産土の木々のざわめき迎へ梅雨
中川晴美
俳句通信
199908
豊饒に生きて祖霊の迎へ梅雨
小宮山勇
遠嶺
200109
校舎裏きれいに掃かれ迎へ梅雨
前田永子
朝
200408
佛足石魚の紋様迎へ梅雨
森山のりこ
あを
200408
下町に水路の匂ひ迎へ梅雨
篠田純子
あを
200508
バスに観る寅さん映画迎へ梅雨
三枝邦光
ぐろっけ
200509
迎へ梅雨レインボーブリッジくぐる船
三輪初子
炎環
200908
鬱の字を手に書いてみる迎へ梅雨
松本三千夫
末黒野
201008
迎へ梅雨もののにほひの沈む道
篠田純子
あを
201108
学会に参加と書きて迎へ梅雨
岡野安雅
かさね
201208
太梁に煤のいろ濃き迎へ梅雨
礒貝尚孝
沖
201209
和やかに庭師ら話す迎へ梅雨
山口ひろよ
鴫
201408
緒の色と合はす爪革迎へ梅雨
岡野里子
末黒野
201410
ぬめぬめと上下する鵜や迎へ梅雨
篠田純子
あを
201507
簗壺のうぐひ跳ねつぐ迎へ梅雨
小森泰子
馬醉木
201809
迎へ梅雨本陣脇の竹箒
伊藤隆
鴻
201909
長靴の赤の小ささ迎へ梅雨
有松洋子
槐
202009
片付かぬ予定のひとつ迎へ梅雨
和田慈子
末黒野
202109
亡き兄の墓は新し迎へ梅雨
ふなかわのりひこ
萱
202109
人声へ鯉の動きや迎へ梅雨
加藤静江
末黒野
202209
出所せる重信房子迎へ梅雨
竹内文夫
やぶれ傘
202210
2023年6月12日
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