中央情報管理局ならびにプロジェクト運営事務局(CICAPOCO)による通達
SPC-489-JPは、世界各地の海洋・河川にて稼動中のプロジェクトです。センター81A8で培養されたShark Crusherを鮫科存在の生息海域に放流し、生態系に介入する形で鮫科存在を殴打して下さい。
SPC-489-JPの構成要素であるShark Crusher
プロジェクト番号: SPC-489-JP
鮫科殴打ケイパビリティ: SPC-489-JPは水棲の鮫科存在への殴打において有効な手段と期待されています。SPC-489-JPを世界中の海洋で実施し、鮫科存在へ生物圏の破壊を目標にプロジェクトを遂行してください。
プロジェクト構成: SPC-489-JPはセンターと日本生類創研の共同研究によって生産された合成フグ(Shark Crusher)を構成要素として含みます。Shark Crusherは鮫科存在を索敵し、発見した鮫科存在に対し突進攻撃を行う習性を持ちます。Shark Crusherは攻撃の際、自身を硬化させ、瞬発的に急加速する事で鮫科存在に致命的なダメージを与えます。また、Shark Crusherは撲殺した鮫科存在を捕食しないため、鮫科存在への殴打のみを目的とするセンターのポリシーに抵触しません。
Shark Crusherは、自然界での生存力を高める目的で様々な種との合成が行われており、前述した鮫科存在への攻撃性や、フグが元来より持つ毒性以外にも様々な生存戦略的特性を持ちます。合成された生物 | 結果 |
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アベニーパファー (Carinotetraodon travancoricus) | 淡水での活動が可能になった。 |
シュモクザメ(Sphyrnidae) | 単為生殖が可能になった。 |
シャチ(Orcinus orca) | シャチの鳴き真似が可能になった。 |
Shark Crusherを海洋に放流する行為は、オオメジロザメ(Carcharhinus leucas)のような淡水鮫科存在にも効果的な殴打が可能な他、恵まれた生殖方法と天敵を遠ざける特殊能力によって高速で増殖し、確実に水棲鮫科存在の生物圏を破壊します。
SCP財団の乗っていた船に刻まれていたマーク
事案1: 太平洋東部にてShark Crusherを狙って乱獲する団体が確認されました、センター職員により注意勧告が為されましたが団体は放水にて抵抗を開始、団体の構成員の拿捕に失敗しました。センター理事会は件の団体を要注意団体に指定しました。この要注意団体の名称を、乱獲されたShark Crusherの実験当時のコードネーム「Shark Crash Puffer fish」の頭文字「SCP」と、件の要注意団体が財団法人を自称している事から取り「SCP財団」と呼称します。
事案2: Shark Crusherが増殖した事で、民間人の間でもShark Crusherの認知が進んでいます。Shark Crusherの存在は学会にも報告され、世界中の海洋学者から広い関心を集めました。しかしShark Crusherの調査や議論が行われる事はなく、発見そのものが抹消されました。この不自然な動きの背景にはSCP財団の関与が確認されており、SCP財団の影響力は我々の想像を大きく上回る可能性があります。
事案3: Shark Crusherの存在が民間人から完全に忘却されていることが解りました、この異常事態にもSCP財団の関与が疑われています。また、世界各地でShark Crusherを乱獲するSCP財団が確認されています。これらの事からセンター理事会は緊急事態宣言を発令、センターに対し敵対的かつ絶大な影響力を持つことが予想されるSCP財団を殴打対象として追加すべきか否か、の議論が行われる予定です。
追記: SCP財団を殴打対象として追加する議論は棄却されました。
いかなる人物・団体であっても、我々は鮫科存在以外を殴打すべきではない、我々はSPCである以前に紳士であるべきだ。 - スピルバーグ博士