FRBとECBの利上げ加速で長期金利急騰、世界の政府債務は「発散局面」へ

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FRBパウエル議長Photo:Federal Reserve

FRB、9月も連続利上げ
長期金利も世界的に急騰

世界的なインフレの高進で、多くの国で政策金利が引き上げられている。

米国では、連邦準備制度理事会(FRB)が9月20、21日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、3回連続で0.75%の利上げを決め、政策金利(上限)を3.25%とした。

わずか半年間で3%引き上げられたことになる。これほど速いスピードでの金利上昇は、激しい引き締め政策を断行したボルカー議長時代の1981年以来約40年ぶりだ。

欧州でも急ピッチの利上げが進んでおり、8月に英国のイングランド銀行が27年ぶりとなる0.5%の利上げを、9月には欧州中央銀行(ECB)が史上初となる0.75%の利上げをそれぞれ決めた。

急ピッチな利上げで長期金利も急騰し、米国の国債金利(10年物)が19日には一時、3.5%を超えた。2011年4月以来、約11年5カ月ぶりの高水準となり、年初までマイナス圏に沈んでいたドイツの国債金利もプラス圏へ浮上し、9月には1%台後半に達している。

懸念されるのは、コロナ禍の大規模財政出動などで大きく膨らんだ財政赤字への影響だ。世界の政府債務は発散局面に入り、財政ガバナンスの重要性が一段と高まる。

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