スズキ「中興の祖」鈴木修氏の功罪から考える、現社長・俊宏氏がやるべき"取捨選択"とは

ダイヤモンド編集部
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スズキの野望#4Photo:Bloomberg/gettyimages

スズキの「中興の祖」である鈴木修氏は、米ゼネラルモーターズ(GM)との提携やインドへの参入などの大胆な取捨選択で、数千億円だった売上高を2024年3月期には5兆円まで伸ばした。30年度までに同7兆円という野望の実現は、鈴木俊宏社長の経営判断に懸かっている。特集『スズキの野望』の#4では、修氏の功罪を振り返るとともに、俊宏氏の課題について迫る。(ダイヤモンド編集部 宮井貴之)

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トップダウンを貫いた鈴木修氏
最も成功したのはインド参入

「カネと時間がかかるものは大嫌い。会議はその最たるものだ」――。

鈴木修氏の著書『俺は、中小企業のおやじ』(日本経済新聞出版社)には、2021年の会長退任まで40年余りトップを続けたカリスマ経営者を象徴する経営哲学が書かれている。

修氏はトップダウンの姿勢を貫き、米ゼネラルモーターズ(GM)やトヨタ自動車との業務提携など数々の経営判断で、スズキを世界的な自動車メーカーに育て上げた。

最も成功したのはインド市場への参入だろう。1980年代初頭、各社が見向きもしない中、「国内で1番になるのが難しいなら海外でやってみよう」と、インド進出を決断。スズキが得意とする小型車を造る技術と、見えよりも実利を優先するインドの国民性が合致し、スズキの屋台骨となる事業にまで成長させることができた。

修氏の功績として、インド事業ばかり目立つが、全ての事業が成功したわけではない。次ページでは、鈴木修氏の功績を振り返るとともに、俊宏社長が次なる成長を実現するために取り組むべき"取捨選択"を明らかにする。

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