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名古屋大学大学院生命農学研究科の太田岳史教授,小谷亜由美助教,(独)海洋研究開発機構の飯島慈裕主任研究員,ロシア・北方圏生物問題研究所のT.C. マキシモフ主任研究員らの国際グループは,ロシア・東シベリア・ヤクーツク近郊の広大に広がる北方林(カラマツ林)での1998年からの14年にわたる観測によって,2001〜2004年の少雨乾燥の年では、蒸発散量,光合成量は変わらなかったのに対し,2005〜2008年の非常に湿潤化した期間では、森林が枯死・衰退し,土壌水分量に対する蒸発散量や光合成量との関係がそれ以前と較べて減少していることを明らかにしました.また,降水量は2005年から増加し始めるのに対して,蒸発散量は2007年から,光合成量は2008年から減少し始め,森林の水や炭素循環変化が環境条件の変化より複数年遅れて現れることを,初めて発見しました.これらの研究成果は,気候変化による影響として森林の乾燥化による被害が注目されるなか,森林は湿潤化によっても被害を受けることが示され,北方林の成立・維持範囲の解明に迫るものとして注目されます.
この研究成果は,2014年5月15日発行の,英国の『Agricultural and Forest Meteorology』誌(電子版)に掲載されます.
詳細は名古屋大学のサイトをご覧下さい。