コロナの感染源と疑われても紙幣の完全廃止ができない理由

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コロナの感染源と疑われても紙幣の完全廃止ができない理由新型コロナウイルスが付着しているかもしれない紙幣を消毒する作業が、中国の銀行では行われている Photo:Barcroft Media/gettyimages

米ワシントン州シアトルの「ディックス・ドライブイン」は、創業1954年の老舗ハンバーガーチェーン店だ。年に1度、創業時の価格19セントでハンバーガーを販売することでも知られている。

知名度が高いこのハンバーガー店が、3月上旬から顧客にカードでの支払いを要請し始めたことは地元で話題になった。経費削減のためのキャッシュレス化推進ではなく、紙幣に新型コロナウイルスが付着していることを警戒したためだ。顧客は現金で支払うこともできるが、その際は店員が衛生上の特別対応を取るため、時間がかかると同店はSNSで伝えている。

紙幣からコロナに感染するかどうかは、はっきりとは分かっていない。表面に付いたウイルスは9日間生きているという説がある。とはいえ、ドアノブや手すりなどを触るのとリスクは同じなので、お札を触った後に手洗いをすれば問題ない、と言う専門家もいる。

しかしながら米CNNテレビ(2月17日)は、2月15日に中国当局が紙幣の消毒の強化を発表したと報じた。紫外線を当てて高温で減菌かつ14日間隔離するという。また、中国紙「環球時報」によると、中国人民銀行の広州支店は2月15日から、病院や市場、バスから回収した紙幣は廃棄処分とし、銀行には現金を顧客に渡す前に減菌するよう指導しているという。

韓国の中央銀行は、還流してきた紙幣を150度の熱に数秒通し、42度の温度で梱包。3月6日からはその紙幣を2週間隔離した後に市中に戻しているという。米連邦準備制度理事会(FRB)も2月21日以降、アジアから戻ってきたドル紙幣は7〜10日間隔離した後に米国内の金融機関に渡している(英ロイター通信、3月6日)。

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