「問題のある組織」を「強い組織」に変貌させる方法、3つの事例で学ぶ
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「リーダーの悩みの9割は人」と言っていいほど、人材育成やマネジメントに悩んでいる人は実に多い。
そこで本連載ではこれまで、組織の本質的な課題をクリアにし、どのようにリーダーを育て、組織強化を図っていくかを考えてきた。「MSマトリクス」という独自のツールも、組織における人材育成などの課題を整理するのに大いに役立つものだと思う。
この連載の最終回では、「MSマトリクス」を活用して組織強化に取り組む企業の3つの事例を紹介する。それぞれの具体的な事例から、連載で伝えてきた手法をどのように組織に取り入れていけばよいかをイメージしてみてほしい。
【A社の事例】
定例集会で、全社員の
「マインドセット」向上を確認
A社では、創業当初は事業の拡大が優先であり、「マインドセット(当事者意識・覚悟・オーナーシップ・全体最適・ミッションフィット・バリュー体現)」に対する認識も甘かったため、「スキル」重視の人事を行っていた。しかし、自分の「スキル」を優先し、全体最適で動かない社員が増えてくることで組織に軋轢が生じるようになった。
そこで、人事の方針を個々の社員の「マインドセット」も重視する方向に変更。現在は、毎月末に全社員の参加する「月締め会」で、全社の「マインドセット」の確認と向上を図っている(大きな会社で社員数が多い場合は、事業部や部門での「月締め会」に置き換えて考えてほしい)。
A社の「月締め会」実施内容
■しかく社長メッセージ、各事業部の戦略・進捗、アワード発表
■しかく各自「MSマトリクス」で自分の現在地を確認、半年後の目標設定を更新
■しかく模造紙ワークで全体の「MSマトリクス」をアップデート
■しかく「MSマトリクス」のM100ゾーンに自分を置けた人にインタビュー
■しかく「MSマトリクス」模造紙を全社員が見やすい場所に掲示
(「マインドセット」「MSマトリクス」の詳しい内容に関しては連載第1回、第2回、第3回を参照)
A社が「月締め会」で「MSマトリクス」ワークを取り入れてから、すでに1年が経つ。毎月作成される「MSマトリクス」には、次の図のように社員の分布が全体として右上にシフトする動きが見られた。これまで漠然としかつかめていなかった課題が、「MSマトリクス」を利用することで誰の目にもわかるようになり、全体の共通認識になったことは大きいと思う。
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