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持続可能性への現在の取り組みと今後の方向性

2024年04月15日

製品のライフサイクル全体の世界的な環境負荷を軽減する取り組み

ブリストル マイヤーズ スクイブは、大手グローバル・バイオファーマとして、深刻な病気を抱える患者さんを助けるために高品質な製品を開発し、提供しています。これは大きな責任であり、世界の環境を守ることへの私たちの重大な説明責任と密接に結びついています。私たちは事業のあらゆる側面で、患者さんに治療を提供するという私たちの重要な仕事によって、コミュニティや生態系の健康に悪影響を及ぼさないよう努めています。

BMSの主な目標のひとつは、私たちが使用し製造する化学物質の環境への影響を極力抑えることです。私たちは昨年、社内の全部門に加えて、世界各地のステークホルダーとのパートナーシップを含む総合的な取り組みを通じて、いくつかの点でこの目標の達成状況を進展させました。

「グリーンな」新製品開発

製品開発に関しては、米国化学会の「グリーンケミストリー」の原則に沿った環境への取り組みを行っています。これは、汚染防止、廃棄物削減、再生可能資源の利用推進、有害物質の使用・発生の低減または廃絶を重視する、化学製品を設計、開発、分析、利用する際の考え方です。

化学プロセス開発部門のポートフォリオケミストリー担当エグゼクティブ・ディレクターであるMartin Eastgateは、「私たちは、持続可能で信頼できる確かな手法を使って、患者さんに最高の医薬品を提供するという目標を掲げています」と述べました。2022年に米国で発足した、中等症から重症の尋常性乾癬の新薬開発プロジェクトから、ひとつの注目すべき成果が生まれました。BMSの研究者は、この重要な物質を極めて効率的に生成する手法を確立し、再現性と持続可能性を両立させて製造できるようにしたのです。「チロシンキナーゼ2(TYK2)の最初の生成法は、高品質な原薬の製造という点で優れたものでした。しかし、私たちは、製造工程の持続可能性を高め、より効率的な製品供給につなげる重要なチャンスだと考えました」Eastgateは、そう説明します。

新たなルートの発見

そのためには、問題の分子を合成する新たなルートを開発する必要がありました。「臨床候補物質の持続可能で確実な合成方法を開発するには、イノベーションが欠かせません。持続可能性と確実性は両立できない目標ではありません。ただ、両方を達成するためのリスクと選択肢への理解を深める必要があるのです」とEastgateは語りました。

Eastgateらは、その分子の最も確実な合成法を突き止めた後で、「全単位操作」という考え方を採用し、製造の全段階を徹底的に検討しました。「分離する最終成果物の質を確保しつつ、溶媒の使用、分析手法、使用する試薬や反応剤の種類などを見直したのです」

その結果、持続可能性を大幅に高めて、製造工程からハロゲン化溶剤を完全に排除しつつ、廃棄物を74%、電気使用量を73%、水消費量を78%削減できました。これは、持続可能性と製造効率の両立を実現した完璧な例だと言えます。

新たなツールと手続きの開発

Eastgateらは、環境への取り組みを強化するため様々なツールを開発しました。そのひとつである PMI Predictorは、予測アルゴリズムを用いて新しい分子を合成する最も効率的なルートの選定をサポートします。製造工程の各段階を評価して非効率な箇所を発見する、プロセス審査・コスト評価(PACE)と呼ばれる手続きも開発しました。この手続きを活用して、新規低分子の製品化に関わる持続可能性を全体的に向上させています。

グリーンケミストリー賞を獲得、廃棄物を約85%削減

こうした審査の実施や、チームの科学的な知見が高く評価され、BMSは先日、パートナーであるCodexis社と共に、肺繊維症の治験薬であるLPA1(リゾホスファチジン酸受容体1)拮抗薬BMS-986278の合成に関して、2023年ピーター・J・ダングリーンケミストリー賞(Peter J. Dunn Award for Green Chemistry)を受賞しました。Eastgateは、次のように述べました。「旧来のルートは初期開発に適していましたが、製品化するには改良が必要でした。私たちが開発した画期的な手法は、廃棄物を86%近く削減します。上市後には、数千トンの廃棄物を削減できる可能性があります」

化学プロセス開発チームのメンバーは現在、製品市販後も同様の水準の削減効果を達成するために、治験段階における新規物質の頑健性を確認する研究を進めています。「私たちの目標は、命を救う医薬品を持続可能な形で患者さんにお届けすることです」Eastgateは、そう語ります。

「病気と闘いながら地球も守る――これは実に崇高な使命です」


化学プロセス開発部門ポートフォリオケミストリー担当エグゼクティブ・ディレクター
Martin Eastgate

BMSの環境への取り組み


私たちは、以下の目標を掲げています。

100%

2030年までに購入電力の100%を再生可能エネルギーに

100%

2040年までに社用車の100%をゼロエミッション車に


医薬品成分の環境負荷の軽減

BMSは、製品ライフサイクルの全段階で成分の環境負荷の軽減に努めています。患者さんの体内からの排泄が、医薬品有効成分(API)の環境への主な排出源ですが、未使用または使用期限切れの医薬品の不適切な廃棄や、製造時の排出水も環境に負荷を与えています。私たちは、BMSの医薬品が患者さんに届く前から使用(処分)後までの期間を通して、この問題に対処しています。

医薬品有効成分や、それ以外の有害なおそれのある物質が意図せず排出されるのを防ぐために、BMSは、製造拠点において、廃水の処理と管理に関する厳格な社内基準・指針に従っています。すべての新規医薬品について、認可申請を行う際は国内の規制に従って環境動態や環境への影響に関する調査を行っています。収集した環境データを透明性ある形で報告するよう努め、パートナーシップ・イニシアチブ(FASS APIデータベースなど)や安全性データシートなどを通じて情報を公開しています。

未使用、不要、使用期限切れの医薬品の環境への影響を軽減するための取り組みも行っています。医薬品会社が加盟するコンソーシアムPharmaceutical Product Stewardship Work Groupは、米国でBMSの医薬品を回収するプログラムを運営しています。Pharmaceutical Product Stewardship Work Groupは、製品のライフサイクルを通した化学成分の安全な管理に取り組む企業MEDプロジェクトを通して、この回収プログラムを実施しています。廃棄物処理に関する国内規制は多様であるため、患者さんから回収したBMSの未使用製品の総量を算出することはできません。とはいえ、2022年には、MEDプロジェクトを通じてカリフォルニア、マサチューセッツ、オレゴン、ニューヨーク、ワシントンの各州で合わせて440トン近い医薬品が廃棄されたことが分かっています。

さらに、業界全体で医薬品の回収を進めるために、それ以外の団体とも連携しています。例えばmyoldmeds.com、medsdiposal.euなどのウェブサイトを見れば、患者さんは、未使用の医薬品を適切に廃棄できる最寄りの場所を見つけられます。

リスクへの理解を深める

医薬品有効成分の環境負荷を軽減するために、BMSは、医薬品成分がもたらす可能性があるリスクへの理解を深めるための研究も実施しています。2022年には、市販後の製品を監視するために医薬品環境安全性監視プログラムを開始し、学術文献の追跡調査により曝露とその影響に関する新たなデータを集めています。

また、欧州委員会と欧州医薬品業界が資金を提供する「Prioritisation and Risk Evaluation of Medicines in the Environment(環境中の医薬品の優先順位とリスク評価)」(PREMIER)プロジェクトの一員として、この分野の国際的な取り組みにも貢献しています。

PREMIERは2020年に発足した6年間のプロジェクトで、欧米の官民部門の25のパートナーが参加する分野横断的なコンソーシアムです。このコンソーシアムの最大の目標は、医薬品の環境リスクを特定しこれに対応するための新たな情報評価システムを設計することです。特に、現在使われている約2000種類の医薬品有効成分の多くがそうであるように、利用可能なデータが限られた成分については、こうしたシステムが求められています。BMSの環境毒性・製品スチュワードシップ担当ディレクターのTodd Davidsonは、次のように述べました。「私たちは、BMSの医薬品が環境に与え得る影響を特定し予測するためのツールを開発しています。これにより、医薬品が環境に与える影響を事前に管理し、環境負荷を最低限に抑える代替的な手段を検討できるでしょう」

PREMIERと共に、グローバルなアプローチで持続可能性を推進

PREMIERの主な目的は、以下の通りです。

  • 環境により優しい医薬品の設計・開発に向けてフィージビリティを調査する
  • リスクベースの枠組みを構築し、データがない既存医薬品の環境評価の優先順位を決定する
  • 優先順位決定の枠組みを検証するために、最大25の既存医薬品の環境データを作成する
  • 医薬品の物理化学特性、環境特性を集約した透明性あるエビデンスベースの公開データベースを設置する
  • 規制当局、水処理事業者などのステークホルダーが、患者さんによる医薬品の使用に伴うリスクを特定し管理する指針となる、情報評価システムを開発する

BMSは、環境中の医薬品濃度を予測するコンピュータを用いた新たなモデルの開発に重点を置いて、こうした活動に多面的に関与しています。

PREMIERは2022年に初めて、2本の論文を発表しました。1本は、『Environmental Science and Technology』誌に掲載された、魚類における生物蓄積の生理学的動態モデルに関する論文、もう1本は『Environmental Science and Technology Letters』誌に掲載された、持続可能な医薬品開発の基準案に関する論文です。前者は、環境リスク評価の効率性向上と動物実験の削減を目指すものであり、後者は、より環境に配慮した医薬品設計の実行可能性を評価するものです。

「患者さんと地球のためにより良い医薬品を作る上で、こうした研究は欠かせません」


環境毒性・製品スチュワードシップ担当ディレクターTodd Davidson

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