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男女逆転「大奥2」阿部正弘"身代わり"ネット号泣「尊い」志半ば...瀧内公美も涙止まらず「台詞が一番...」

[ 2023年11月14日 22:45 ]

ドラマ10「大奥 Season2」第17話。瀧山(古川雄大)が付き添い、徳川家定と再会した阿部正弘(瀧内公美)は...(C)NHK
Photo By 提供写真

"男女逆転の大奥"を描くNHKドラマ10「大奥 Season2」(火曜後10・00)は14日、「幕末編」第17話(Season1から通算)が放送された。13代将軍・徳川家定を支える聡明な老中・阿部正弘が病を患い、道半ばで無念の隠居...という展開。正弘役を好演した女優の瀧内公美(34)は「あまりにも感情移入しすぎて、涙が止まらなかった」と自身が演じた若き老中の人生に思いを馳せた。

<(注記)以下、ネタバレ有>

原作は漫画家・よしながふみ氏の同名人気作。3代将軍・徳川家光の時代から幕末・大政奉還に至るまで、男女が逆転した江戸パラレルワールドを紡ぎ、センセーションを巻き起こした。

過去計3度、ドラマ化&映画化されたが、今回は幕末・大政奉還まで初めて映像化。2025年の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」も手掛ける森下佳子氏が、今年1〜3月の「Season1」(全10話)に続いて脚本を担当。8代・吉宗の遺志を継ぐ若き蘭方医たちが謎の疫病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」撲滅の道を切り拓く姿、開国・攘夷・大政奉還・江戸城無血開城という激動の時代を描く。大筋は原作通りのストーリー展開だが、ドラマは「医療編」「幕末編」と銘打つ。

第17話は、徳川家定(愛希れいか)を"毒親"徳川家慶(高嶋政伸)による"嫌なこと"から守るべく、瀧山(古川雄大)が大奥取締役に。そして、正室として輿入れしてきたのが胤篤(福士蒼汰)。薩摩が内部から幕政を操るために送り込んだ者として警戒していた瀧山と家定だが、その美しい容姿に圧倒される。どこかつかみどころがなく、聡明な胤篤に、瀧山は油断禁物と心配。一方、家定は徐々に距離を縮める。13代将軍の様子に安心した阿部正弘は、開国派と攘夷派に分かれ、意見がまとまらない井伊直弼(津田健次郎)や堀田正睦(高木渉)ら老中に挟まれながらも、託された役目を果たそうと奔走し...という展開。

知識と人望を兼ね備えた阿部は、海外の圧力に動じない日本をつくるため、血筋や性別にこだわらず、どんな身分の者でも優秀ならば登用すべきとの信念を貫いた。陰間の瀧山を見出し、開国派で強硬姿勢の井伊直弼にも意見するなど手腕を発揮していたが、病によって道半ばでの隠居を余儀なくされた。

瀧内は同局を通じ、阿部正弘について「原作では、とてもおっとりしていて、甘いものが好きで、いつも走り回っていて、周囲の人の力を借りて政を動かしていく人物として描かれていて。機転も利きますし頭もきれる、なによりも人から嫌われないキャラクターだなと思いました」と、その印象を説明。「演じる上では、原作で描かれていた正弘の柔らかさを取り入れつつも、若くして亡くなる人物でもあるので、物語の始めの方はすごくファニーに演じました。キョロキョロしながらあっち行ったりこっち行ったり、その瞬間を一生懸命生きているという感覚を大切に演じました」と演技に込めた思いを明かした。

物語の最後には、家定との深い絆が描かれた。家定とのやり取りについて「16話の家定様の『そなたが自在に宙を飛ぶためにここに座っておるのだ、私は』というセリフが印象に残っています。正弘が生きた時代は色々なことが起こりすぎて、政をどう動かしていけば良いか、様々な意見の狭間に揺れながら日々決断を下していたんだと思うんです。そして、結果的に正弘は、政に関してやりたいようにやらせてもらえたと思うんです。それは家定様がいたからこそ、家定様からの信頼があったからこそできたことで、セリフでもありましたが、家定様に正弘は生かしてもらっていたのだなと思います」と1つのセリフから"阿部の物語"を推察した。

道半ばで病を患う無念の展開。第17話の台本を初めて目にした時の印象について、は「上様に、最後に自分の気持ちを伝えられるシーンがあって幸せだなと思いましたし、初めて台本を読んだ時は、自分のシーンであまりにも感情移入しすぎて、涙が止まらなくなってしまって。セリフが一番覚えられなかったです」と回顧。「正弘もここで終わりたくなかっただろうなと思うけれども、ここで終えるという覚悟が自分の中にできて、思いをちゃんと伝えられたことは幸せだっただろうなと」と阿部の人生に寄り添い「演じ終えた今も、そう思います」と思いを込めた。

家定は馬に乗れるほど元気に。正弘の"最後の願い"は父・家慶の慰み者だった家定の幸せ。「身代わりは、阿部のお役目(第16話、戦国時代に阿部正勝少年がまさかの折の盾となるべく、幼き徳川家康の今川行きに同道)。最後まで、わたくしにお役目を、全うさせてくださいませ。上様の過去も、病も、わたくしがすべてあの世に。わたくしにお運びさせてくださいませ」――。

SNS上には「今週も号泣だった...正弘と思い出話はしたくないという瀧山に。上様と正弘の美しい絆に」「尊いという言葉は、こういうのを表すためにある」「過去一番の号泣回。正弘と家定のシスターフッド、刺さり過ぎた」「最高の阿部正弘をありがとう。瀧内公美さん(泣)」「家定と正弘の主従コンビは『大奥』で一番好き。正弘と友だちになりたい。出番2話だけだなんて悲しすぎる」「『身代わり』という言葉がこんなに哀しく、しかし良い意味で美しく用いられ、主従の間で交わされる物語なんて、今まであっただろうか」「吉宗公、源内さん、正弘と何度もロス気分になる」などの声が続出。視聴者の涙を誘った。

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