アフガン、ミャンマー...地政学リスク増大下の投資戦略
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歴史的に米国の政策次第で
地政学リスクは大きく変化
今年に入って、ミャンマーの軍事クーデター、イスラエルとハマスの衝突、アフガニスタン内戦と、世界的に地政学リスクが高まっている。そこで、(1)そもそも地政学とは何なのか、(2)なぜ地政学リスクが高まりつつあるのか、を踏まえて、世界の株式相場に対する影響を分析したい。
地政学の代表的な理論は、20世紀初頭のハルフォード・マッキンダー(英国)によるハートランド理論である。マッキンダーは、ユーラシア大陸中央部(旧モンゴル帝国や旧ソ連)をハートランドと呼んだ。とりわけ、ハートランドに接する東欧を「世界の火薬庫」として重視した。その予言通り、第1次世界大戦はサラエボ事件、第2次世界大戦はドイツとソ連によるポーランド侵攻で始まった。戦後も、鉄のカーテン、ベルリン封鎖、ベルリンの壁崩壊、ユーゴスラビア内戦など紛争が続いてきた。
その後、ニコラス・スパイクマン(米国)がリムランド理論を提唱した。ハートランドは広大であるが、その大部分はシベリアやゴビ砂漠であり、人口が少ない。そこで、欧州、インド、中国、日本などその周辺地域をリムランドと呼び、「世界の歴史は温暖で人口が多いリムランドで生まれる」と主張した。
ハートランドとリムランドが接触する地域を「クラッシュ・ゾーン」と呼ぶ。戦後、多くの戦争はクラッシュ・ゾーンで発生した(図表1)。そして、現在、戦乱が起きているミャンマー、イスラエル、アフガニスタンはいずれもハートランドとリムランドの接点にある。これらは、多くの文明、宗教、人種が交差し、それらの利害が衝突する地域である。
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歴史的に、米国の政策次第で世界の地政学リスクは大きく変化した。では今年に入って、地政学リスクが高まっている背景には何があるのか。
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