治療について
細菌による感染症には抗菌薬(抗生物質、抗生剤)を用いて治療します。もちろん医師が不必要と考えたら用いられないこともあります。通常の風邪はウイルスが原因ですので抗菌薬は効きません。
細菌による感染症といってもさまざまな種類があります。感染症がおきた場所が肺であれば肺炎、膀胱なら膀胱炎という具合です。感染症の種類によって原因となりやすい菌は異なります。一般に肺炎なら肺炎球菌という菌が原因となることが最も多く、膀胱炎であれば大腸菌が原因となることが多いです。体のどこに問題がおきているのか、原因になっている菌は何かを考えて治療方針を立てるのが医師の役割です。そのために詳しく症状を聞いたり検査を行ったりするのです。さらに、もともとの体の状態によってどのような菌が悪さをするかが異なってきます。体が極端に弱っている状態では、日頃は悪さをしない細菌が問題をおこし感染症の原因となってしまうこともあります(日和見感染)。
なぜ感染症のおきている場所や原因の菌が大切かというと、それによって治療の方針が変わるからです。どの菌に効くかは抗菌薬によって異なります。抗菌薬を内服する量や期間も、感染症の場所と原因菌の組み合わせで変わってくるのです。
[画像:抗菌薬を内服する量や期間は、感染症の場所と原因菌の組み合わせで変わります]
細菌による感染症と診断されて抗菌薬を処方されたときには正しく服用し、決められた量と回数を決められた日数で飲みきりましょう。症状がよくなったからといって途中でやめてしまうと、感染症が治りきらず、治るまでに余計に時間がかかってしまうこともあります。
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