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市川猿之助、一家心中か 「家族会議をした」 向精神薬中毒の疑い 両親の死因判明

[ 2023年5月20日 05:10 ]

市川猿之助容疑者(左)と市川段四郎さん
Photo By スポニチ

歌舞伎俳優の市川猿之助(47)が都内の自宅で倒れている状態で発見され、父で歌舞伎俳優の市川段四郎さん(76)と母の喜熨斗(きのし)延子さん(75)の死亡が判明してから一夜明けた19日、3人が一家心中を図った可能性があることが分かった。猿之助が警視庁の聴取に両親と「家族会議をした」と説明していたことも明らかになった。両親は司法解剖の結果、向精神薬中毒で亡くなった疑いがある。

18日に病院に搬送された猿之助。同日中に警視庁の事情聴取に対し「(死亡した両親と)家族会議をした」と話していたことが捜査関係者への取材で判明した。一家心中を図った疑いがあり、警視庁は猿之助からさらに詳しく事情を聴くなどし経緯を調べる。マネジャーは猿之助について、搬送の前日まで「変わった様子はなかった」と話しているという。猿之助は19日午後、退院した。

一方、両親2人の遺体は、この日午前7時半ごろ、安置されていた目黒署を出て、都内の司法解剖を行う施設に運び込まれた。夕方、向精神薬中毒で亡くなった疑いがあると公表された。2人に外傷や注射痕はなく、17日から18日にかけて死亡したとみられる。

発見時の3人は嘔吐(おうと)した状態だったことも判明。捜査関係者によると、いずれも吐いたような跡や口から泡が出ていた状態だったという。警視庁は口から睡眠導入剤のようなものを大量に摂取したとみているが、19日に猿之助宅の現場検証と家宅捜索を実施した結果、関連する薬物や容器は見つからなかった。家には土足痕など、一家以外の第三者が関与した形跡もなかった。家宅捜索ではスマートフォン複数台などを押収した。

現場で死亡が確認された延子さんが、発見時、死後数時間が経過していたとみられることも分かった。死後硬直が始まっていたという。夫妻は2階リビングで1枚の布団が掛けられた状態で横たわっていたが、段四郎さんは搬送先の病院で死亡が確認された。延子さんは発見される前日に死亡していた可能性もあり、2人の死亡時間の差についても捜査を進める。

3人は18日午前、マネジャーが猿之助宅を訪れた際に返答がなかったため室内を確認した際に見つかった。段四郎さんと延子さんは目立った外傷は確認されず、検視では死因は不詳だった。

猿之助を巡っては、雑誌「女性セブン」(小学館)が性加害やハラスメント疑惑を報じていた。

≪向精神薬とは≫
向精神薬は、医師から処方され、調剤薬局でのみもらえる睡眠導入剤や抗不安薬などの精神安定を目的とした薬。元麻薬取締官の高濱良次氏は「近年、幸福感や快楽を目的として薬を服用する若者が増えている」と指摘した。「今回は死を目的として、一度に規定量以上を服用した可能性が高い」と推測。また、死後硬直の時間のずれについては「順番に服用し、最後に猿之助氏が飲んだのではないか」とした。高濱氏は今後について「向精神薬を普段から服用していたのか、今回偽って処方してもらい使用に至ったのかについて捜査するのではないか」とした。

≪所属事務所「情報把握に努めている」≫
猿之助が退院したことを受け所属事務所は19日、公式サイトで「引き続き各方面からの情報把握に努めているところ」と説明。「現時点で、弊社として報道を超えた情報を把握いたしておりません」とコメントを発表した。

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