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大阪大学大学院理学研究科の廣野哲朗准教授、清水建設技術研究所の津田健一博士、国立研究開発法人海洋研究開発機構高知コア研究所の谷川亘博士、カリフォルニア工科大学のJean-Paul Ampuero教授、建築研究所の芝崎文一郎博士、東京大学地震研究所の木下正高教授、京都大学防災研究所のJames J. Mori教授の研究グループは、統合国際深海掘削計画(IODP)における、地球深部探査船「ちきゅう」の研究航海で得られた断層掘削試料を用いて、断層の鉱物組成と各種物理特性(摩擦係数、透水率、熱重量変化など)を分析し、海溝付近の断層のすべり量を解析しました。
まず東日本大震災を引き起こした日本海溝のプレート境界断層の試料を分析・解析した結果、同震災で観測されたすべり量とほぼ同じ、約80mの巨大すべりが再現され、本解析手法の有効性を確認しました。その解析方法で南海トラフの断層試料を解析した結果、海溝付近のすべり量は約30-50m程度になる可能性が、世界で初めて明らかになりました。
これまで、断層試料の分析結果から、地震時に断層がどの程度滑るのかを定量的に予測することは不可能でしたが、今後、地球深部探査船でより深く掘削し、採取した断層試料を本手法で解析することで、将来の発生が危惧される南海トラフ地震時の深部固着域(地震の巣)の断層すべりの規模をより正確に評価できることが期待されます。
本研究成果は、英国Nature Publishing Groupの「Scientific Reports」に、日本時間6月20日(月)18時にオンライン公開されました。
詳細は大阪大学のサイトをご覧下さい。