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というわけで、いよいよ年末が迫る中で、金子・濱口劇場第何版かもそろそろ大団円のようです。
http://ryojikaneko.blog78.fc2.com/blog-entry-413.html (男女平等政策、ワーク・ライフ・バランス政策について)
基本的に同じ事をいろいろと言い換えている話なので、私も本書の構造を簡単に述べます。
06年改正で性差別も女性に対する差別だけじゃない両面性になったというのは、法律オタク向けの話で、世間の人には何のことかわかりません。間接差別といってもまだまだ素人拒絶的な玄人議論。
女性労働問題として議論されていたことが実は男性問題なんだよ、ということを、一番くっきりとわかりやすく訴えるためには、やはりワーク・ライフ・バランスの話にするのが一番です。女性だけ育児休業や短時間勤務やってれば良いよと思っていると「悶える職場」になっちゃうよ、という話。そこは意識的に戦略的に、そういう話の流れに繋がるような筆の運びにしています。
そして、何でそういう話になっちゃったのか、という話の伏線として、日本型雇用の(男性正社員に要求される)無限定性というのがあるので、本書のような流れにするのが一番わかりやすいと判断したわけです。
そして、最後のところで絶対的労働時間規制が出てくるのを、一番最初の工場法の(女子年少者だけの)絶対的労働時間規制が予め呼応しているという構造である以上、男女平等の話をするなら、それ以前は全部ぶった切れといわれても、はいそうですかというわけにはいかないということになります。
日本の女性の困難をそれなりに完結したストーリーとして描こうとすれば、だいたいこれくらいの範囲で描くのが一番適当でしょう(非正規のところだけは正直心残りはありますが)。それ以上縮めても膨らましても、うまくいかなかっただろうと思っています。
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