SCP-7487
評価: +10

クレジット

タイトル: SCP-7487 - 自家栽培食品
翻訳責任者: C-Dives C-Dives
翻訳年: 2025
著作権者: Letova Letova
原題: SCP-7487 - Homegrown food
作成年: 2025
初訳時参照リビジョン: 6
元記事リンク: ソース

評価: +10
評価: +10
アイテム番号: 7487
レベル2
収容クラス:
pending
副次クラス:
none
撹乱クラス:
vlam
リスククラス:
warning

特別収容プロトコル: アクラム・ファーヒムの私生活に関する調査が行われている間、SCP-7487は閉鎖されます。常連客は現在、異常な能力や身体的変化の有無を監視されています。

収容プロトコルは調査の進捗状況に応じて更新されます。

説明: SCP-7487は"ファーヒムズ・ケバブ・ショップ"という店名のケバブ屋であり、2021年のカブール避難空輸でアメリカ合衆国に移住したアフガニスタン難民のハザーラ人、アクラム・ファーヒムが経営しています。SCP-7487で販売されている食肉類は、摂取者に異常な健康増進効果をもたらすことが確認されています。末期癌、狂犬病、プリオン病などの不治の疾病に罹患したDクラス職員らを対象とした実験では、SCP-7487で販売された食品を摂取した後、短時間の回復が認められていますが、通常は48時間後に症状が再発します。

肉のサンプルを分析したところ、概ねヒト由来であると確認されました。供給源の調査が進行中です。

調査ログ


解析部門の職員によるアノマリーの特定に続いて、2024年10月08日、衛生検査官を装った機動部隊ラムダ-14 ("一ツ星レビュアーズ") 隊員の3名編成チームが、閉店時刻の店舗へと調査に派遣されました。潜入時の出来事の書き起こしは次の通りです。

[記録開始]

[MTF ラムダ-14のエージェント ルビー及びゴールドがSCP-7487に接近、入店する。エージェント エメラルドが緊急事態に備えてアノマリーの外部に待機している。POI-7487が赤い物質に覆われた刃物を清掃しているのが見える。]

POI-7487: すまないね、もうすぐ閉店-

ルビー: 失礼ですが、食品安全検査局から参りました。こちらの店舗の衛生状態について幾つか苦情を受けております。入っても宜しいですか?

POI-7487: えっ? いや、君たちは先週来たばかりだ、何かの勘違いだろう。悪いがこれから-

ゴールド: おや、そうでしたか? 後で上に伝えておきます。しかし今は、ひとまず店内を見ておかなければなりません。そういう規則でしてね。あまり長くはかかりませんので。

[エージェント ゴールドはそう言いながら、食品安全検査局のロゴと彼女の名前が記されたバッジをPOI-7487に見せる。POI-7487は溜め息を吐き、周囲を見回してから、1歩後退して身振りでチームに入店を促す。POI-7487が手でハンカチを弄り回している様子が伺える。一方、エージェント エメラルドはヒューム値と生体発躍エネルギー (EVE) の監視機器を屋外に設置する。]

ルビー: これまでの検査で問題は無かったということですね、ファーヒムさん?

[POI-7487は頷き、MTF隊員らはカウンターの近くを捜索するが、特筆すべき物品は見つからない。一般的なケバブ料理店とは異なり、キッチンの中はカウンター越しに見えない造りになっている。エージェント ゴールドがキッチンのドアに近付く。]

ゴールド: いや全く、この仕事をしているとどうしても空腹に-

[エージェント ゴールドはドアを開き、キッチンの中を見て立ち止まる。一筋の血痕が、伝統的なドネルケバブ調理用のロティサリーから下方への階段へと続いているのが見える。壁には血液と推定される物質で、視認者にごく普通のキッチンであるという虚偽の印象を植え付けることを企図した様々な認識災害シンボルが描かれている。]

エメラルド: ヒューム値は普通のようだし、EVEは平均よりやや高いが警戒するほどじゃない。何か目ぼしいもんは見つかったか?

[エージェント エメラルドがイヤホンに話しかける。ルビーもキッチン内の状態に気付いたため、屋内のエージェントはどちらも反応しない。エージェント ゴールドが慎重にキッチンに入る。]

POI-7487: どうかしたのか?

[POI-7487はルビーを見ながらそう言い、ドアへと1歩近寄る。ルビーがこれに気付いて銃を抜くと、POI-7487は両手を上げる。]

POI-7487: な、な、なんだ? いったい... おい、頼む、金が欲しいのなら好きに持って行け-

ルビー: 黙って座れ!

ゴールド: 何が起きてる?

ルビー: なんでもない、もう抑え込んだ。そちらは?

[ルビーにそう訊ねられ、エージェント ゴールドが階段に近寄る。階段の突き当たりには金属製のドアを備えた部屋がある。ドアには認識災害に加えて、操肉術カルノマンシーに関連する様々な印章と、螺旋状のシンボルが描かれている。]

ゴールド: 案の定だ!

[記録終了]

拘束された後、POI-7487は協力を拒否し、SCP-7487内で発見されたドアの鍵を提供しなかったため、ドアは後ほど強制的に突破されました。室内には不定形の肉塊の形をした操肉術由来の大型構造物が存在し、そこから表面的にケバブ肉に似た触手状の腫瘍が突出していました。採取されたサンプルから、当該構造物がSCP-7487で販売された肉の起源であることが裏付けられました。

この発見に続いて、POI-7487とのインタビューが実施されました。書き起こしは次の通りです。

質問者: マイケル・ヘリング
回答者: POI-7487 (アクラム・ファーヒム)
日付: 2024年10月09日


[記録開始]

[POI-7487が手錠を掛けられ、手を震わせながら尋問用テーブルに座っているのが見える。彼は困惑した表情でカメラを一瞥する。インタビュー担当者が入室すると、彼は目に見えて驚く。]

ヘリング: こんばんは、ファ-

POI-7487: 何が起きている? 君たちは何者だ? ここは... 警察か?

ヘリング: ああ、大丈夫ですよファーヒムさん、落ち着いてください。お茶か、コーヒーでもいかがです?

[マイケル・ヘリングはPOI-7487に微笑みかけた後、着席し、コーヒーカップをテーブルの上、自分よりもPOIに近い位置に置く。]

POI-7487: 君たちは... 政府の人間だな。そうだろう?

へリング: ある意味ではそうですかね。ファーヒムさん、私は幾つか質問をしに来ただけです、その後はあなたを釈放します。ええ、その通り。条件も一切設けません、ただちょっとばかり... 手続きが必要です。しかし、その話はまた後にしましょう。

POI-7487: しかし、それは - どういうことなんだ? 私はなぜここに連れてこられた? 私は何かしたか?

へリング: はい、ファーヒムさん。あなたは異常な力をヴェール外の事業の一環として利用していました。これは国際法と現地法のどちらに照らしても犯罪です。この種の犯罪は大抵の場合、事業が閉鎖され、経営者が収容される結果に終わります。しかし、先を急ぐのは止しましょう。

[POI-7487は一層激しく手を震わせながらへリングを見る。彼は目を伏せ、数秒沈黙した後、先程よりも静かに話し始める。]

POI-7487: 私に何を求めているんだ?

へリング: そうですね。我々はこのような... [ポラロイド写真を収めたフォルダをPOI-7487に手渡す] シンボルがあなたのキッチンのあちらこちらに描かれているのを発見しました。目的はもちろん分かっています。以前にも遭遇していますのでね。これらをどこで知りましたか?

POI-7487: あぁ... やはりその話になるか。故郷の村、グカで学んだものだ。長老たちは建物や車にこれを描いた、そうすれば...

へリング: 外界から侵害されなくなる?

POI-7487: いや、違う... 初めはそうではなかったのだ。かつて人々は私たちを... 治癒者、スーフィーと... 賢人シャイフと呼んでいた! しかし、やがて... まずタリバンが私たちをザンダカ主義者と、不信心者カーフィルと、その他にも多くの名で呼ぶようになった...

ヘリング: タリバンだけですか?

POI-7487: ダーイシュもだ、しかし奴らは後からやって来た。そして人々が後に続いた。

ヘリング: それは... 実に残念な話です、ファーヒムさん。それでアフガニスタンを去る決心をなさったということですか?

[POI-7487は頷く。]

ヘリング: では話題を変えましょう。あなたの料理は、それを食べたあらゆる人の健康に、非常に良い影響をもたらすとの報告があります。これはなぜでしょうか?

POI-7487: 父からそのように作るものだと教わった。人々をより良く、健康にするためだ。

ヘリング: つまり、顧客を増やすためのからくりではない、と?

[POI-7487は苛立った表情でヘリングを見る。]

POI-7487: 金をせびらずとも人を癒すことはできる! ただ、どうにかして食い扶持を稼ぐ必要があった。ここアメリカでは... 生計を立てるのがとても難しい。

ヘリング: 憶測でものを言ったことをお詫びします。最後にもう一つお訊きしたら、このインタビューは終わりとします。どこで肉を調達したのですか? あなたがレストランで売っていた肉料理のことです。それに、店舗の地下室からは何やら構造物が見つかりましたよ。

[POI-7487はシャツをまくり上げて、腹部の大きな傷痕を露出させ、それに触れる。]

ヘリング: ...成程。

[記録終了]


結: DNA解析で、POI-7487の店舗の地下室に存在する構造物は、彼と遺伝的に同一であると確認された。

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脚注
. 以下、POI-7487とする。
. エージェントは全員が認知抵抗値13だったのでシンボルの影響を受けなかった。
. 一般に"イスラム国"として知られる国際テロ組織を指す蔑称。

本ページを引用する際の表記:

SCP-7487」著作権者: Letova, C-Dives 出典: SCP財団Wiki http://scp-jp.wikidot.com/scp-7487 ライセンス: CC BY-SA 3.0

このコンポーネントの使用方法については、ライセンスボックス を参照してください。ライセンスについては、ライセンスガイド を参照してください。

ファイルページ: SCP-7487

ファイル名: Afghan.jpg
タイトル: Afghan man in Balkh.jpg
著作権者: Wojciech Goslar
ソース: https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Afghan_man_in_Balkh.jpg
ライセンス: CC BY-SA 3.0
公開年: 2 January 2010

ページリビジョン: 11, 最終更新: 11 Jun 2025 05:21
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