)|戸田忠男]] - 最難関の[[剣道の段級位制|剣道八段]]審査に二刀流で合格。また、[[五行の構え#上段の構え|上段の構え]]で[[全日本剣道選手権大会]]優勝2回。

=== スポーツチャンバラ ===
[[スポーツチャンバラ]]では、二刀流が義務づけられる種目・二刀の部が存在する。公式戦においては小太刀と長剣の組み合わせで、全長160cm以下とされている。また、異種の部でも二刀流が認められている<ref>[http://www.internationalsportschanbara.net/jp/spochan/class/ 得物と種目(「スポチャン教本」より)] スポーツチャンバラ公式サイト 国際スポーツチャンバラ協会 2019年4月07日閲覧</ref>。

== ヨーロッパ ==
[[File:Basque dancers 01.jpg|thumb|300px|バスク地方の[[剣舞]]]]
;剣闘士
:[[古代ローマ]]の[[剣闘士]]には[[シーカ (刀剣)|シーカ]]や[[グラディウス (武器)|グラディウス]]の二刀流で戦う{{ill2|ディマカイルス|en|Dimachaerus}}がいた。

;バイキング
:使用した技法の一つに、剣2本の二刀流のほか、[[斧]]と剣、[[槍]]と剣といった異なる種類の武器の二刀流があった。しかし、正式な技法ではなくあくまで緊急時の例外的な使用法だと言われている<ref>長田龍太『続・中世ヨーロッパの武術』新紀元社、112頁。</ref>。その他、中世の二刀流に関する技法に対する文献は少なく不明である。

;ルネサンス期(近世)
:二刀流の技法が正式な技法として研究されるが、[[刀剣]]を二本携帯することは珍しく、特殊な決闘か道場の訓練でしか使われなかったという説がある。

;コンパニオン ウェポン
:{{ill2|コンパニオン ウェポン|en|Companion weapon}}とは、[[レイピア]]や剣を持つ手とは反対の手に持つ盾やパリングダガー等の武器のことである。

:[[ヨーロッパ]]の[[西洋剣術]]でレイピアにおける二刀流は 左手の[[マインゴーシュ|マンゴーシュ]]という短剣と併用される。[[フェンシング]]や剣道から見ると奇異だがレイピア&マンゴーシュの組み合わせは非常にポピュラーであった。西洋では元来剣は右手、左手は[[盾]]で防御という概念の上に構成されているため二刀流は左の盾と考えると困難なものではない。また、突きが主な攻撃なので、斬りよりも防御しやすいという点もある。

:このマンゴーシュには大型の[[鍔]]がついていたり[[十手]]のように鍔がフックとなっていたりするので、相手の剣を受け止めると動けなくなる。片手に短剣の二刀流の利点は間合いが長短二つあることだ。特に突きは離れた間合いから両者は急速に接近するので一撃目が失敗しはじかれても 次は[[ダガー]]で脇腹をさすことができる。

:[[ルネサンス|ルネッサンス]]期の[[イタリア]]では[[フェンシング]]の技術として、利き手で[[レイピア]]、逆の手で短剣を扱う技術があったが、防御専門であり用途は盾に近い。

== 中東 ==
[[中東]]イスラム圏では[[9世紀]]の[[アッバース朝]]時代に、現在の[[イラン]]で半独立政権[[ターヒル朝]]を樹立した武将 {{ill2|ターヒル・イブン・フサイン|en|Tahir ibn Husayn}}の名が挙げられる。ターヒルは隻眼の武人でよく双刀を使い、「2本の右手を持った人」と渾名されたという。

== 中国・東南アジア ==
[[File:Wing_Chun_Hybrid_Blade_Style_Butterfly_Swords.JPG|thumb|近代の中国武術の武器[[胡蝶刀|蝴蝶双刀]]]]
[[中国剣|中国の剣術]]では[[双剣]]や[[双刀]]、東南アジアでは[[シラット]]や[[エスクリマ]]、[[クラビー・クラボーン]]などの武術で二刀流(東南アジアや中国では、短棒二本や短剣二本や長短の剣など二刀流のバリエーションが多い)が行われ、{{要出典範囲|日本とは違い比較的一般的|date=2019年4月}}であった。

==ロシア==
ウクライナの伝統舞踊[[ホパーク]]で、二本の剣を持つものがある。

== 野球における二刀流 ==
{{Multiple image
| perrow = 2
| direction = horizontal
| align = right
| total_width = 350
| footer = 投手と打者の二刀流で活躍する[[大谷翔平]]([[ロサンゼルス・エンゼルス]]時代)
| image1 = Shohei Ohtani (51004262453) (cropped).jpg
| image2 = Shohei Ohtani batting june 8, 2019(48035186097) (cropped).jpg
}}
[[野球]]において、[[指名打者制]]を用いる場合に投手と野手(または[[指名打者]])を兼任する選手も'''二刀流'''(「二投流」とも表現される) ''([[:en:Two-way_player#Baseball|Two-way player]])'' と呼ばれる。

[[日本野球連盟 (プロ野球)|日本プロ野球]]黎明期の1リーグ時代は人員不足などの理由から兼任した選手が多くいたが、近年はほとんど存在せず、21世紀以降に[[日本野球機構|日本プロ野球]](NPB)や[[メジャーリーグベースボール]](MLB)で投手と野手(または指名打者)の二刀流で各10試合以上の公式戦出場を果たしたのは{{by|2003年}}から{{by|2004年}}の[[ブルックス・キーシュニック]]と、{{by|2013年}}からの[[大谷翔平]]、{{by|2018年}}からの[[マイケル・ローレンゼン]]のみである。特に大谷の挑戦は日本、アメリカ両国で話題を呼び「二刀流」が2013年の「[[新語・流行語大賞|ユーキャン新語・流行語大賞]]」の候補50語にも選出され<ref>{{Cite news |title=大谷の"二刀流"流行語大賞候補 |url=https://www.daily.co.jp/baseball/2013/11/21/0006513655.shtml |newspaper=デイリースポーツ |date=2013年11月21日 }}</ref>、MLB移籍後の2021年には年間大賞を受賞した<ref>{{Cite news |title=リアル二刀流/ショータイムが流行語大賞 五輪関連もトップ10入り |url=https://www.asahi.com/articles/ASPD13H7PPD1UCVL001.html |newspaper=朝日新聞 |date=2021年12月01日 }}</ref>。大谷の二刀流の大活躍によりMLBで「二刀流」がルール上定義され、一定条件を満たす二刀流選手を保有しているチームには事実上の優遇措置が与えられる。
{{main|ロースター (MLB)#選手区分}}

アメリカ大学野球では[[ワシントン州立大学 (プルマン)|ワシントン州立大学]]2年次の[[1988年]]に打者として66試合で打率.464と23本塁打、投手として15勝0敗と防御率2.49を記録した[[ジョン・オルルド]]の功績を称え、二刀流で活躍した選手に贈られる{{仮リンク|ジョン・オルルド賞|en|John Olerud Award}}が2010年に設立された。[[ダニー・ハルツェン]]や[[マルコ・ゴンザレス]]が受賞している。

また、野球以外の競技でもプレーする[[マルチアスリート]] ''([[:en:Multi-sport athlete|Multi-sport athlete]])'' も日本では「二刀流」と呼ばれる<ref>{{Cite news |title=ヤンキース 練習試合でハイズマン賞"二刀流"QBと対戦 |url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2014/02/26/kiji/K20140226007665820.html |newspaper=スポーツニッポン |date=2014年02月26日 }}</ref>。中でも[[ボー・ジャクソン]]は[[NFL]][[プロボウル]]と[[MLBオールスターゲーム]]に出場、[[ディオン・サンダース]]はNFL[[スーパーボウル]]とMLB[[ワールドシリーズ]]に出場、[[ジーン・コンリー]]は[[NBA]][[NBAファイナル|ファイナル]]とMLBワールドシリーズに出場し、複数のトッププロリーグで活躍を見せた。

その他、全く違う投球フォームを二種類持つ選手を二刀流をもじって二投流と呼ばれたこともある<ref>{{Cite news |title=西武・牧田"二投流"失敗、ファン気づかず/球宴 |url=https://www.sanspo.com/article/20130721-FVXQ3CQ3NZK2BKP5Y53E2SVZVI/ |newspaper=サンケイスポーツ |date=2013年07月21日 }}</ref>。

=== 投手と野手の二刀流を経験した主な選手 ===
{{Seealso|Category:二刀流の野球選手}}
==== 日本====
* [[景浦將]]
* [[服部受弘]]
* [[西沢道夫]]
* [[野口二郎]]
* [[呉昌征]]
* [[川上哲治]]
* [[藤村富美男]]
* [[関根潤三]]
* [[箱田淳]]
* [[永淵洋三]]
* [[フェリックス・ペルドモ]]
*[[遠山奬志]](1994年のみ。二軍で指名打者として出場しつつ、一軍では31試合に登板している)
*[[新庄剛志]](投手の心理を理解させるための登板)
*[[イチロー]](ファンサービスの一環で登板)
* [[嘉㔟敏弘]]
* [[大谷翔平]](2016年に[[ベストナイン (日本プロ野球)|ベストナイン]]でNPB史上初の投手部門と野手部門での同時受賞<ref name="sponichi20161125">{{Cite news2 |df=ja |title=【ベストナイン】日本ハム・大谷が史上初の「二刀流受賞」 |newspaper=スポニチアネックス |date=2016年11月25日 |url=https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/11/25/kiji/K20161125013790570.html |accessdate=2016年11月25日}}</ref>。2014年と2016年にNPB史上初の「2桁勝利・2桁本塁打」を2度達成<ref>{{Cite web2 |author= |date= |url=http://realtime.wsj.com/japan/2014/09/08/%E3%80%8C%E4%BA%8C%E5%88%80%E6%B5%81%E3%80%8D%E5%A4%A7%E8%B0%B7%E3%81%8C2%E6%A1%81%E5%8B%9D%E5%88%A9%E3%83%BB%E6%9C%AC%E5%A1%81%E6%89%93%E3%80%81%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%83%BC/ |title=「二刀流」大谷が2桁勝利・本塁打、ベーブ・ルース以来の快挙 |publisher=ウォール・ストリート・ジャーナル |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160321234517/http://realtime.wsj.com/japan/2014/09/08/%e3%80%8c%e4%ba%8c%e5%88%80%e6%b5%81%e3%80%8d%e5%a4%a7%e8%b0%b7%e3%81%8c2%e6%a1%81%e5%8b%9d%e5%88%a9%e3%83%bb%e6%9c%ac%e5%a1%81%e6%89%93%e3%80%81%e3%83%99%e3%83%bc%e3%83%96%e3%83%bb%e3%83%ab%e3%83%bc/ |archivedate=2016年03月21日 |accessdate=2016年3月16日}}</ref>。)
* [[上原健太 (野球)|上原健太]]
* [[根尾昂]]
* [[小西美加]]
* [[矢澤宏太]]

==== メジャーリーグ====
{{Seealso|メジャーリーグベースボールとナショナルフットボールリーグの両方の試合に出場した選手の一覧}}
{{Seealso|メジャーリーグベースボールとナショナルバスケットボールアソシエーションの両方の試合に出場した選手の一覧}}
* [[モンテ・ウォード]]
* [[ガイ・ヘッカー]]
* [[ティップ・オニール (野球)|ティップ・オニール]]
* [[レフティ・オドール]]
* [[ベーブ・ルース]]
* [[ジョージ・シスラー]]
* [[スモーキー・ジョー・ウッド]]
* {{仮リンク|ジョニー・リンデル|en|Johnny Lindell}} - {{mlby|1953|d=y}}に「5番・投手」で先発登板するなど一塁手・右翼手としても先発出場<ref>{{Cite web|url=https://www.baseball-reference.com/players/gl.fcgi?id=lindejo01&t=b&year=1953|title=Johnny Lindell 1953 Batting Game Logs|work=Baseball-Reference.com|language=英語|accessdate=2018年06月03日}}</ref>
* [[ウィリー・スミス (外野手)]] - {{mlby|1964|d=y}}
* [[ブルックス・キーシュニック]] - 「救援投手」・「外野手」で出場
* [[ケイシー・ケリー]]
* [[クリスチャン・ベタンコート]]
* 大谷翔平 - 「先発投手」・「指名打者」で出場。近代野球で初めて同一シーズンで[[規定投球回]]と[[規定打席]]をダブルで到達した選手。[[ベーブ・ルース]]以来約104年ぶりとなる、2桁勝利・2桁本塁打を達成<ref>{{Cite news2|df=ja|title=大谷翔平、ベーブ・ルース以来104年ぶり「2桁勝利&2桁本塁打」達成 メジャーで初の10勝|newspaper=日刊スポーツ|date=2022年08月10日|url=https://www.nikkansports.com/m/baseball/mlb/news/202208090001506_m.html?mode=all|accessdate=2022年08月10日}}</ref>{{efn|MLB以外では1922年に[[ニグロリーグ]]の[[ブレット・ローガン]]が達成しており、ちょうど100年ぶりとなる<ref>{{cite web2|df=ja|url=https://sp.m.jiji.com/article/show/2798092|title=大谷、陰の偉業に光=ルースの後も二刀流成功者―米大リーグ|publisher=時事通信社|date=2022年08月11日|accessdate=2023年01月29日}}</ref>。}}。大谷ルール施行前は先発投手として出場した場合は、降板する際にそのまま外野の守備に就くこともあった。
* [[ブレンダン・マッケイ (野球)|ブレンダン・マッケイ]] - プロ入り直後より[[マイナーリーグ]]で投手・一塁手・指名打者で先発出場<ref>{{Cite web|url=https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=mckay-000bre|title=Brendan McKay Minor Leagues Statistics & History|work=Baseball-Reference.com|language=英語|accessdate=2018年06月03日}}</ref>
* [[マイケル・ローレンゼン]] - 「救援投手」・「外野手」で出場

==== ニグロリーグ ====
* [[ブレット・ジョー・ローガン|ブレット・ローガン]] - 1922年に投手として14勝、打者として15本塁打を記録<ref name="読売20220811">{{Cite news|和書 |url=https://www.yomiuri.co.jp/sports/mlb/20220811-OYT1T50118/ |title=黒人選手がプレーした「ニグロリーグ」にも「2桁勝利・本塁打」達成者...1920年代 |newspaper=読売新聞 |date=2022年08月11日 |accessdate=2024年09月28日}}</ref>。
* {{仮リンク|エド・ライル|en|Ed Rile}} - 1927年に投手として11勝、打者として11本塁打を記録{{R|読売20220811}}。
* [[ホセ・メンデス]]
* [[マーティン・ディーゴ]]
* [[レオン・デイ]] - 投手だが、野手として二塁や中堅を守ったことがそれぞれ数十試合ある<ref>{{Cite web|url=https://www.baseball-reference.com/players/d/dayle99.shtml |title=Leon Day Stats, Height, Weight, Position, Rookie Status &amp; More |website=Baseball-Reference.com |accessdate=2024年09月25日}} (注記)「Standard Fielding」の項を参照。</ref>。
* {{仮リンク|テッド・ラドクリフ|en|Ted Radcliffe|label=ダブル・デューティー・ラドクリフ}}

==== 韓国野球委員会 ====
* [[金城漢]]
* [[沈哉学]]
* {{仮リンク|李炯宗|ko|이형종 (1989년)}}
* {{仮リンク|河晙鎬|ko|하준호}}
* [[張珉碩]]
* {{仮リンク|朱炫相|ko|주현상}}
* [[金光三]]
* {{仮リンク|金大宇|ko|김대우 (1984년)}}
* [[張英錫]]
* {{仮リンク|羅畇雁|ko|나균안}}
* [[姜知光]]
* [[崔廷]]
* {{仮リンク|黄潤琥|ko|황윤호 (야구 선수)}}
* [[羅成範]]
* [[金江栗]]
* {{仮リンク|尹根永|ko|윤근영}}
* [[張元準]]
* [[李庸燦]]
* [[琴民鐡]]
* [[卞視援]]
* [[田惟守]]
* [[盧施煥]]
* [[姜炅学]]
* [[鄭振浩]]
* [[秋材賢]]
* [[裵晟劤]]
* [[呉潤錫]]
* [[クリスチャン・ベタンコート]]

====上記以外====
* [[ケニー・バーケンボッシュ]]
* [[陳文賓]]
* {{仮リンク|荘景賀|zh|莊景賀}}
* [[ルーク・ゾマー]]
* [[杉浦健二郎]]
* [[孟偉強]]
* [[藤田倭]]

== その他の二刀流 ==
*[[西部劇]]等で、同時に二丁の拳銃を扱うことは、「[[二丁拳銃]]」と呼ばれる。
*俗語、隠語として、[[両性愛]]者(主に男性)を二刀流と表現する場合もある。両刀使いとも表す。
*酒と甘味の両方を好む人のことを指す。
*[[柔道]]や[[空手]]・[[ボクシング]]などにおいて、左右両方の構えや組手で戦える選手、すなわちスイッチヒッターのことを指す。[[ノニト・ドネア]]は宮本武蔵を敬愛し、二刀流として活躍している<ref>{{Cite news |title=二刀流・ドネア「勝って武蔵になる」...世界Sバンタム級王座統一戦 |newspaper=スポーツ報知 |date=2012年10月13日 }}</ref>。
*[[柔道]]では左右両方の組手を扱う場合に二刀流と言う。
*[[サッカー]]では{{要出典範囲|フィールドプレイヤーとゴールキーパーの兼任を指すが、通常の国際試合では兼任は認められていない|date=2023-08}}。キーパーの[[オーバーラップ]]や[[シュート]]は可能。キーパーが[[レッドカード]]や怪我により退場し、しかも交代枠を使い切っている場合や控えキーパー選手が居ない場合は、フィールドプレイヤーがキーパーをつとめるケースは少なくない。この場合、その選手は、キーパーの選手からキーパーのユニフォームを借りて着てプレーする。
* [[野球]]の[[プレイング・マネージャー]]も二刀流といえる。
*[[平野歩夢]]や[[橋本聖子]]など夏と冬の全く違う競技に出場する選手。

== 二足の草鞋 ==
前出の大谷の影響もあり、二つの職業やスポーツなどを兼ねる(二足の草鞋を履く)という意味合いでも使用されるようになった。
* [[アイドルグループ]]と[[ガールズバンド]]の両方の要素を持つ[[凸凹凸凹-ルリロリ-]]が「ダンスとバンドの二刀流」を掲げて活動していた<ref>{{Cite web|和書|url=https://tokyogirlsupdate.com/featured/ruri-rori-kinoshita-hinako-interview.html|title=自由奔放な踊れる二刀流ガールズバンド"凸凹凸凹":木下ひなこインタビュー|date=2016年06月08日|work=Tokyo Girls Update|accessdate=2018年02月20日}}</ref>。
* [[2018年平昌オリンピック|平昌オリンピック]]で[[2018年平昌オリンピックのアルペンスキー競技|アルペンスキースーパー大回転]]と[[2018年平昌オリンピックのスノーボード競技|スノーボードパラレル大回転]]の異なる2種目で金メダルを獲得した[[エステル・レデツカ]]([[2018年平昌オリンピックのチェコ選手団|チェコ]])が「スノボとスキーの二刀流」と報道されたりしている<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkansports.com/olympic/pyeongchang2018/alpine/news/201802180000222.html|title=スノボ本職選手がアルペンで金、チェコの二刀流快挙|date=2018年02月18日|newspaper=日刊スポーツ|accessdate=2018年02月20日}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.jiji.com/jc/pyeongchang2018?s=news&k=2018022400604|title=固定観念打ち破った二刀流=レデツカ、史上初の「2冠」|date=2018年02月24日|newspaper=時事ドットコムニュース|accessdate=2018年02月25日}}</ref>。
* [[橋本聖子]]、[[関ナツエ]]はスピードスケートの選手だが、自転車競技でもオリンピックに出場、夏冬両方の出場選手となった。
* [[野沢尚]]は[[城戸賞]]受賞の[[脚本家]]であるが、のちに[[江戸川乱歩賞]]を受賞、[[小説家]]としてもデビューし、双方で同時期に活躍した。
* [[松下奈緒]]は[[俳優#性別での分類|女優]]と[[ピアニスト]]の活動を同時に続けている。
* [[鈴木大介 (棋士) ]]は[[将棋棋士]]で[[プロ雀士]]である。

==メディア作品==
;[[六三四の剣]]
:古沢兵衛、乾俊一
;[[キャプテン翼]]
:[[若島津健]]、デュータ・ミューラー、エスパダス、井川岳人、[[大空翼]]

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{notelist}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
{{Wiktionary(削除) |二刀流 (削除ここまで)|二刀流}}
{{Wiktionary|二刀流}}
* [[(削除) マインゴーシュ (削除ここまで)]]
* [[(追記) 五行の構え (追記ここまで)]]
* [[マインゴーシュ|マンゴーシュ]]
* [[ソードブレイカー]]
* [[ソードブレイカー]]
* {{ill2|ヨーロッパ武術の歴史|en|Historical European martial arts}}


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
*(削除) [ (削除ここまで)http://www1.ocn.ne.jp/~masaki-o/sotsuron.html 「剣道の二刀流に関する史的研究」(削除) ] (削除ここまで)
*(追記) {{Wayback|url= (追記ここまで)http://www1.ocn.ne.jp/~masaki-o/sotsuron.html (追記) |title= (追記ここまで)「剣道の二刀流に関する史的研究」(追記) |date=20010420201142}} (追記ここまで)


{{歴代の新語・流行語大賞の受賞者 (年間大賞選定以後・2011-2030)}}
[[Category:剣術|にとうりゆう]]
{{DEFAULTSORT:にとうりゆう}}
[[Category:剣術]]
[[Category:剣道]]
[[Category:野球用語]]

2024年9月28日 (土) 03:26時点における最新版

宮本武蔵の下段の構え

二刀流(にとうりゅう)は、両手(右手と左手)にそれぞれもしくはを持って、攻守をおこなう技術の総称。二刀剣法とも呼ばれる。

転じて、二つの異なる手段をもって事にあたること、あるいは同時に二つのことを行うことを意味するようにもなった。拳銃を使う場合は二丁拳銃と言う。英語においては武器の種類を問わずDual wield(Dual 2重の、一対。wield 振るう、振り回すなどの意)と表現する。

日本

[編集 ]

剣術

[編集 ]
二天一流の演武

日本の剣術の二刀流は、利き手に本差を、反対側の手に脇差を持った形が最も多い。基本的に両手で把持して使用する目的で作られている日本刀を片手で使用することや、両手を別々に使用することは難しく[要出典 ]、二刀を中心とする流派は少ない。二刀流を重視する流派としては、宮本武蔵が開いた二天一流が最も有名である。

二刀剣法の技術は、多くの古武道で継承されているが、形は様々で、左手に打刀を持つものや、逆手で扱うもの(片方だけ逆手の場合もあり、当然もう片方は順手で扱う)、珍しいものでは二振りの脇差を使う、二刀小太刀術(柳生心眼流天道流など)や二丁十手、二丁なども存在する。手裏剣術では、片手に刀を持っていることを前提にして逆の手で手裏剣を打つ技もある。一刀で行う剣術に習熟する方法として、まず二刀を練習して慣れてきたら一刀に戻すという方法が行われることもあった。

中国や東南アジアの影響が多い琉球古武術では、トンファー等の武器を両手に一つずつ持って使う。

流派

[編集 ]

人物

[編集 ]

剣道

[編集 ]
二刀流の剣道選手

現代の剣道では、成年者は二刀流を公式試合で使うことが認められているが、使用者の数は少ない。昭和初期に学生の間で、団体戦において二刀流の選手を防御一辺倒の引き分け要員とする手段が横行したため、一部の学生大会では二刀流を禁止するようになった。太平洋戦争後に発足した全日本剣道連盟も戦前に倣って学生の二刀流を禁止し、二刀流を学ぶ者は非常に少なくなった。伝統の断絶を危惧する声もあり、1992年(平成4年)に大学剣道では解禁された。現在は徳島県警の山名信行が二刀流の使い手として知られている[1]

試合では、基本は小太刀で敵の攻撃を受け流し、太刀で打つ。太刀は一般の物より短めの竹刀を使う。小太刀は防御や崩しが中心で、完璧な形で決まれば小太刀の打突も有効打突となる場合もあるが、間合いの短い小太刀で完璧な打突は決まる事がほとんど無いうえ、太刀での打突に比べて判定自体も厳しくなるので、事実上有効打突とされないという認識が一般的である。かつて、二刀流の相手に対しては胸突きが認められていた時期があったが、1995年のルール改正以降は認められていない。

著名な遣い手

[編集 ]

スポーツチャンバラ

[編集 ]

スポーツチャンバラでは、二刀流が義務づけられる種目・二刀の部が存在する。公式戦においては小太刀と長剣の組み合わせで、全長160cm以下とされている。また、異種の部でも二刀流が認められている[2]

ヨーロッパ

[編集 ]
バスク地方の剣舞
剣闘士
古代ローマ剣闘士にはシーカグラディウスの二刀流で戦うディマカイルス (英語版)がいた。
バイキング
使用した技法の一つに、剣2本の二刀流のほか、と剣、と剣といった異なる種類の武器の二刀流があった。しかし、正式な技法ではなくあくまで緊急時の例外的な使用法だと言われている[3] 。その他、中世の二刀流に関する技法に対する文献は少なく不明である。
ルネサンス期(近世)
二刀流の技法が正式な技法として研究されるが、刀剣を二本携帯することは珍しく、特殊な決闘か道場の訓練でしか使われなかったという説がある。
コンパニオン ウェポン
コンパニオン ウェポン (英語版)とは、レイピアや剣を持つ手とは反対の手に持つ盾やパリングダガー等の武器のことである。
ヨーロッパ西洋剣術でレイピアにおける二刀流は 左手のマンゴーシュという短剣と併用される。フェンシングや剣道から見ると奇異だがレイピア&マンゴーシュの組み合わせは非常にポピュラーであった。西洋では元来剣は右手、左手はで防御という概念の上に構成されているため二刀流は左の盾と考えると困難なものではない。また、突きが主な攻撃なので、斬りよりも防御しやすいという点もある。
このマンゴーシュには大型のがついていたり十手のように鍔がフックとなっていたりするので、相手の剣を受け止めると動けなくなる。片手に短剣の二刀流の利点は間合いが長短二つあることだ。特に突きは離れた間合いから両者は急速に接近するので一撃目が失敗しはじかれても 次はダガーで脇腹をさすことができる。
ルネッサンス期のイタリアではフェンシングの技術として、利き手でレイピア、逆の手で短剣を扱う技術があったが、防御専門であり用途は盾に近い。

中東

[編集 ]

中東イスラム圏では9世紀アッバース朝時代に、現在のイランで半独立政権ターヒル朝を樹立した武将 ターヒル・イブン・フサイン (英語版)の名が挙げられる。ターヒルは隻眼の武人でよく双刀を使い、「2本の右手を持った人」と渾名されたという。

中国・東南アジア

[編集 ]
近代の中国武術の武器蝴蝶双刀

中国の剣術では双剣双刀、東南アジアではシラットエスクリマクラビー・クラボーンなどの武術で二刀流(東南アジアや中国では、短棒二本や短剣二本や長短の剣など二刀流のバリエーションが多い)が行われ、日本とは違い比較的一般的[要出典 ]であった。

ロシア

[編集 ]

ウクライナの伝統舞踊ホパークで、二本の剣を持つものがある。

野球における二刀流

[編集 ]
投手と打者の二刀流で活躍する大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス時代)

野球において、指名打者制を用いる場合に投手と野手(または指名打者)を兼任する選手も二刀流(「二投流」とも表現される) (Two-way player) と呼ばれる。

日本プロ野球黎明期の1リーグ時代は人員不足などの理由から兼任した選手が多くいたが、近年はほとんど存在せず、21世紀以降に日本プロ野球(NPB)やメジャーリーグベースボール(MLB)で投手と野手(または指名打者)の二刀流で各10試合以上の公式戦出場を果たしたのは2003年から2004年ブルックス・キーシュニックと、2013年からの大谷翔平2018年からのマイケル・ローレンゼンのみである。特に大谷の挑戦は日本、アメリカ両国で話題を呼び「二刀流」が2013年の「ユーキャン新語・流行語大賞」の候補50語にも選出され[4] 、MLB移籍後の2021年には年間大賞を受賞した[5] 。大谷の二刀流の大活躍によりMLBで「二刀流」がルール上定義され、一定条件を満たす二刀流選手を保有しているチームには事実上の優遇措置が与えられる。

詳細は「ロースター (MLB)#選手区分」を参照

アメリカ大学野球ではワシントン州立大学2年次の1988年に打者として66試合で打率.464と23本塁打、投手として15勝0敗と防御率2.49を記録したジョン・オルルドの功績を称え、二刀流で活躍した選手に贈られるジョン・オルルド賞 (英語版)が2010年に設立された。ダニー・ハルツェンマルコ・ゴンザレスが受賞している。

また、野球以外の競技でもプレーするマルチアスリート (Multi-sport athlete) も日本では「二刀流」と呼ばれる[6] 。中でもボー・ジャクソンNFL プロボウルMLBオールスターゲームに出場、ディオン・サンダースはNFLスーパーボウルとMLBワールドシリーズに出場、ジーン・コンリーNBA ファイナルとMLBワールドシリーズに出場し、複数のトッププロリーグで活躍を見せた。

その他、全く違う投球フォームを二種類持つ選手を二刀流をもじって二投流と呼ばれたこともある[7]

投手と野手の二刀流を経験した主な選手

[編集 ]

日本

[編集 ]

メジャーリーグ

[編集 ]

ニグロリーグ

[編集 ]

韓国野球委員会

[編集 ]

上記以外

[編集 ]

その他の二刀流

[編集 ]
  • 西部劇等で、同時に二丁の拳銃を扱うことは、「二丁拳銃」と呼ばれる。
  • 俗語、隠語として、両性愛者(主に男性)を二刀流と表現する場合もある。両刀使いとも表す。
  • 酒と甘味の両方を好む人のことを指す。
  • 柔道空手ボクシングなどにおいて、左右両方の構えや組手で戦える選手、すなわちスイッチヒッターのことを指す。ノニト・ドネアは宮本武蔵を敬愛し、二刀流として活躍している[16]
  • 柔道では左右両方の組手を扱う場合に二刀流と言う。
  • サッカーではフィールドプレイヤーとゴールキーパーの兼任を指すが、通常の国際試合では兼任は認められていない[要出典 ]。キーパーのオーバーラップシュートは可能。キーパーがレッドカードや怪我により退場し、しかも交代枠を使い切っている場合や控えキーパー選手が居ない場合は、フィールドプレイヤーがキーパーをつとめるケースは少なくない。この場合、その選手は、キーパーの選手からキーパーのユニフォームを借りて着てプレーする。
  • 野球プレイング・マネージャーも二刀流といえる。
  • 平野歩夢橋本聖子など夏と冬の全く違う競技に出場する選手。

二足の草鞋

[編集 ]

前出の大谷の影響もあり、二つの職業やスポーツなどを兼ねる(二足の草鞋を履く)という意味合いでも使用されるようになった。

メディア作品

[編集 ]
六三四の剣
古沢兵衛、乾俊一
キャプテン翼
若島津健、デュータ・ミューラー、エスパダス、井川岳人、大空翼

脚注

[編集 ]

注釈

[編集 ]
  1. ^ MLB以外では1922年にニグロリーグブレット・ローガンが達成しており、ちょうど100年ぶりとなる[12]

出典

[編集 ]
  1. ^ 平成の武蔵!? 二刀流にかけるアサヒ・コム 2014年7月17日
  2. ^ 得物と種目(「スポチャン教本」より) スポーツチャンバラ公式サイト 国際スポーツチャンバラ協会 2019年4月07日閲覧
  3. ^ 長田龍太『続・中世ヨーロッパの武術』新紀元社、112頁。
  4. ^ "大谷の"二刀流"流行語大賞候補". デイリースポーツ. (2013年11月21日). https://www.daily.co.jp/baseball/2013/11/21/0006513655.shtml  
  5. ^ "リアル二刀流/ショータイムが流行語大賞 五輪関連もトップ10入り". 朝日新聞. (2021年12月1日). https://www.asahi.com/articles/ASPD13H7PPD1UCVL001.html  
  6. ^ "ヤンキース 練習試合でハイズマン賞"二刀流"QBと対戦". スポーツニッポン. (2014年2月26日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2014/02/26/kiji/K20140226007665820.html  
  7. ^ "西武・牧田"二投流"失敗、ファン気づかず/球宴". サンケイスポーツ. (2013年7月21日). https://www.sanspo.com/article/20130721-FVXQ3CQ3NZK2BKP5Y53E2SVZVI/  
  8. ^ "【ベストナイン】日本ハム・大谷が史上初の「二刀流受賞」". スポニチアネックス. 2016年11月25日. 2016年11月25日閲覧
  9. ^ "「二刀流」大谷が2桁勝利・本塁打、ベーブ・ルース以来の快挙". ウォール・ストリート・ジャーナル. 2016年3月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月16日閲覧
  10. ^ "Johnny Lindell 1953 Batting Game Logs" (英語). Baseball-Reference.com. 2018年6月3日閲覧。
  11. ^ "大谷翔平、ベーブ・ルース以来104年ぶり「2桁勝利&2桁本塁打」達成 メジャーで初の10勝". 日刊スポーツ. 2022年8月10日. 2022年8月10日閲覧
  12. ^ "大谷、陰の偉業に光=ルースの後も二刀流成功者―米大リーグ". 時事通信社. 2022年8月11日. 2023年1月29日閲覧
  13. ^ "Brendan McKay Minor Leagues Statistics & History" (英語). Baseball-Reference.com. 2018年6月3日閲覧。
  14. ^ a b 黒人選手がプレーした「ニグロリーグ」にも「2桁勝利・本塁打」達成者...1920年代」『読売新聞』2022年8月11日。2024年9月28日閲覧。
  15. ^ "Leon Day Stats, Height, Weight, Position, Rookie Status & More". Baseball-Reference.com. 2024年9月25日閲覧。 (注記)「Standard Fielding」の項を参照。
  16. ^ "二刀流・ドネア「勝って武蔵になる」...世界Sバンタム級王座統一戦". スポーツ報知. (2012年10月13日) 
  17. ^ "自由奔放な踊れる二刀流ガールズバンド"凸凹凸凹":木下ひなこインタビュー". Tokyo Girls Update (2016年6月8日). 2018年2月20日閲覧。
  18. ^ "スノボ本職選手がアルペンで金、チェコの二刀流快挙". 日刊スポーツ. (2018年2月18日). https://www.nikkansports.com/olympic/pyeongchang2018/alpine/news/201802180000222.html 2018年2月20日閲覧。 
  19. ^ "固定観念打ち破った二刀流=レデツカ、史上初の「2冠」". 時事ドットコムニュース. (2018年2月24日). https://www.jiji.com/jc/pyeongchang2018?s=news&k=2018022400604 2018年2月25日閲覧。 

関連項目

[編集 ]
ウィクショナリーに関連の辞書項目があります。

外部リンク

[編集 ]
<< 歴代の新語・流行語大賞の受賞者 (年間大賞選定以後・2011-現在)
第28回(2011年)
第29回(2012年)

スギちゃんワイルドだろぉ?

第30回(2013年)

林修(東進ハイスクール東進衛星予備校講師)「今でしょ!」 / 滝川クリステルお・も・て・な・し」 / 宮藤官九郎能年玲奈じぇじぇじぇ」 / 堺雅人TBS半沢直樹』チーム「倍返し

第31回(2014年)

(受賞者辞退)「集団的自衛権 」 / 日本エレキテル連合(中野聡子、橋本小雪)「ダメよ〜ダメダメ

第32回(2015年)
第33回(2016年)

緒方孝市(広島東洋カープ監督)、鈴木誠也(広島東洋カープ)「神ってる

第34回(2017年)

稲本ミノル(株式会社ヘソプロダクション代表取締役)「忖度 」 / CanCam it girl「インスタ映え

第35回(2018年)

ロコ・ソラーレそだねー

第36回(2019年)
第37回(2020年)
第38回(2021年)
第39回(2022年)
第40回(2023年)
(注記)受賞者の役職は当時のもの。

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /