国際児童文学館では、女優の竹下景子さんをお迎えして、朗読とトーク「竹下景子さんと子どもの本を楽しむ 『本は一生の友だち』」を開催しました。
このイベントには、定員100名のところ、800名を超えるご応募をいただきました。
多数のご応募、誠にありがとうございました。
当日は、竹下さんに宮沢賢治の作品「よだかの星」「セロ弾きのゴーシュ」を朗読いただき、朗読にあわせて大阪センチュリー交響楽団による弦楽四重奏もお楽しみいただきました。
後半は、竹下さんのトークで、朗読をはじめられたきっかけや朗読に寄せる思い、自らの子ども時代のことから子育てと子どもの本に至るまで、貴重なお話をたっぷりとうかがうことができました。
以下、イベントの模様を少しご紹介いたします。
♪オープニング
大阪センチュリー交響楽団による、
弦楽四重奏で開演
・モーツアルト"春"第1楽章
・シューベルト"アヴェ・マリア"
●くろまる朗読 「よだかの星」
♪賢治"星めぐりの歌"
●くろまる朗読「セロ弾きのゴーシュ」
♪賢治"月夜のでんしんばしら"
シューマン"トロイメライ"
●くろまるトーク「子どもの本とわたし」
お子さんと楽しんだ思い出の絵本『いないいないばあ』を示しながら、子どもの本について語る竹下景子さん
Q.児童文学館をはじめてご覧になっていかがですか?
竹下さん:
今日、児童文学館の書庫に入り、蔵書のごく一部を拝見したわけですけれども、本体だけではなくて、帯なども含めて出版当時のままで保存されていることが、図書館にはないここだけの持っているいいところ、機能の一つということが、私にとっては目から鱗でした。子どもに関する本と言うことがひとつの大きな括りですけれども、それだけに留まらない、江戸末期に出ていた「於とぎばなし」から今の雑誌に至るまで本が網羅されていて、タイムスリップしたような感じでした。
子どもの頃に読んだ『キンダーブック』を
懐かしく手に取る竹下さん
子どもの本というのは、絵本も含めてまだまだ日本では価値が見出されたのは最近で、歴史が浅いと言うことをちひろ美術館でうかがったのですが、児童文学というものの価値は、これからむしろ分析されて、もっと大切さが知られていくべき分野だろうなと思います。そのときに、ここにある70万冊に及ぶ蔵書の価値というものが、ますます大事に、日本のというよりは、世界に向けての価値のあるものだと思います。
子どもがすくすく育っていくために、わたしたち大人は出来る限りの努力は惜しまないでおきたいと思うし、その大人が子どもらしくいられる場所というのもまた少ないわけですから、ぜひこの場所をみんなで大事にして、愛して、もっとたくさんの人たちが、この居心地のよさというか、ここにきて幸せな時間を過ごせるようになってほしいなと思います。
ぜひ、一緒にがんばりましょうね。
イベント後、大阪国際児童文学館を育てる会(主催者)の
畠山兆子・常任委員長より花束を受け取る竹下景子さん