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自転車仲間で船橋在住のみみ爺さんのお誘いで
中央線高尾山駅から相模湖を目指してサイクリン
グをして来た。
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今日、走ったルート図。



とは言っても、標題とは違い、終着の相模湖は変更。
上野原まで走ってしまった。

自宅から武蔵野線、西国分寺で中央線に乗り換え高尾山
駅を目指す。
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高尾山駅に降りて見ればこの始末。
別段高尾山だけではなく、その他の周囲の山へでも登る
ハイカーの群れ。
いやいや、ここまでして、たかが高尾山には登りたくは
ないな。
されど、高尾山、痩せても枯れてもこんなに人気があるの
ですね。
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電車が着く度に、良く似た女が降りて来る。
ってのは奥村ちよ。
だけど、よく似たハイカーが降りて来る。
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そんなハイカーを尻目に、みみ爺さんは、組み立てれば
それが自転車の形に成りそうにも無いやつを無心に組
み立てている。 チェーンリングとが見えるから自転車?
と、思えるが無ければ、車椅子でも組み立てるのかと見
まごう人もきっと居るに違いない。
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今回は、企画立案がみみ爺さん、そして、かなり体調を
回復された断腸さんに、グリコのおまけの様なイワさん
と、私である。
駅前のコンビニでお茶などを購入して先ずは国道20号
線を高尾山登山口の方向に走り出す。
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圏央道の高尾山ICの下を抜けて少し行った角を曲がる。
峯ノ薬師参道とある。
なにか、この地方では由緒有り気なお薬師さんなのだ
ろうか。
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曲がって少し入ったところには、趣の有る離れをいくつも
持った、隠れ家的懐石料亭のような『うかい竹亭』があり、一同
『こうしたところで、ゆっくりお酒でも飲みたいものだ』と、
羨ましく思いつつ、その脇を通り過ぎた。
そう、我々が行くのは羨ましいのではなく、裏山らしいのだ。

念のために『うかい竹亭』のURLを記す。
ちなみに、お酒も込みで、多分15,000円-程度は掛かり
そうだ。 しかし、中々のもの、一度は出かけて見たいものだ。
http://www.ukai.co.jp/chikutei/menu.html

さて、その『うかい竹亭』から少し走ると、自動車の封鎖
柵がある。
ここからはハイカーや自転車のような自然に優しい乗り物
しか入ってはならぬ聖域の結界だ。
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その聖域に入って間もない所に東屋があり、先ずはここで
小休止をし、これから始まる過酷な道への覚悟新たにする。
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とは言うようなものの、どうも、ここはずっとダートのようだ。
今回はダートは無かろうと、私は通常タイヤで来てしまった。
なので少し後悔。
最近、ダートの場合はシュワルベのマラソンと言う耐パンク
性能の良いのを使っているが、今回は通常タイヤの、パナ
レーサーのグラベルキングなので少し不安。

と、思う間もなく、後ろを走っていたイワさんの自転車から
『プシューー』と言う空気の抜ける音。
パンクだ。
断腸さん曰く『分かり易いパンクだ』
うん、じわじわ抜ける陰湿なパンクより、これは陽で、こっち
の方が良いかも知れない。
イワさんも、ダートが予め分かっていれば、やはりシュワル
ベのマラソンなのだが、本日はハズレか。
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まぁ、こうした砂利交じりの道では、路面をよく見て尖った
石などは踏まぬように走るのも技の内だ。
舗装路を走る時はガラスのかけらや釘などを避けて走る
ものである。(嘘である)
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暫く、自転車を押し歩いたり乗って走ったりしながら
登って行くと景信山や大垂峠方向から来た尾根に出る。
少し広場になっているが眺望は効かない。
ここを左に曲がり城山湖方面を目指す。
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途中、加藤武雄さんと言う方の碑があると言うので寄って
みた。 農民文学を得意とした作家さんだったらしい。
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なんでも、門人には佐藤愛子さん、また、この碑は丹下健三
さんにより設置されたものだそうだ。
と、言われても、やはり良く分からない。
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その碑から急な未舗装路をぐんぐん下って行くと城山ダム
に出た。
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遠く、八王子の街が霞んで見える。
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このダム湖は神奈川県の企業庁が所管する、城山揚水式
発電所のため池らしい。
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これはこの発電所の立面図だが、発電所自体は地下深い
所に設置されているのに驚き。
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これは、上の図の山の頂上の制御所に展示されている
導水路の水車入り口部の閉鎖弁のようだ。
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これが説明文だが、34年間も使われていたものだそうだ。
日立製作所の製品だが、日立もこうした自然エネルギー
に対応して原子力などから手を引いてもらいたいものだ。
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しかし、この発電所、最大出力が25万キロワットもある。
原発1基は100万キロワット程度だから、この発電所が
4つも有れば原発一基分じゃないか。
そんなら、そんな汚いものなど造らず、こうしたクリーンな
物を作る方になんで注力出来ないのだろう。
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さて、城山ダムを後にして、道は津久井湖の湖尻を目指し
快適な舗装路をぐんぐん下る。
途中、津久井湖が眼下に広がり道志川右岸の丹沢山塊
の前衛の山並みのみ。 そしてその後ろに青く霞んだ丹沢
核心部の山々が望めた。
自然そのものが大きなキャンバスに描いた山の絵だ。
空気遠近法の何たるかを図らずも如実に説明している
の感だ。
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津久井湖の湖尻に降りて、ここからは湖の北岸を県道513
号線で西に向かう。
いかにも旧道の風情。
気持ちが和む。
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軽やかに旧道を走る面々。
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どこかで食事を摂りたいと注意して走っていたら、なんとも
趣のあるお堂が小高い土手の上に在った。
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さっそく上り込んで弁当を使わせてもらう。
どうやら、観音堂だ。
お賽銭を入れて礼拝する。
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濡れ縁と言うか回廊の下に、蟻地獄の巣がいくつもあった。
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大銀杏の下には古いお墓が祀られていた。
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お堂の屋根は、化粧細工だが煙抜きが屋根の上に
上がっているのが印象的だ。 やはり、養蚕の影響か?
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お昼を頂き更に西へ進む。
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遠く見えるのは三井橋のようだ。
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湖尻側を振り返ると城山ダムが微かに見えた。
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そんな景色を見つつ西に進むと段々と道幅が狭まって来る。
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臨済宗の三井寺を過ぎて進み、
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東光寺と言う寺を過ぎ、忠実に県道515号線を辿ると
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急に車両通行止めとなる。
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そこを何が有っても自己責任で進むと、道は相当に
荒れて来る。
県道、三井相模湖線と言うらしい。
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路面は全面落ち葉や枯れ枝で覆われ、いたるところ落石。
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そんな道でも、ひと時心休む明るい場所に出た。
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が、それもつかの間、またしても、ガレ場歩きだ。
しかし、改めて思う。
人の力の他愛無さ。
懸命に造ったこうした道とて、山が幼年期から壮年期へ
成長して行くその過程の山の脱皮した山の垢の前には
この体たらく、長い時間の流れの中のあっと言う間の
時間で飲みこまれてしまうではないか。

そうそう、帰って来てから調べたら、廃道や隧道探検家の
自称『ヨッキ』さんのHPに、この三井相模湖線の記事が
あったので、ここにそのURLを貼って置こう。
彼は20年近く前にここを抜けているので、その時との
対比も面白い。

http://yamaiga.com/road/kpr515/main.html

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小沢が入り込んだ所には、小さい滝が掛かっていた。
冷たい清水が流れている。
思わず一口頂く。
明らかに、房州の水よりも硬くてうまい。
なのに頂いたのは私だけ。
まぁ、泉熱とかありますしね。
脇の鉄の階段を上がって行くとどこへ行くのだろうか。
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ひと時の休息。 谷間には湖面が青い。
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やっとの事で脱出した。 この橋は津久井湖を跨ぐ桂橋と
言うらしい。
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この橋を渡って、橋の先のトンネルは通らず、旧道と
思しきトンネルの左を巻く道に入る。
と、これが大正解。
トンネルを抜けるよりショートカットだし景色も、そして何より
安全に走れた。
それからしばらく走った。
上がったり下がったり、自転車を押して急坂を登ったりして。
そしてね気が付けば少し大きな川が。
そう、これは道志川だ。
橋の上から覗くと、川の右岸には魚道が設置されている。
この川の豊かさをなんとなく感じる。
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下流側の風景。
この川はもう少し下流で津久井湖に注ぎ、やがて相模川
となり、太平洋にいずる。
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ここは、横浜市水道局青山水源地から、水を横浜に送る
送水管の専用隧道。 かなり時代物だ。
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これが、水源地の多分、沈砂池。 道志川の水を横浜
市民は飲んでいるんだな。
千葉県民が利根川のばっちい水を飲んでいるに比べ
なんとグルメなんだろう。
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ちなみに、道志道はこの辺りから始まる。
そして我々も、評判のあまり宜しくない道志道を暫く上る。
道志道の道志側から三々五々ローディーが下ってくる。
こんな道を走って面白いのかと、要らぬ気持ちが頭を
過ぎる。
道志道は、上り基調で上がったり下ったりを繰り返しつつ
徐々に山奥へと誘って行く。

梶が原と言う所で、そのクソ面白くも無い道志道ともお別れ。
県道76号線に入るために右折する。
道は一気に下り、谷底を流れる渓流まで落ちてゆく。
魚見橋と言う橋で道志川を渡ると、ざまぁ見ろと言わん
ばかりに急な登りとなる。
暫く登ると、牧野村とか言う山村に至り平坦となるが村を
過ぎればまた意地の悪い登りとなる。
その村の外れに、村の石屋の置き場があり、小さな石の
ビーナスが二体居て、疲れた気持ちを和ませてくれた。

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石屋の置き場
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やがて本日のルートの後半のピークを迎える頃天空の
村を抜けた。
すごい傾斜地に畑が作られている。
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やがて峠のトンネルに行く着く。
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天神隧道とある。
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天神隧道を抜けるとT字路となり、県道76号とはおさらば。
我々は右へ行く。
すると又隧道だ。 今度は少し長いぞ。
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網子隧道と書いてある。
読み方はイワさんが、どうたたらこうたら言ってたが忘れた。
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左に小さな小沢があるが、それ沿いにぐんぐん下る。
やがて二又となり、我々は自転車専用の左に入ってゆく。
確かに道は舗装はされているが、落ち葉や枯れ葉が
溜まっていて、廃道に近い感のある道を下って行くと吊り橋に
出会う。

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吊橋から河原を望む
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河原
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暫し三途の川はかく有らんと思いを巡らしつつ、一息入れる。
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その吊橋を渡って曲がれば県道35号線だ。
きっと、その昔、鎌倉を追われて逃げるように森良親王の
子を身篭っていた華蔵姫、つまり、雛鶴姫はこの街道を
甲州の方面へ落ちて行かれたのだろう。
そして、この先の峠付近で子を出産するも命を落とす。
そこが、今の、雛鶴峠であり、いまは峠を行かずとも
隧道で抜けられる。
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もうそこからは、ひとっ走りだった。
新天神トンネルを抜けて、快適に下って行けば、相模川
おっと、この辺りでは桂川の桂川橋を一気に渡る。
橋の向こうの土手の中腹は到着地、上野原の駅だ。
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駅前の中華屋さんで軽く食事をし今日の一日の反省を
した頃には、陽も山の向こうに沈み、紫色の残照が甲州の
山をシルエットに染め上げていた。
DSC04885
ご案内くださった、みみ爺さんありがとう御座いました。
病み上がりの断腸さんは私同様に沢山疲れましたが
お付き合いありがとう御座いました。
そして、パンクやズボンのカギ裂き、ペダルの
ビンディングの不具合など、散々なイワさんも、怪我が
無くてよう御座いました。

コメント

コメント一覧 (7)

    • 1. IWA
    • 2017年05月23日 11:25
    • またまた楽しかったですね。みみ爺さんの企画先導と思っていましたがBさんが先導するとはびっくりです。
      しかく「我々が行くのは羨ましいのではなく、裏山らしいのだ。」これは素晴らしい。
      しかくパンクは仕方が無いのですが林道に入って早々で、またパンクを繰り返すのではないかと恐れておりました。
      しかくシューズがペダルからはずれなくなるシーンを何回か見てきましたが、実際に自分の身に起こってみると恐ろしいですね。本当に外れなかったらコンビニでサンダルでも購入して歩くしかありません。上野原駅にはコンビニがなかったので靴下のまま裸足で歩くしかありませんでした。Bさんのバカ力のおかげで外れて助かりました。
      しかく津久井湖の北側の廃道はすごかったですね。落石の量が尋常ではなくてガードレールを乗り越えている場所がいくつもありました。岩がとがっていて自転車に乗るのが怖かったです。
      <まとめ>
      しかくみみ爺さんの自転車組み立て、分解は芸術的である。
      しかく林道にはフラットペダルが良い。
      しかく林道にはブロックタイヤかシュワルベマラソンが安心。
      しかく5月でも身体が慣れていないこともあり、直射日光対策が重要。日焼け対策とこまめに水分補給を。
    • 2. IWA
    • 2017年05月23日 12:06
    • 書きもれました。
      しかく上野原駅前の一福はなんともレトロで昭和の雰囲気で良かったです。どれも旨くて安かったのですが、レバニラ炒めと唐揚げが秀逸でした。
    • 3. B
    • 2017年05月23日 14:43
    • 毎度補足説明ありがとう御座います。
      しかし、あの辺りと言っても、逆に、ここいら平野部を除く全てでしょうが
      どこへ行くのも坂ばかり。
      なんか、非力な私としたら、もう一段軽いギアが欲しくなってしまいました。
      ところで、あの吊橋を渡ってから出た街道を左に行けば雛鶴峠なのですね。
      雛鶴トンネルでなく、峠を越えて行って見たいものです。
    • 4. みみ爺
    • 2017年05月24日 12:55
    • お疲れさまでした。
      それにしてもBさん、ブログの更新が早いですねえ。軽快な文章は素晴らしいです。そして、写真もきれいですね。私のカメラではどうしてもきれいな写真が撮れません。今度、もう少しきれいに写るカメラを買いたいと思いますが、腕が伴わないとね。
      断腸さんが病み上がりだったとは知りませんでした。本当にお疲れ様です。また、一緒に走りたいです。
      IWAさん、いろいろ災難に見舞われましたね。しかしやっぱり一番お若いせいか、まったく疲れ知らずでしたね。さすがです。
      一日本当に楽しかったです。
      一福食堂の唐揚は美味しかったですね。
    • 5. B
    • 2017年05月24日 15:48
    • しかし、みみさんこそ、お年に似合わず、ひょうひょうと、軽々と、坂も悪路も自転車を走らせ、驚愕です。
      特に、城山峠への登りでは、その凄さが分かりました。
      これだから、坂を厭わず、獲得標高も数千メートルも登れる訳ですね。
      それにしても、県道三井相模湖線は凄かったですね。
      まさに、谷頭のガレ場の連続。
      沢登りならいざ知らずですが。
      まぁ、最近、秘境やらダートはかなり慣れてますので驚きはしないが
      あれほどに荒れた県道が在ると言うのも、また、そこを歩けたと言うりも
      自転車ならではかと。
      また、ご一緒いたしましょう。

    • 6. kincyan
    • 2017年05月29日 09:55
    • まあ、凄まじいツーリングでしたね。舗装路の方は、立川のともちんさんがいつも走っているような坂道ですが、荒れた道は普通のローディは行かないようです。危険な道を選んで行くのは、一種のスリルを求めてなんでしょうね。こないだ入院していた病院のジジイに比べれば若々しいといえばその通りなんですが、あまり無理をされてませんようにね。
    • 7. B
    • 2017年05月29日 21:25
    • きんちゃんのおっしゃるように、こんな道、ローディーなど絶対来ません。
      自転車と言うツールを使った『小冒険』なんでしょうね。
      まさに、大人気ない行為なのですが、これが案外と楽しいです。
      で、確かに言える事は、車が走る上下で2車線の道を走るのは絶対に好まないと
      分りました。
      仮に舗装路でも、田舎道や昔から在るであろう道は心がうきうきしますね。
      とは言え、その田舎道であんな目に遭うとは、田舎道とは言えやはり危険は
      付いて来るようです。
      きんちゃんも早く襟巻がとれ、首のリハビリが始まるといいですね。
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