SCP-7563
評価: +8

クレジット

タイトル: SCP-7563 - 仕事が私を喰らい尽くす
翻訳責任者: C-Dives C-Dives
翻訳年: 2025
著作権者: DrEverettMann DrEverettMann
原題: SCP-7563 - My Work Consumes Me
作成年: 2025
初訳時参照リビジョン: 5
元記事リンク: ソース

評価: +8

アイテム番号: SCP-7563

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-7563を内包するオフィスビルは、財団フロント企業 "シェフィールド・コーポレート・プロパティ" によって買収され、秘密裏に前哨基地84として運用されています。エレベーターは決してSCP-7563で開かないように再設定され、階段ドアはレベル3アクセス権限がある場合のみ開くように保護されています。

実験時プロトコル適用外の状況では、常に3人以上でSCP-7563に入場するものとします。

説明: SCP-7563はアメリカ合衆国 ニューヨーク州 ニューヨーク市 [編集済] に位置するオフィスビルの13階を占めるオフィス空間です。SCP-7563は催眠効果と変容効果をもたらします。

家具、機器、備品はいずれも正常な外見と機能を有しますが、解剖の結果、無機質の殻の下はヒトの肉で構成されていることが判明しています。特にカーペットには刺激に反応して胃液を分泌する消化組織と腺があります。

このオフィスには、成人のヒトと外見上同一であるものの、休息・食事・水分を必要としないヒト型実体群 (SCP-7563-A) が常駐しています。解剖の結果、これらの実体の薄い皮膚の下はプラスチックとセルロースで構成されていることが判明しています。血管系はコーヒーと区別がつかない暗褐色の液体を輸送しています。

SCP-7563-Aは通常12体存在します。12体を下回ると (解剖のために1体が除去された場合など) 、新たな個体が休憩室に出現します。

SCP-7563-A個体群は厳格な社会構造的序列を有しており、ある一個体 (事務長と呼称される) が他の個体を統括している一方で、別な一個体 (グレッグと呼称される) は顕著に劣悪な待遇を受けています。どの個体が事務長で、どの個体がグレッグかは、時間の経過とともに変化します。その時点でどちらの役でもない個体は、お互いに無意味な社交辞令を交わします。

SCP-7563に入場した人物は、SCP-7563-A個体群から"新入臨時職員"として歓迎されます。"チームへようこそ!"や"我々は家族のようなものだ"等のフレーズがよく用いられます。SCP-7563-A個体群は対象者の迅速な昇進と無期雇用を約束します。

この待遇は対象者への催眠効果を及ぼします。SCP-7563-Aについて事前警告を受けていない対象者の約90%は、小個室への案内に応じ、SCP-7563-A個体群が割り振る課題に取り組み始めます。SCP-7563の異常性を知らされている対象者が強制効果に曝露する可能性は僅か20%です。対象者が1人以上である場合、効果は大きく減衰します。事前警告を受けた3人以上のグループが効果に屈することはありません。

いったん与えられた課題に取り組み始めると、対象者は身体的な不快症状を無視し、遂行不可能になるまで作業を継続します。SCP-7563-A個体群は課題を設定し続け、無期雇用と昇進の申し出を繰り返します。

労働効率が低迷し始めた対象者は、作業に復帰するまで、SCP-7563-A個体群から"チームプレイヤーではない"、"他の社員を失望させている"などの叱責を受けます。

対象者が完全に疲労し、労働不可能になると、SCP-7563-A個体群は対象者の解雇を通告します。これがSCP-7563のカーペットの消化能力を活性化させます。数分間かけて、対象者の身体は完全に溶解し、吸収されます。1時間以内に、被害者の身体部位から作られたと思われる、新しい事務用品がオフィス内のクローゼット、キャビネット、引き出しなどに出現します。詳細は対象者ログ7563を参照してください。

対象者ログ7563 抜粋
D-7563-1 対象者はスプレッドシートに一連の無作為な数列を入力するように指示された。3日後、対象者は眠りに落ち、吸収された。ホッチキス針の箱がオフィス各所に出現した。回収・検査したところ、ホッチキス針は骨の上に数ナノメートルの鋼の層を被せて作られていた。骨のDNAはD-7563-1と一致した。
D-7563-5 対象者は1983年版ブリタニカ百科事典の第9巻 (湿度〜コートジボワール) から全ページをコピーし、ファイリングするように指示された。対象者は1日後に眠りに落ちた。新しいオフィス椅子が休憩室近くのクローゼットから取り出された。回収したところ、表層は一般的な牛革だったが、その下にはヒトの脂肪組織と筋肉があり、D-7563-5のDNAと一致した。
D-7563-9 対象者に与えられた課題は、全10000ページに及ぶワードプロセッサ文書の各ページのフォントサイズのリセットだった。設定されたフォントサイズは0〜9で、円周率の桁順に並べられていた。対象者は疲労に屈する前にSCP-7563から連れ出された。対象者はオフィス、コンピュータ、グレッグに言及される度にパニック発作を起こした。
D-7563-15 対象者はオフィス内の全ての既決書類箱から白紙の書類を回収し、未決書類箱に入れ直すように指示された。作業が完了すると、SCP-7563-A個体群は書類を既決書類箱に戻し、課題を再開させた。2日後、対象者は倒れ込み、それ以上歩くことができなくなった。対象者の身体は消化、吸収された。その後間もなく、オフィス各所の既決書類箱が新しい業務連絡票で満たされた。これらの連絡票が回収される前に、D-7563-16 (D-7563-15と同時に入場していた) が、SCP-7563-Aから連絡票をシュレッダーにかけるように指示された。しかしながら、シュレッダーは直後に紙詰まりを起こした。回収したところ、シュレッダーには血塗れの紙パルプが詰まっていたことが判明した。血液のDNAはD-7563-15と一致した。連絡票は事務長宛てとなっており、いずれも叫んでいるD-7563-15の顔写真が掲載されていた。
D-7563-16 対象者はオフィス内の全ての紙類を、シュレッダーに少しずつ投入して廃棄するように指示された。3日後、対象者は眠りに落ち、吸収された。50分後、新しいシュレッダーがSCP-7563-A個体によって大型キャビネットから取り出された。回収して非異常な紙を裁断したところ、シュレッダーは予想された裁断音の代わりに人間の泣き声を発した。

補遺7563-7: SCP-7563の収容1周年記念日に、前哨基地84は次のような手紙を受け取りました。

いつもご支援いただきまして誠にありがとうございます。貴社は弊社にとってナンバーワンの人材派遣会社であります。

本ページを引用する際の表記:

SCP-7563」著作権者: DrEverettMann, C-Dives 出典: SCP財団Wiki http://scp-jp.wikidot.com/scp-7563 ライセンス: CC BY-SA 3.0

このコンポーネントの使用方法については、ライセンスボックス を参照してください。ライセンスについては、ライセンスガイド を参照してください。

ページリビジョン: 1, 最終更新: 19 Jul 2025 13:49
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