見えてきた国際金融都市・香港の「中国化シナリオ」

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写真:香港,国際金融センターPhoto:PIXTA

脚光浴びる「粤港澳大湾区」構想
中国市場に特化した発展に筋道

5日に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代)では香港選挙制度の見直しが議論され、香港統治における中国の影響力はますます強まる方向にある。

国家安全維持法(国安法)施行以来、中国の介入強化でビジネス環境が悪化するとの懸念から香港の国際金融センターとしての地位を危ぶむ声は多いが、懸念は一層高まる。

注目されるのは、米国による一連の金融制裁が実施されるなか、香港政府は中国との一段の経済関係強化により難局を打開しようと動いていることだ。

その中心にあるのが、中国広東省と一体化する「粤港澳大湾区(グレーター・ベイエリア)」構想だ。

今後、香港は中国のための国際金融センターという位置付けが強くなり、「一帯一路」沿線国との人民元貿易決済などの担い手になる形で発展を目指すことも十分想定される。

それは、自由貿易港兼金融都市といった独自の機能により多くの国に恩恵を与えてきた香港国際金融センターの本質を大きく変えるものになる。

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