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プレスリリース

2020年 1月 24日
国立大学法人神戸大学
国立研究開発法人海洋研究開発機構
日本地球掘削科学コンソーシアム

鬼界カルデラでの「ちきゅう」掘削速報:過去2回の超巨大噴火を確認

神戸大学海洋底探査センターの巽好幸教授らの共同チームは、我が国で起きる災害の中でも最も危険度(=×ばつ発生確率)の高い自然災害の一つである超巨大噴火の噴火予測を目指して、鬼界海底カルデラでの探査研究を進めています。

今般、同共同チームの掘削提案が、国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 松永 是、以下「JAMSTEC」)と日本地球掘削科学コンソーシアム((注記)1)が共同で実施する「地球深部探査船「ちきゅう」((注記)2)を用いた表層科学掘削プログラム」((注記)3)に採択され、2020年1月8日から1月15日まで(出航1月5日)掘削航海が行われましたので、その結果を速報としてお知らせします。

今回の掘削では、鬼界海底カルデラ火山で起きた超巨大噴火の規模(噴出量)を正確に求めることを目的として、鬼界海底カルデラ周縁サイト(薩摩半島南方沖)において、砂礫状で崩れやすい火山性堆積物からなる硬い地層を、海底下約100mの深度まで水圧式ピストンコアリングで試料採取することに成功し、少なくとも2層の水中火砕流堆積物を確認しました。このことで、海洋底探査センターが実施してきたこれまでの反射法地震探査、火山噴出物の解析などの結果と合わせると、鬼界カルデラ火山で起きた7300年前と95000年前の超巨大噴火の噴出量を推定することが可能となります。

この成果は、巨大カルデラ火山における超巨大噴火の発生メカニズムを理解するうえで極めて重要なものです。

【参考URL】
地球深部探査船「ちきゅう」http://www.jamstec.go.jp/chikyu/j/
「ちきゅう」を用いた表層科学掘削プログラム(SCORE)http://www.j-desc.org/score/

【参考】

(注記)1 日本地球掘削科学コンソーシアム(Japan Drilling Earth Science Consortium : J-DESC) 地球掘削科学の推進や各組織・研究者の連携強化を目的として、国内の大学や研究機関が中心となって2003年に設立されたコンソーシアム。主な活動は、地球掘削科学に関する科学計画・研究基盤の検討、関係機関への提言、地球掘削科学に関する科学研究等の有機的な連携、研究人材育成、国際プロジェクトへの支援および協力、情報発信・普及啓発の実施等。

(注記)2 地球深部探査船「ちきゅう」
JAMSTECの所有する科学掘削船。海底下をより深く掘削するため、ライザー掘削技術を科学研究に初めて導入。巨大地震・津波の発生メカニズム、海底下生命圏、地球規模の環境変動の解明などに挑戦している。

[画像:地球深部探査船「ちきゅう」]

(注記)3 地球深部探査船「ちきゅう」を用いた表層科学掘削プログラム(Chikyu Shallow Core Program: SCORE)
JAMSTECとJ-DESCが共同で運営する科学掘削プログラム。元から予定された航海で「ちきゅう」が海域に出る機会の往復路などを有効活用し、短期間で実施できる海底表層の科学掘削(水圧式ピストンコアリング)を行う仕組み。J-DESCが会員を対象に掘削提案の募集及び審査を行い、その審査を経て推薦された提案の中からJAMSTECが実施可能なものを選定し掘削を実施する。

(研究内容及び研究成果について)
国立大学法人神戸大学 海洋底探査センター
センター長(教授) 巽 好幸
国立研究開発法人海洋研究開発機構 海域地震火山部門
火山・地球内部研究センター 地球内部物質循環研究グループ
主任研究員 羽生 毅
(地球深部探査船「ちきゅう」及びSCOREについて)
国立研究開発法人海洋研究開発機構
研究プラットフォーム運用開発部門 企画調整部総括グループ
(報道担当)
国立大学法人神戸大学 総務部広報課
国立研究開発法人海洋研究開発機構
海洋科学技術戦略部 広報課

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