がんサバイバーのカルビー常務が「社員のがん対策は経営戦略」と断言する理由
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自らもがん治療を経験し、プライベートで長くがんと就労の両立相談を手掛けてきたカルビーの武田雅子常務。特集『部下と自分のために! 最新版 部長と課長のがん対策』(全6回)の#5では、サバイブ当事者が語る「企業のがん支援」の在り方と、他社の経営陣の参考になるカルビーのがん対策を紹介する。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
「当事者」ならではの視点が満載された
カルビーのがん支援制度の全貌とは
「がんと診断されて、不安や心配でいっぱいなことと思います。治療のことだけでも不安があるのに、仕事のこと、職場復帰、考えないといけないことがたくさん。併せてがんは、一人ひとりの違いが多様で、個別性が高く、他人の例が参考にならないことが多い病気です。」
これは、2021年10月にカルビーが社内向けに作成した「もしもがんになったら」というガイドブックの冒頭の一文だ。まずがんと診断された後に取るべき行動のフローチャート、行うべき情報収集のやり方、利用できる社内の支援制度やコミュニティーの情報などが微に入り細に入り記されている。
「つい見てしまいがちな、同病の患者のブログやSNS投稿は情報収集には役立ちません」
「『戻って来たら、なんとなくみんなが遠巻きなイメージ。仕事も減らされていたり、変に気を遣われていたりで、つらい。』これは復職直後によく聞く声です。よく起きることなのですが、そんな時は自分がどう感じているかを、周囲へ伝えていきましょう」
通り一遍のガイドブックとはひと味違う、がんに罹患した社員が経験する迷いや、突き当たりがちな悩みが25ページの中に満遍なく網羅されている。
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作成に当たったのは、人事担当の武田雅子常務。自身もがんの治療を過去に経験したがんサバイバーであり、プライベートでがん治療と就労の両立支援や相談に15年間関わってきた、いわばがんと就労問題のエキスパートだ。
ガイドブック作成と同時期に、本格的にスタートしたカルビーのがん支援体制。そこに込めた狙いと意図、そして他社にも大いに参考になる「がん支援体制の導入の仕方」について次ページから見ていこう。
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