コラム「いろいろ知りたい高血圧」

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高血圧を予防しましょう

高血圧は、30歳以上の日本人5人に2人(約4000万人)が罹患する"国民病"です。自覚症状がないため健康診断などで高血圧を指摘されても放置する例が約半数に上ります。ところが、高血圧は放っておくと高い確率で脳血管障害や心臓病、腎障害などを引き起こし、やがてこれらの合併症で死に至る危険が増します。

福島県では、震災前から血圧のコントロールがよくなかったうえ、東日本大震災後に高血圧の人がさらに増えてしまいました。実際、福島県は高血圧の合併症が原因で亡くなる方の割合が高く、心筋梗塞が全国1位、脳卒中死亡率も全国8位です(2014年調査)。心筋梗塞や脳卒中は命を取り留めたとしても日常生活に大きな支障を来します。脳卒中は要介護になる原因のトップでもあり、ご家族にも大きな負担をかけてしまう事が予想されます。

一方、生活習慣を改めて、必要に応じて降圧薬を内服すれば、脳・心血管合併症の多くを予防できます。具体的には、食塩、単糖類、動物性脂肪などの摂取を減らし、野菜、植物性蛋白、魚類摂取を増やす、運動、良眠の確保、禁煙、節酒などです。食習慣を改善することは、高血圧のみならず糖尿病や高脂血症などの予防やコントロールにも役立ちます。これにより生活習慣病や加齢に起因する心血管合併症・慢性腎臓病・認知症・フレイルなどを予防し、要介護に陥ることを回避できれば健康寿命を延ばすことができます。

健康で可能な限り独立自尊を守ることは精神的にも経済的にも重要ですし、本人だけでなく家族や社会にとっても幸福で大切なことです。健康寿命を延ばすために、年齢を問わず生活習慣の改善を通じて、高血圧をはじめとする生活習慣病発症やこれらの合併症予防に取り組んでいきましょう。

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