スペイン総選挙で台頭、極右政党VOXの立候補者が語る「意外な実像」
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景気の停滞や移民の受け入れに加え、カタルーニャ独立問題などでも国民の間で賛否が分かれているスペイン。先月28日に実施された総選挙では、与党の社会労働党が議席を大幅に増やし、中道右派の国民党は前回の選挙から69議席を減らして大敗を喫する結果となった。そんな中で、「スペイン人らしさを失わないこと」を政策の中心に据えた新興政党「VOX」が、ソーシャルメディアを多用した選挙戦術によって注目を浴び、下院で24議席を獲得する大躍進を見せた。VOXに関しては、党の主張や掲げる政策などに対し、「極右政党」と警鐘を鳴らすメディアも少なくない。VOXとはどのような政党なのか?(ジャーナリスト仲野博文)
総選挙という賭けに
勝利した社会労働党
約75パーセントという、非常に高い投票率を記録した先月28日のスペイン総選挙。前回の選挙から69議席を減らした国民党の自滅という見方もできるが、38議席増という結果を残した社会労働党が11年ぶりに第一党となり、有権者の支持がさらに拡大していることを明確にした。
総選挙における国民党の自滅は、昨年からすでに始まっていた。2011年から政権与党の座にあった国民党だが、大規模な汚職スキャンダルが発覚。2018年6月1日に当時のラホイ政権に対する内閣不信任案の採決が行われ、賛成多数で可決されると、最大野党であった社会労働党のサンチェス書記長が首相に就任した。
少数与党政権として誕生したものの、議会下院における社会労働党の議席数は84で、2019年度の予算案が議会を通過しない事態に直面したサンチェス首相は2月、上下両院の解散を発表。4月に総選挙が実施されることが決まった。
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