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3 調査研究内容等
(1)調査研究のテーマ

様々な問題を抱える不登校の高校生や高校中退者に居場所の提供とそれぞれの課題に適した支援プログラムの開発


(2)調査研究の内容
(注記) 上記(1)のテーマに基づく調査研究の内容を具体的に記載する。また、必要に応じて、調査研究の流れや全体像が把握できるように、できるだけ図等を用いて調査研究の推進組織体制も記載する。

1 調査研究の全体像
〔考え方〕
高校進学率が97.8%とほぼ「義務教育化」しており、高校生人口の減少により、選ばなければいずれかの高校に入学できるという現状がある。一方で目的意識を持たないまま高校に進学し、授業や人間関係のつまずきなどから不登校や安易な高校中退につながるケースも多い。07年度は高校中退者7万2854人、不登校も5万人を超えている。しかしこれらの生徒に対し、小中の適応支援教室のような公的な支援がない現状では、適切な支援を受けられずに行き場を失った生徒たちが社会から隔離された状況で引きこもらざるを得なかったり、社会の中で不安定な雇用に甘んじ、将来の展望が持ちにくい状況におかれているケースも多い。また、彼らはそれぞれ抱える問題や背景をもっており一元的な支援ではとうてい対応出来ない。彼らの再チャレンジを支援し将来の社会的自立につなげる観点から彼らに居場所とそれぞれの課題に適した支援プログラムの開発にあたりたい。具体的には高校不登校生、中退者を3種(下記 A、B、C)に大別しそれぞれの特性に応じた支援手法を検討する。
また、2月27日付けの文部科学省の方針を受け、高等学校に在籍しながらスクールを利用する生徒に関しては、運営協議会を通じ県教育委員会や在籍校と「出席扱い」の件に関しても話し合う機会を持ちたい。

前年度「不登校等への対応におけるNPO等の活用に関する実践研究事業」を受け、高等学校を不登校になったり、中退していく生徒たちを(A)メンタル面での問題を抱え、不登校になっていくケースと、(B)学校との不適応などいわゆる問題行動等で中退していくケースにわけて支援する手法を研究した。研究内容に関しては後述するが、その研究過程でタイプA、タイプBのくくりだけでは対応しきれないケースが出てきた。それをタイプCとする。タイプCとは当団体の相談活動の中で何件か相談を受けたケースである。いわゆる進学校等で学校の指導方針に合わず、自分を見失い、不登校になっているケースである。今回、タイプA、Bへの継続的支援研究に並行して、新たにタイプCへの支援手法を研究し、複雑化、多様化する問題行動等への適切な対応を図る支援のあり方を研究したい。

2.調査研究の具体的内容
(A)コミュニケーション能力や人間関係を築く力を身につけるための活動プログラムの開発

〔現状認識: 今年度実践研究事業を受けての次年度への課題〕
当団体が現在支援している生徒たちの中にもコミュニケーション能力や人間関係を築く力が弱く社会に適応していくことが難しい生徒たちが多い。中には小・中・高と不登校を繰り返し現在に至っているケースもあり、かなり深刻な問題である。まず彼らが安心できる環境の中で対人関係のリハビリをし、自信を回復して巣立っていけることを願いさまざまな取り組みを行っている。
今年度実践研究事業の中でタイプAに対する取り組みを行ってきた。具体的には臨床心理士とともにSSTプログラムの開発と実施を行った。別紙の報告書にもあるように少しずつではあるが生徒たちの中に変化が起きつつある。取り組みの方向としては適切であったという手応えを得ている。しかし実際の事業の実施期間として半年ではあまりにも短すぎて十分な成果まで到達することはむずかしかった。ようやくタイプAの生徒たちの現状やコミュニケーションの困難さにつながっている要因、欠いてきた体験などが見えてきたところである。それらを基に、彼らの現状にあった実践的なSSTプログラムに具体的に取り組むことや、ストレスコーピング教育、アサーショントレーニングなどを取り入れて行くことが有効であるという見通しを持っている。来年度も引き続きの研究によって、ぜひ取り組んで行きたいと考える。また、本年度、個別カウンセリングを必要に応じて随時行なってきたが、医療機関へつながって行くことが望ましい生徒も数人存在し、彼らの保護者への面接も含め、個別の支援の継続が望ましいと思われる。以上のことを含めカリキュラム委員会で組み立てたカリキュラムを試行しつつ、実際の生徒のフィードバックを得ながら、さらなる改良を加え成果につなげるためにも事業の延長をお願いしたい。
〔調査研究の目的と想定する研究成果のイメージ〕 ・ タイプAの生徒がスクール内で現在集団の中に身を置いているということを最大限に利用し、一人では できないが集団の中で獲得していくスキルを少しずつ身につけていけるカリキュラムを臨床心理士と協 働で作っていく。 ・ 集団で過ごすことに困難を感じる彼らが、集団の中で受け入れられ認められる体験を重ねることに より、社会の中で生きることに希望と意欲をもち、自分の人生に目標を見つけていけるように支援し ていく。
〔調査研究手段・手法〕
今年度のカリキュラムをベースに質、量ともに肉付けする方向で、より実践的なカリキュラムを作成する。
具体的には下記4種の取り組みを有機的に結びつけることで、Aタイプの生徒(コミュニケーション能力や人間関係を築く力が弱く社会に適応していくことが難しい)を支援できるカリキュラムを開発する。
・ 継続的に行う個別カウンセリング
・ 集団によるSSTやエンカウンター
・ 日常を離れた体験活動の中での自然や仲間とのふれあい。
・ 試行期間の初期、後期に生徒からのフィードバックとしてGSESなどの質問紙によるデータを取り、カリ
キュラムの客観的な検証に用いる。

カリキュラム委員会(A) メンバー: 当法人常勤スタッフ2名(本スクール教員)、臨床心理士1名
カリキュラム委員会の活動: 年4回の会議でSST(ソーシャル・スキルズ・トレーニング)やエンカウンタープログラムの開発方針決定や調査研究の分析を行う他、日常的に情報交換を行い、活動を進める。
1 現状課題と仮方針の決定、カリキュラム素案の検討(6月)
2 試行導入に基づいた経過及び課題共有と検討(6・7・8・9・10・11・12・1月) 3 カリキュラム体系及び内容の詳細ブラッシュアップ・まとめ(2・3月)
試行導入対象:コミュニケーション能力や人間関係を築く力が弱く社会に適応していくことが難しい生徒

(B)フリーターとして働く中途退学者や高卒資格を持たない若者たちの支援の在り方について
〔現状認識: 今年度実践研究事業を受けての次年度への課題〕
彼らは高卒資格を持たないためにかなり不利な立場の労働力にされているケースが多く、将来の展望も持ちにくい状態に置かれている者も多い。今年度の研究事業の中で夜間部を立ち上げ、通信制高校制度を利用しつつ、働きながら夜間に週2日ほど支援団体に通学することで学習面やキャリアガイダンス等の支援が受けられるコースを設置、運用し彼らに高卒資格取得と正規雇用等キャリアアップにつなげるためのカリキュラム作りに取り組んできた。しかし事業実施の許可がおりたのが昨年8月であったため、実際に必要な講師をすべて採用しスクーリングの体制を組み事業を開始できたのは9月以降となった。本来ならば1年間のスパンで規定のスクーリングやレポート指導を行うカリキュラムになるはずであったが後半の半年にスクーリングが固まるというかなり変則的な無理のあるカリキュラムとなってしまった。タイプBの生徒(働きながら通信制高校で高卒資格取得をめざす)にとって適切なカリキュラムを一年間のスパンで再構築する必要がある。...1 又、もう一つの支援の柱である卒業後の就職支援に関して今年度は三重県若者自立センターや松阪商工会議所等、関係機関とのパイプづくりに止まった。次年度はさらなる連携に努めたい。また当初は働いている彼らには正規雇用等の就職支援をキーファクターとする方向で臨んだが、実際、支援をしてみると彼らは不安定なアルバイト等の現状に不満を持ってはいるが、現状に甘んじてしまい、キャリアアップまで踏み出すことが難しいことが分かった。彼らにこそキャリア教育の必要性があると実感した。そのためにはどのようなキャリア教育が有効であるかを研究し、プログラムを作る必要がある。...2 この2点について研究しさらに充実した支援体制を作成するために(B)に関しても事業期間延長をお願いしたい。


〔調査研究の目的と想定する研究成果のイメージ〕
・ タイプBの生徒が働きながら通信制高校を利用して高卒資格を取得するためのより効果的なカリキュラムを開発する。
・ タイプBの生徒の実態に応じたキャリア教育のプログラムを開発する。
以上の点を研究することによって中退者たちが高卒資格を取得し、自らの将来設計を持ち社会的に自立して行くことを支援する体制を作ることをめざす。

〔調査研究の手段・手法〕
・ 通信制高校と連携して夜間、週2日ほど支援団体に通学することで学習支援やキャリア教育が受けられるコースを改善し、より効果的に機能するようにする。
・ 学校設定科目キャリア(8単位)を利用し、その中で彼らの実態に応じたキャリアアップを図るためのキャリア教育を行うプログラムをキャリアカウンセラーと協働で開発する。
・ 試行期間の中期、後期に生徒からのフィードバックを取り、カリキュラム、プログラムの改善に役立てる。

カリキュラム委員会(B) メンバー: 当法人常勤スタッフ2名(本スクール教員)、キャリアカウンセラー1名

カリキュラム委員会の活動: 年4回の会議でキャリア教育プログラム開発の方針決定や調査研究の分析を行う他、日常的に情報交換を行い、活動を進める。
1 現状課題と仮方針の決定、プログラム素案の検討(6月)
2 試行導入に基づいた経過及び課題共有と検討(6・7・8・9・10・11・12・1月) 3 プログラム体系及び内容の詳細ブラッシュアップ・まとめ(2・3月)

試行導入対象:フリーターとして働く高校中退者や高卒資格を持たない若者たち

(C)進学校等で自分を見失い不登校になっている生徒の支援のあり方について
[現状認識]
タイプCとは進学校等で学校の指導方針に合わず、自分を見失い、不登校になっているケースである。当団体の相談活動の中で何件か相談を受けたケースである。彼らは高い学力や学習意欲を持っているが、おそらく進学一辺倒の指導の中で疑問や息苦しさを感じたのであろう。また、中にはもともとストレスへの耐性が弱い等、メンタル面での問題を持っていたものが不登校という形で出ているケースもあると思われる。いずれにしても学校に行けない場合、彼らの多くは引きこもらざるを得ない状況におかれている。
彼らの居場所として予備校、進学塾等があげられることがあるが、それはあまりにも短絡的な考え方であると言える。事実、彼らは進学一辺倒の指導から脱落し、自信を失い、引きこもりの結果、活力までも弱まっている状態に陥っていることが多く、すぐに受験体制の勉強に打ち込めるような状態にないのである。
ここでは彼らが自信と元気を取り戻し、自らの目標を持ち、夢に向かって再チャレンジすることを後押しできる支援体制を作ることを考えたい。

〔調査研究の目的と想定する研究成果のイメージ〕
・不登校の実態に応じた効果的なカリキュラムの開発
安心できる居場所で自分のペースでじっくり学ぶことで自分を取り戻す。そのうえで様々な知的好奇心を刺激するプログラムを体験することで自分を広げ、夢の実現に向かっていけるように支援する。

〔調査研究手段・手法〕
・ カリキュラム委員会Cを立ち上げ、Cタイプの生徒たちに様々な角度から知的好奇心を刺激するプログラムを検討、作成する。
*例 科学実験、地域研究、史跡巡り、文学研究、歴史の探訪、一つの題材から横断的に学ぶ総合学習的なもの、大学体験ツアー等
・ 進学校などへのヒアリングを行い支援の必要性について情報交換をする。
・ 該当する生徒がいる場合には 高等学校に在学中(休学)、高卒認定、転学など形にはこだわらないタイプCの生徒の居場所を作る。具体的には週3日ほど午前に通学できる居場所を開設する。
・ プログラムを試行実施した場合は生徒たちからのフィードバックを得ながらより効果的なプログラムの作成をめざす。

カリキュラム委員会(C) メンバー: 当法人常勤スタッフ2名(本スクール教員)、 文化系有識者2名
理系有識者2名
カリキュラム委員会の活動: 年4回の会議で知的好奇心刺激プログラム開発の方針決定や調査研究の分析を行う他、日常的に情報交換を行い、活動を進める。
1 現状課題とプログラム仮方針の決定、素案の検討(6月)
2 試行導入に基づいた経過及び課題共有と検討(6・7・8・9・10・11・12・1月) 3 プログラム体系及び内容の詳細ブラッシュアップ・まとめ(2・3月)
試行導入対象:進学校等で自分を見失い不登校になっている生徒
しかく 運営協議会の開催
・ メンバー:三重県教育委員会生徒指導・健康教育室、三重県教育委員会高校教育室、三重県若者自立支援センター、代々木高校、NPO法人チャレンジスクール三重
・ 開催頻度:年3回(本事業立上げ期、中間経過報告、最終段階)
・ 位置づけと中身:本事業の研究調査全体に対して、大所高所より助言や課題提起等を頂く。また今年度は特に、文部科学省21年2月27日付けの「高校生がフリースクールなどでの指導を受けた日数を学校出席扱いとできるようにする。」という方針を受け、その可能性や具体的な運用について研究、協議することを主な議題とする。
・ 目指す成果:本事業終了後も、持続的実質的に当該地域に根付き、相互連携し合えるネットワーク基盤となることを目指す。

しかく関係機関等との連携
・ ヒアリング調査及び研究成果の報告説明等を通じた県内高校との情報交換
・ ヒアリング調査及び研究成果の報告説明等を通じた県内松阪中勢地区の事業者との情報交換

しかく研究成果の普及
・ 年間を通じた試行導入とカリキュラム委員会による検討の後、そこから得られた調査研究内容を実践マニュアルとして作成する。
・ 実践マニュアルは、全国の関係NPO団体に送付し、より広く多くの人に手にとって読んでもらう波及効果を目指す。
・ 実践マニュアルは、三重県内の関係機関(学校、支援団体)に配布する。
・ また、紙媒体の配布に留まらぬよう、県内中勢部、松阪地区(当法人活動領域)を中心に関係機関(学校、支援団体、企業関係)を直接訪問し研究成果の説明及び今後についての関係づくりを進める。
・ 調査研究内容の概要をWEB上にあげ、より多くの人に読んでもらえるようにする。

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