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一時期日本を騒がせた過激環境保護団体のシーシェパードであるが、最近はその名を聞くこともなくなった。しかし世界のどこかで、いまでも過激な活動をしていることだろう。
何故過激になっていくのかといえば、そのほうが注目されるからである。特に稼ぎのいいセレブたちは、税金対策+意識高いアピールにもつながると考えて、このての団体に資金提供してしまうのだろう。
だが、日本側もやられっぱなしというわけでもなく、各国にこれらエコテロリストの活動を規制するよう働きかけていて、シーシェパードの船籍が剥奪されたりもしている。 攻撃の対象になっている国も勿論日本だけではなく、シーシェパード代表のポール・ワトソンの母国カナダやポルトガル、アイスランド、日本と同じく捕鯨活動をつづけているノルウェーなどもこの団体に手を焼いているのである。だが、やはり日本を標的にする効果は絶大らしく、寄付金額が3倍にまでなったようである(p206)。
この人物が環境保護活動に目覚めたのは、子どものころに見たアザラシ猟が原因のようだ。アザラシが撲殺される姿がトラウマになったのだろう。
過激でドラマチックな演出は、アニマルプラネットのTVプログラムでも視聴者を喜ばせるのだろう。それによってさらに行動に拍車がかかり資金も集まるようになるということである。
勿論、かねの為だけに活動しているわけではない。かねの為だけなら手懐けるのは寧ろ簡単だろうが、この者たちは、宗教的使命感に近い動機で活動しているのである。"自然の権利""動物の権利"を守る使徒を自認しているのだ(そこまで云いながら、なかにはVeganではない半端者もいる)。
目的が崇高であるゆえに手段は正当化されるのだ。どんな手を使っても良心の呵責はないのである。つまり、活動を止める可能性が低いということで、イタチごっこ状態が今後も続くと思われるが、問題は、環境保護/動物保護という思想そのものが過激化している傾向である。
この動きは、医療研究としての動物実験や、新薬開発などへの暴力的妨害行為まで発生させているのである。
過激な環境保護団体としてのシーシェパードの内幕はよく分かったのだが、できれば日本側の調査捕鯨の正当性をもっと記してほしかった。
たとえば、年間何千頭という鯨を捕獲しているようだが、調査捕鯨として、それだけの数を捕らざるを得ない理由があるのか、また、調査捕鯨と商業捕鯨の線引きはそもそもどこにあるのかなどである。そこを明確にしてくれると、シーシェパードらの過激な抗議活動の不当さが際立つのではないかと思うのである。
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