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平成27年7月に正式運用を始めたひまわり8号では、最短2.5分毎の連続画像の雲の移動から高密度・高頻度・高精度な風向・風速が、晴天域からは海面水温が得られます。平成27年9月に発生した関東・東北豪雨の大雨の事例について、この風向・風速データを数値予報モデルによる再現実験(数値シミュレーション)の初期値の作成(データ同化)に用いると、大雨の位置や強度が精度よく再現できることが分かりました。
平成28年の台風第10号の事例においては、前述の高密度・高頻度・高精度な風向・風速に加えて、1次元混合層モデルにより大気と海洋を結合させ、ひまわり8号の海面水温観測データを同化することで、水平風分布の利用によって、台風の経路や降水分布も実況に近くなるとともに、海面水温の同化によって台風の発達の予測が改善されました。
これらの結果は、いずれもひまわり8号の高密度・高頻度・高精度な観測データが、数値シミュレーションを通じて台風や大雨に関する防災情報を改善する可能性を示す成果であり、将来的な顕著現象の予測精度の向上につながるものと期待されます。今後、より多くの事例にひまわり8号の観測データを適用し、より有効な手法の開発をしていきます。
詳細は気象研究所のサイトをご覧下さい。