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[画像:シーツは何枚必要?]

家庭のシーツは、どのようなアイテムを何枚ほど揃えたらいいのでしょう?

あおむけになってカバーシーツを胸元で折り返せば、ふれるのはちょうどあごから喉、胸もと、もっとも快楽を感じる部分です。また、横になったとき、ピローケースは頬のあたりにふれます。カバーシーツとピローケースは、ベッドでもハイライトの要素、背伸びしてでも上質を手にする価値があります。品質は、見ることよりほかに判断のすべなし、同じ素材表示でも産地、等級、織り、仕立てによって、価格は数倍の開きがあります。

カバーシーツとベースシーツ、1週間に2度取り替えるとしても、ひとつのベッドに3セットずつあれば、1セットは忙しくて洗濯できないときの予備も兼ね、ゆとりをもって交換できるでしょう。取り替える回数には個人差があるでしょうから、この周期をもとに展開してゆきます。

ピローケースはひとり3枚ですが、もう1枚をレイヤーとして下敷きすれば、枕そのものに汗や脂汚れが滲みるのを防いでくれます。つまり二重になるわけです。レイヤーは、あまり上等でなくとも、使い古しでも、そして毎度替えなくともかまわないのです。

それ以上は持て余すだけですし、洗ったシーツ類を長期にわたって放置するのは黄ばみのもとです。シーツを買うのが趣味という人も、新品は石鹸を使わないで水洗いしてからストックしておくとよいでしょう。どんな汚れも早いうちに洗い落とすことが最良策です。長くとも3日使ったら取り替えて、その日のうちに洗っておきましょう。仕上げは天然素材の肌ざわりの優しさを大切にして、家庭のシーツに柔軟剤や糊づけは不要です。

アイロンを終えたものはいちばん下に収納して、どれもまんべんなく使うよう、上から順に使ってゆきます。ローテーションが大事です。新鮮な空気をたっぷりはらんだ清潔な繊維は、ベッドメイキングするときに、ふわっと膨らんで、温まるのも早いのです。

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  • 糊づけはなんのためにするのでしょうか? 昔の旅館では、パリッと糊のきいたシーツがもてなしの象徴でしたね。ひとつには粗い織りの布は一度使ったら、くたっと惨めに感じられ、見た目の清潔さと張りをもたせる目的があります。もうひとつは、ワイシャツの襟などに同じく、糊に汗じみや汚れを吸い取らせて、洗えば糊とともに汚れも溶け出すという実用的な理由からです。最近は、サービスを提供する側の都合でなく、心地よい眠りのもてなしへと価値観はシフトし、気のきいたホテルなら糊なしのシーツが主流です。上等の天然素材のシーツを使っていますよ、といったアピールでもあります。

  • きれいにパッケージされた新品の布は、いかにも清潔そうです。そのまま使う人がいますが、なかには見た目をよくするために、漂白剤や蛍光剤や合成糊など、皮膚の弱い人にとってはトラブルの原因となる成分が使われているものもあります。シーツに限らず、肌に直接ふれるシャツや下着なども、買ったらかならず水洗いしてから身につけてください。新品を洗って、よくよく観察すると、光沢や密度、仕立てなど、その正体が見えてきます。洗濯とアイロンがけは、布の性質や品質を理解するのにいちばんいい方法かもしれません。
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