酷い人間には相応の報いを受けてもらいたい。それを望むのはそんなに悪いこと?
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クラシック・コン2025 出場作品
SCP-7653 - 断罪の力 by stellyfins stellyfins
アチーブメント: 反響
タイトル: SCP-7653 - 断罪の力
翻訳責任者: C-Dives C-Dives
翻訳年: 2025
著作権者: stellyfins stellyfins
原題: SCP-7653 - A Force of Judgement
作成年: 2025
初訳時参照リビジョン: 10
元記事リンク: ソース
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デイジー・メリルが撮影したSCP-7653実例。
アイテム番号: SCP-7653
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 全てのSCP-7653実例は廃棄され、リサイクルされます。7653-ACCUSED個体の疑いがある人物は、JUDGEMENT事象の発生まで監視されます。その後、目撃者と生き残ったACCUSED個体には記憶処理を施し、永続的な影響を説明付けられる適切なカバーストーリーを流布します。
説明: SCP-7653はアルミニウムと艶消しエナメル塗料で構成された高さ1mのヒト型の像の総称です。各実例の異常性は重大な損傷を受けると消失しますが、SCP-7653は無制限の自己複製能力を示しています。
7653-ACCUSEDは、SCP-7653の標的の総称であり、典型的には犯罪や有害な不正行為の加害者です。ある人物がACCUSEDとして選択されると、1体のSCP-7653実例がACCUSEDの50m以内に出現し、ACCUSEDと物理的に接触するまで、無作為な間隔の瞬間移動で徐々に接近します。
JUDGEMENT事象は、ACCUSEDによる犯罪の結果がACCUSED自身に課せられる現象です。与えられる損害は必ずしも実際の状況を直接再現するわけではなく、むしろ被害者が負った永続的なトラウマを付与するものです。JUDGEMENT事象は瞬時に発生し、その後SCP-7653は消失します。SCP-7653の自己複製能力のため、新しい実例を破壊してもJUDGEMENT事象を阻止・遅延させることはできません。
補遺7653.01: 7653-ACCUSED個体
7653-ACCUSED インタビューログ
質問者: デイジー・メリル、倫理委員会連絡員
回答者: ACCUSED-56、アレクサ・ターナー。対象は同じ大学に通うローレン・ゴッズビーに対して、口頭での標的型ハラスメントやストーキング行為を行っていた。
<記録開始>
メリル: 最初にあれを目撃した時のことを思い出せますか?
ターナー: うん。例のローレンについての書き込みしてから少し後。階段の陰で一人っきりでお昼食べてるのを見かけたけどさ、すごく... 傷ついてるみたいだった。それから食堂に戻ったんだけど、その時、窓の向こうに、あれが駐車場のど真ん中に突っ立ってるのが見えたんだ。それがなんか... めっちゃゾッとしたんだよね。あたしにはなんであれがそこにあるか分かんなかったけど、あれには間違いなく分かってた。
メリル: "分かっていた"とは? あなたが犯した犯罪のことですか?
ターナー: その時は犯罪だなんて知らなかったんだよ。ローレンはちょっと謙虚になるぐらいがちょうどいい、みんなが思ってるほど完璧じゃないってのを見せつけてやろうって思ってた。でも、この前のことがあってから...
メリルは自分のこめかみを摘まみ、深呼吸する。
メリル: 成程、では何が起こったかを説明していただけますか?
ターナー: ローレンが中退したって聞いた。超サイテーな気分になったけど、友達に事情を知られたら延々と罵られるだろうって分かってたから、なるべく表に出さないようにしてた。そしたらあれが食堂に現れたんだ、テーブルに座ってたあたしのすぐ横にだよ。友達だけじゃない、部屋中の全員がいきなりあたしの方を見て... みんな知ってた。今はもう誰もが真相を知ってて、あたしを放っておかない、一人きりにしてくれないの。
ターナーの声が次第に小さくなり、やがて泣き始める。
メリル: 後悔していますか?
ターナー: え、えっ?
メリル: 自分の行いを後悔していますか、ターナーさん? ローレン・ゴッズビーはこんな目に遭うべきではなかった、これは自分への罰なのだと理解していますか?
ターナー: 当たり前じゃん! な、なんであんたたちなら助けてくれるかもなんて思ったんだろ。もう終わりにしてよ、悪かったって思ってるから。フ、ファック、ごめんなさい、本当に、本当にごめんなさい、ローレン...
<記録終了>
注記: デイジー・メリルは上記インタビュー中の言動に関して懲戒処分を受けている。ACCUSED-56は記憶処理を施されるまで慰めようのない状態のままだった。▇▇▇▇大学におけるACCUSED-56の在学記録は削除され、全ての教職員と生徒に記憶処理が施された。
補遺7653.02: 7653-ACCUSED財団職員
2016年09月08日、デイジー・メリルはサイト-177への通勤中にSCP-7653実例を目撃したと報告しました。メリルはいかなる有害な不法行為も犯していないと主張し、自らが7653-ACCUSED個体となったことに多大な苦悩を示しました。これ以降、彼女はサイト内で生活しており、保安職員3名の交代制チームによる監視・警備下に置かれています。
事件7653.01 ログ
日付: 2016年09月13日
注記: 20:35:29、1体のSCP-7653実例が、サイト内の臨時宿舎にいたデイジー・メリルから2m離れた地点に出現した。
<記録開始>
デイジー・メリルはベッドサイドテーブルで夕食を食べている。彼女は左側に視線を映し、横にSCP-7653が立っているのを見て驚きの叫び声をあげる。
メリル: ああ、そんな... ダメ、まだダメ、お願い - !
メリルは苦しげに呼吸し始め、ドアに走り寄るが、自動ロックされていることに気付く。
メリル: ファック - 私を見殺しにするつもり?
彼女は苛立った様子でドアを蹴り、SCP-7653を振り返る。
メリル: 私は犯罪者なんかじゃない、それは分かってるんでしょう? 私は倫理委員会の連絡員なの、人を助けているの。私たちは善良なのよ。状況が手に負えなかったから、私たちはターナーや他の被影響者を解放せざるを得なかった。彼らにはあなたが与える罰が必要だった。それがあなたの望みなんでしょう?
SCP-7653はメリルから約1m離れた場所に瞬間移動する。彼女は恐怖に喘ぐ。
メリル: 誰もがあなたやあなたの行いを恐れているけど、実際のところ、あなたは正義の力だわ。そ、尊敬してる。お願い、私は誓って善人よ、あなたと何も変わらない! 酷い人間には相応の報いを受けてもらいたい。それを望むのはそんなに悪いこと?
SCP-7653はメリルの真正面に瞬間移動する。彼女はドアに背中を押し付ける。
メリル: ねえ - どうして私なの? このサイトを運営してるゲスどもと比べたら、私はまさしく聖人なのに! 7653、お願い、あなたはそこまで愚かじゃないでしょう!
SCP-7653はメリルと接触する。彼女は即座にベッドの上に瞬間移動し、胎児のような姿勢に体を丸めて泣き叫ぶ。メリルは疲労で意識を喪失するまで、「みんな知ってる」、「こうなって当然」などの自責の念を帯びた言葉を繰り返し続ける。
<記録終了>
注記: デイジー・メリルは依然として回復しておらず、サイト-177のクラスE病棟に収容されている。また、彼女はサイト-177倫理委員会連絡員の役職から降格となった。
2016年09月19日以降、他78名のサイト-177職員が7653-ACCUSED個体となり、うち55%のJUDGEMENT事象が対象者の終了に帰結した。サイト-177とのあらゆる通信は現在禁止されており、SCP-7653は収容状態と見做されている。救出と復旧は実行不可能と判断された。
本ページを引用する際の表記:
「SCP-7653」著作権者: stellyfins, C-Dives 出典: SCP財団Wiki http://scp-jp.wikidot.com/scp-7653 ライセンス: CC BY-SA 3.0
このコンポーネントの使用方法については、ライセンスボックス を参照してください。ライセンスについては、ライセンスガイド を参照してください。
ファイルページ: SCP-7653
ファイル名: judiththejudge.jpg
タイトル: Statue on platform
著作権者: Dominic Simpson
ソース: https://www.flickr.com/photos/68537341@N00/3860295754
ライセンス: CC BY 2.0
公開年: August 26, 2009