15年ほど前だった。都内の、とあるお店の隅っこで、わたしは一人の友人と出会った。 彼女はわたしと同じ高校生で、なのにすべてがわたしとは違っていた。髪がふわふわ長くて、アイロンでしっかり手入れされていた。胸が大きくて、垂れ目が愛くるしくて、素敵なガールフレンドがいた。 その日、彼女は、わたしに彼女のガールフレンドを紹介した。 彼女さんはショートカットで、背が高くて男前で、滅多に笑わない年上の人だった。たしか専門学校生だったように思う。やっぱりボーイッシュな人がモテるのかなぁ。女っぽくも男っぽくもなりきれない自分が恨めしかった。そして、彼女たちの関係が眩しかった。 「はるちんも、かわいいからすぐに彼女できるよー」 当時LGBTという言葉は、ほとんどないに等しい状態だった。私たちが出会ったお店は、女性同士が出会うことを目的として開かれた場所だった。地下の、薄暗く、高校生にも酒類を提供することを厭