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9784480073310_600_20201107083301 オベリスクさんの「備忘録」に、『働き方改革の世界史』の書評が載っています。曰く:
http://obelisk2.hatenablog.com/entry/2020/11/03/105244
労働思想の「古典」を解説することで、現代日本の現状を照射しようという本、ということでいいのだろうか。わたしは本書に取り上げられた12冊の中の一冊も、名前すら知らなかった。そもそも、「労使関係」の「労」が労働者なのはわかるが、「使」が使用者(経営者、みたいな意味だろうか)っつーのを既に知らない。本書のキーワードに「集合取引(コレクティブ・バーゲニング)」というのがあるが、何それてなもんである。ちなみのこの「取引」というのは「労働(力?)」が取引されるということである。
まあ、労使関係思想なんて、今ではそんなものでしょうね。その意味では誠に反時代的な本でもありますが、それゆえに現代に響く内容でもあるはずで、
読んでいていちばんおもしろかったのは、日本人から唯一選ばれている藤林敬三の『労使関係と労使協議制』についてであった。日本の話なので、やはり多少の「土地鑑」があるゆえらしい。日本では労使関係も曖昧微妙で、ぐちゃぐちゃなんだなというのが、藤林の明快な論理から却って浮き彫りになってくるようだ。
オベリスクさん、最後にこう述べるのですが、
しかし、わたしのように、「会社」というもので働いたことがなく、いまは仕事もせずに生きている人間に本書はどこまで意味があるのだろうとつい思ってしまったが、まあ優れた本だから何かの意味はあるのだろうと、思いたいところである。「労働」って、掘るとめっちゃムズいですね、マジで。
いやいや、だからこそ、普通の日本人たちがごく当たり前にやっているあれやこれやを、あたかも宇宙人が眺めるかのごとき視点から興味本位でみることもできるはずだと思いますよ。
そのための素材にはなるはずなので。
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