空梅雨と大蛸杉の這ひ出でぬ
平子公一
馬醉木
199908
空梅雨や日本列島縮むかに
林直入
ホトトギス
200010
空梅雨の乾き宇宙に及びをり
青野沙人
ホトトギス
200010
空梅雨の何処か健康的ならず
木村淳一郎
ホトトギス
200010
空梅雨のつづき噴煙つづく島
青野沙人
ホトトギス
200010
空梅雨といふも宇宙の一部分
青野沙人
ホトトギス
200010
ふてぶてしさうな空梅雨なりしこと
木村淳一郎
ホトトギス
200010
空梅雨や空の沈黙なほ続く
真鍋孝子
ホトトギス
200010
空梅雨や無表情なる空広げ
真鍋孝子
ホトトギス
200010
空梅雨のなか水だけが濡れてゐし
木村淳一郎
ホトトギス
200010
空梅雨を悲しむ大人喜ぶ子
藤井啓子
ホトトギス
200010
空梅雨や今日も晴れ時々曇り
真鍋孝子
ホトトギス
200010
空梅雨の明けの雷遠くあり
永岡セツ
酸漿
200110
油照つづき空梅雨なりけるや
二村蘭秋
雨月
200110
空梅雨に溝萩消えてしまひけり
鈴木ゆき子
風土
200111
水呑んで鶏空梅雨の川へ向く
新関一杜
京鹿子
200204
空梅雨や昼から回るネオン球
土肥屯蕪里
雲の峯
200207
空梅雨や少し軽げな那智の滝
須賀敏子
あを
200207
空梅雨や白蛇信仰銭洗ふ
松本文一郎
六花
200208
空梅雨や鏡の中の眉間皺
岡敏恵
ぐろっけ
200209
空梅雨や水論いまだ聞かざるも
神田一瓢
雨月
200209
空梅雨や沖へ延びたる橋灯り
鳴海清美
六花
200211
船音の空梅雨めいてをりにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200306
空梅雨や居丈高を子にいさめらる
あさなが捷
空
200306
空梅雨や虚空者から下されもの
吉弘恭子
あを
200407
空梅雨や大地に木の声草の声
川崎光一郎
京鹿子
200409
空梅雨に中洲日に日に広くなる
辻川錫子
築港
200409
空梅雨の鉢に水やる日課かな
沼口蓬風
河鹿
200410
空梅雨や逆さに干して潜水衣
永井雪狼
苑
200509
空梅雨やビルはたに間を深かめゐる
豊田都峰
京鹿子
200509
空梅雨の夕焼に戻る看取り終へ
高橋照子
雨月
200509
空梅雨の天に筒抜けチェーンソー
山田敏子
築港
200509
空梅雨や私の涙あげようか
わかやぎすずめ
六花
200510
生ぬるき風や空梅雨思はする
久保晴子
雨月
200510
空梅雨の親海公園家族釣り
神蔵器
風土
200608
千年杉空梅雨の天きらめける
有働亨
馬醉木
200609
空梅雨の空に鳶(とんび)のさしむかひ
蓮尾あきら
風土
200609
空梅雨や夫ゐて犬もゐて遠き
安永圭子
風土
200709
空梅雨の一転豪雨となりにけり
鴨下昭
峰
200709
空梅雨や夢二の猫の通りけり
須賀敏子
あを
200709
空梅雨や朝な夕なの塩加減
金澤明子
槐
200710
空梅雨の夜間訓練飛行音
宮津昭彦
濱
200808
空梅雨の流れゆつたり最上川
渡部磐空
峰
200809
遷宮の今年空梅雨かも知れぬ
大山文子
火星
200809
空梅雨の陸に舟ある最上川
渡部磐空
峰
200810
空梅雨の何故にや空々漠々と
大橋敦子
雨月
200907
空梅雨や空気もろとも釘を打つ
吉弘恭子
あを
200909
空梅雨やエプロンはたく占ひ屋
坂口夫佐子
火星
200909
空梅雨や白波遠く佐渡ヶ島
吉弘恭子
あを
200911
空梅雨の朝の日けふも昇りけり
安原葉
ホトトギス
200911
空梅雨の裾野傾く心太
鴨下昭
峰
201108
空梅雨や雀の威嚇負けてゐず
工藤ミネ子
風土
201210
空梅雨やのぼせ腰痛女坂
平井奇散人
船団
201306
空梅雨の川辺見おろす水害碑
鎌田慶子
ろんど
201309
空梅雨や野の草花の彩冴えず
鍋島武彦
末黒野
201310
空梅雨の底の底なる小さき村
藤井啓子
ホトトギス
201310
空梅雨の町工場からがちやこんと
小山陽子
やぶれ傘
201310
空梅雨に喜雨となりたる今日の雨
船山東子
ろんど
201310
空梅雨と言はれる程の雨少な
北村香朗
京鹿子
201310
何となく空梅雨らしき空模様
北村香朗
京鹿子
201310
空梅雨に象の背中も乾きけり
涌羅由美
ホトトギス
201310
空梅雨の大地吹かるるばかりなり
湖東紀子
ホトトギス
201311
空梅雨も傘手放せぬ雨男
稲畑廣太郎
ホトトギス
201406
空梅雨の十三へ降り立つ佳人
稲畑廣太郎
ホトトギス
201406
空梅雨の空に突き刺さりしタワー
稲畑廣太郎
ホトトギス
201406
空梅雨に鳥語燥いでをりにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
201406
空梅雨に山門の朱の黒ずめり
稲畑廣太郎
ホトトギス
201406
空梅雨や梵字に朱き仮名ふられ
山田美恵子
火星
201408
空梅雨や句碑の台座を藻が洗ひ
山田六甲
六花
201408
空梅雨の雲に尖塔突き刺さり
稲畑廣太郎
ホトトギス
201408
空梅雨や薬の匂ふマグカップ
小林正史
鴫
201410
空梅雨や町から本屋また消えて
頓所友枝
沖
201608
空梅雨の飛行機雲の切れつ端
青谷小枝
やぶれ傘
201609
空梅雨や鍵ばかり売る古物商
秋月祐一
船団
201702
空梅雨に川よこたはるダム湖底
七郎衛門吉保
あを
201708
空梅雨はあけてますます夏の空
菊谷潔
六花
201710
空梅雨の帳尻合はす豪雨かな
宮崎他異雅
末黒野
201710
空梅雨や毬の形の整はず
沼田巴字
京鹿子
201806
空梅雨や毬の形の整はず
沼田巴字
京鹿子
201806
空梅雨に雨乞ふ心ありにけり
稲畑汀子
ホトトギス
201806
東は空梅雨西は男梅雨
稲畑廣太郎
ホトトギス
201807
空梅雨が雨風となり閉ぢこもる
東秋茄子
京鹿子
201810
空梅雨と思へば今日の湿りかな
小池みな
末黒野
201810
空梅雨の月しらじらと上がりけり
小林文良
春燈
201909
空梅雨や選挙掲示の板白し
石川憲二
六花
201909
空梅雨の玉子歪んで焼けにけり
小山よる
やぶれ傘
201910
空梅雨の町に連呼の選挙カー
酒井湧水
ホトトギス
202211
2023年6月12日
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