SCP-7423
評価: +5

クレジット

タイトル: SCP-7423 - 最高の一年
著者: Ethagon Ethagon
オリジナル: SCP-7423
訳者: DirStarFish DirStarFish

評価: +5

by Ethagon

To: O5-10
From: マリア・ジョーンズ
件名: SCP-7423スロットの不具合


SCP-7423スロットが正常に動作しないという一連のエラーを発見しました。調べたところ、大変古いファイル複数点がシステムに悪影響を与えていたようです。これらは全てO5-10権限でロックされました。生ファイルの悪影響を鑑みて、メールに添付した大まかな年表に全ファイルを順番に書き記しておきました。然るべき警告をしておきます。大まかな年表です。中には重複や誤った場所に記載されているものもありますが、すぐに理由は察してくれるかと思います。貴方様自身が関わる気が無い場合、同意の上で修正途中のものを開放しておきます。

~ M・ジョーンズ










西暦1975年12月 カーク・ロンウッド高校マーチングバンド部が演奏を終了し、直後に恒久的な静止状態に陥る。マーチングバンド部はSCP-332として収容される。
西暦1976年4月 テイズウェル高校の生徒2人の心臓が自然に木材に変換される。心臓はSCP-6976として収容される。
西暦1976年5月 カーク・ロンウッド高校にて局所的現実崩壊が発生する。実行犯は財団が到着した時点で放棄されていた、"失神交響楽"と呼ばれる楽器店であると判明した。関係者全員に記憶処理が施され、監視下に置かれた。学校は閉鎖された。

カーク・ロンウッド高での事態への対処には呆れるほどの時間を要した。SCP-332の収容以来、財団は学校に出先機関を構えていたが、移動不可能なアノマリー相手には限られた収容能力しかなかった。当時のSCP-332は音楽室に封じ込めて、然るべき人々に必要なプロトコルを伝えておけば影響を受けなくて済むのに十分だという理由から軽視されていた。より優先すべき仕事があると当時は思っていたのだろう。

76年の最初の数か月の検査からは興味深い報告は何一つなかった。GOCは町を財団の管轄だと考えていて、我々はUIUが如何なる失態も犯せぬよう積極的に排除していた。5月に町を再訪した際、あの学校は余りにも手遅れになっていた。

~ ウェストヒル将軍

状況: バンド活動は校内活動の微々たる分量を占めている。
対応: バンド熱狂者を後任の校長に据える。
結果: バンド活動は校内活動の主要部分を占めている。

状況: 連邦捜査局異常事件課が学校で発生した異常な活動について調査を行う。
対応: 財団工作員は一時的に活動を停止し、敷地外に配置転換される。
結果: 財団職員の存在をUIUが見つからないままになる。

西暦1976年4月 テイズウェル高校の生徒2人の心臓が自然に木材に変換される。心臓はSCP-6976として収容される。
西暦1976年5月 カーク・ロンウッド高校にて局所的現実崩壊が発生する。実行犯は財団が到着した時点で放棄されていた、"失神交響楽"と呼ばれる楽器店であると判明した。関係者全員に記憶処理が施され、監視下に置かれた。学校は閉鎖された。
西暦1976年5月 ノース・ヒルクレスト高校で局所的現実崩壊が発生する。何か月もの後で生徒の講堂への侵入と現実崩壊イベントを阻止するために収容プロトコルが作成される。学校及び学校周辺で起きている現象はSCP-7676として収容された。

危機の始まった頃については覚えている。この高校のアノマリーと半ば繋がった団体への非難は轟々たるものだった。無論、あのApollyonが完全に我々の関心事となった際は一変した。あれほどの一件があっても、単独のアノマリーによる世界終焉なんて過大評価だという声はちらほらあった。理論上、アノマリーは果てしなく拡大していくようだが、どの道、必ずや限度があった。特定地域の山脈は世間のありふれた世界滅亡の実行役が乗り越えるには余りにも不可能な高さの現実性の防波堤となっていた。

"失神"最悪のアノマリーの一角は恐らく、連鎖して押し寄せてくる現実改変が可能なSCP-7676になる。これらアノマリーの北米特有も同然だが、恐らく他の大陸でも1、2件が出現している。財団には合衆国を失うだけの結果に終わるという、どう考えても最悪の事態を信じるに足る十分な理由があった。大半があれほど局所的であるがゆえに依然として夢物語であった。いや、これらアノマリーがあらゆる所で果たした役目の生み出すヴェール崩壊の進行という数多くの暴威によって、当時の財団のリソースは手薄になった。

~ ウェストヒル将軍

O5評議会会議転写


<記録開始>

O5-11: というわけで現状の記憶処理薬の供給維持は不可能だと伝えます。我々はヴェール全体に亀裂が生じている只中にいます。ヴェール維持の専念と特定地域での偽造情報拡散の試みを打ち切るよう推奨します

O5-6: 対象となる都市にはどこを考えているんだ?

O5-11: 我々の試みに関係なく、グラウンド・ゼロの諸都市で記憶処理薬の需要が一番高い都合上、最優先すべき切り捨て対象となります。

O5-2: 異常が迫る都市の早期打ち切りなんて無理ね。多くの人々を守る義務があるわ。

O5-8: ツーと同意見だ。制御できなくなった都市は悪性の敵対的ミームの牙城だぞ。一切を統制下に置きたいとなると、国単位での記憶処理放送が必要になる。

O5-2: 普段通り続けた場合の副次的影響はどう見積もっているの、イレヴン?

O5-11: 指数関数的なヴェール不全ですね。どこかの時点でカバー可能であれば、大目に見て10人に1人の割合で記憶処理を施す必要はありません。それ以上もしくは記憶処理の未実施は財団が記憶処理可能な以上の速さでヴェール内の情報が流出してしまいます。(休止) もし貯蔵不足を許容できない場合、思い浮かぶ解決策は例のドクウツボ以外にありません。

O5-2: 絶対無理ね。

O5-11: 敗北するのなら全面敗北ではなく倫理的敗北の方がマシですよ。

O5-6: やり過ぎる必要もない。必要な記憶処理の数を減らす方策は幾つかあるぜ。各地の高校を排除した暁には、アノマリーの発生源1つを完全に停止できるはずだ。

O5-2: あなたの報告には目を通している所だけど、失神交響楽が依然として活動している限り終結するかどうかは断言できないわ。

O5-6: アイツらまだ活動しているのか?

O5-11: 我々には政府を従えさせられる影響力などありません、今においてさえです。

O5-6: レスポンスをピチカートに昇格させるのなら、GOCは動くだろう。

O5-4: GOCはKTE-1162をレベル5に上げたっきりです。わたくしめにしてみれば疑わしいものです。

管理者: それだけじゃないな。

評議会員が立ち上がる。

O5-2: 管理者ですか。あなたが来てくれるなんて驚くべき事態と言わざるを得ませんね。

管理者: 私もそうだ。やるべき仕事を評議会だけにやらせておくわけにはいかないのは明白だからな。

O5-11: 「それだけじゃない」とは、どういう意味でしょうか?

管理者: サイト-100にて、話題の頭痛の種が組み込めるか否かを試みていた。失敗に終わったがね。

O5-6: ということは―

管理者: その通り。「KeterクラスのSCPオブジェクトはSCP-001への組み込みが可能か否か審査されますが、強制的一体化が不可能な場合はApollyonに昇格されます。」だ。

O5-6: (口笛を吹く) あいつに対処しなければならなかった時以来、久々だな。

O5-2: あなたの協力を受けた場合、脅威はApollyonに昇格されるのですか?

管理者: 手持ちの資産を利用可能にしておこう。但し運用については最終的に君たちの仕事になる。テン?

O5-10: なんでしょう?

管理者: 情勢次第で、後々君がアクセス出来るよう取り計らっておいたファイル数点がある。君自身の判断で評議会と共有しておいてくれ。

(管理者がその場を後にする)

<記録終了>


西暦1976年5月 ノース・ヒルクレスト高校で局所的現実崩壊が発生する。何か月もの後で生徒の講堂への侵入と現実崩壊イベントを阻止するために収容プロトコルが作成される。学校及び学校周辺で起きている現象はSCP-7676として収容された。
西暦1976年6月 サルベーション高校での異常活動を連邦捜査局異常事件課が捜査する。後日、町は封鎖される。町での異常性活動の元凶はSCP-3935として収容される。
西暦1976年7月 正体不明のミームがSCP-3919と同化し、SCP-3919の子供を自認した後でミームの影響下に入る人物複数名の発生を引き起こす。ミームの拡大は死滅するまでに多数の都市を喪失させる結果を招いた。
西暦1976年8月 カーク・ロンウッド高校の年鑑がアメリカ合衆国全土の他の高校で発見されるが、1点の実例を除いて非異常であると判明する。年鑑は押収され、異常性を持つ1点はSCP-1833として収容される。
西暦1976年9月

視認者を父親と思い込ませる生命体1体がウェストバージニア州ハンティントンの病院に搬送される。生命体の起源は人手不足が原因で捜査が行われなかった。生命体はSCP-1976として収容される。

状況: 仲の良い家族は主要対象の排除に当たってリスクを抱えている。
対応: 就職のチャンスを通常通りのものへと反映させる。
結果: 許容可能な水準にまで家族の抱えるリスクが低下する。

状況: ニックネームの流布は著しい逸脱を示す。
対応: メディアに出演した最高学年度生に対して好意的なニックネームを付ける。
結果: ニックネームの流布による変化は確認されない。

1976年3月 SCP-3281の特定の症例に高校卒業の達成を条件とする事例があると判明する。症例は標準後期型ミーム・アウトブレイク・プロトコル-3281に則って対処される。
1976年4月 人手不足が原因で、生徒1名がノース・ヒルクレスト高校講堂への侵入に成功する。その後GOCが発生したアノマリーに専念したため、財団は即座に終了不可能なアノマリーとして収容する。SCP-7676は再収容された。
1976年5月 POI-099("盗みを働く観光客")が世界中の76の別々の高校/中等学校に出現し、それぞれの場所で局所的現実不全を誘発する。POI-099出現後に動員可能となった現地の財団工作員により事態は安定化した。
1976年6月 GOCがピチカート手順を発動し、全世界的な戒厳令を布告する。財団の申請に基づき、各地の高校は一時的に非合法地帯となる。
1976年7月 世界規模でのシェルターへの避難が開始される。一部の地区は夏季休暇を強制するアノマリーの都合上、避難は困難とされる。恐らく[認識災害を削除]

状況: バンド部員の相当数がバンド外で主要な社会的集団と関わるようになる。
対応: 財団工作員がバンド部員以外の友人の社会情勢における境遇を変えた上で、部員内の友人の他の共通する興味関心を強調する。
結果: バンド部員間の親交は許容可能な水準にまで上昇する。

事例: 高校内で失神交響楽が存在しない
対応: 出現のために完全に最適な町の造営を行うために作戦を拡大する。
結果: 失神交響楽が町中に店舗を開く。出現は予測された限界値と比べると著しく異なっている。

アノマリーの起源についての疑問は発生源が1つか問うものだ。この疑問には言うまでもなく1つだけではない、数多くあると容易く答えられる。我々が発見したであろう"発生源"の内で全てをカバーできる異常存在は何もない。
より一層理論化された起源では、至る所で発生する人間同士の接触という人々を取り巻く社会情勢に密接に関係している。そこからアノマリーは歪み続けた挙句、時至りて崩壊する社会的緊張の類と化していくというのだ。社会情勢の正確な再構築が可能な場合に限るという前提になるが、この推論が正しいとなると、アノマリーは理論的には量産可能という結論になる。
特筆すべき点として、我々の社会的現実性の産物である超常存在と、発生時に異常性を示す実体の類から注目されるだけの特定の社会情勢の理論との間に違いは全く無い。
これら2本の理論は互いを明確に分類する手法が考えられない限り、同一内容の互換可能な理論となるだろう。
当論文はこれら理論のどちらかを正しいと証明する手法を提唱するものになる。ショウ/ザーションヒト科複製機とミーム調整を用いての達成….

1976年7月 世界規模でのシェルターへの避難が開始される。一部の地区は夏季休暇を強制するアノマリーの都合上、避難は困難とされる。恐らく[認識災害を削除]

1976年1月 中古の衣服の内から、SCP-3776に影響されたアイテムが出現し始める。プロトコルが更新され、SCP-3776は"キャンプ・ニムロッド"についての記憶が植え付けられた人物を出すことなく再収容された。
1976年3月 熱帯雨林の中に校舎が出現し、周囲の森林を使って複製していく。熱帯雨林の喪失が回復不能な規模になるよりも先に、境界線の設置に成功した。
1976年5月 高校生に擬態した昆虫の群れがGOCの都市要塞ガンジルへの入場を申請する。入場が拒否されると、都市を包囲していた別の異常実体により終了させられた。
1976年8月 アメリカ合衆国全土でスクールバスが出現し、シェルターにいない子供たちを誘拐する。これらバスの行先は分かっていない。
1976年11月 財団の部隊撤退により、SCP-7676収容の試みは打ち切られる。GOCは既定の事前通告に従い、大量の犠牲者を出しながらもアノマリーの終了に成功した。

O5評議会とGOC最高司令部間会議転写


<記録開始>

アルフィーネ: 滅茶苦茶丁寧に言えば、アナタ方が今回のように役目を放棄するには十分な理由があったと思っているのですが。

O5-6: 撤退は問題にならん。戦術における更なる変化は最重要サイトへの専念だな。

アルフィーネ: 今の発言、隠しているものがありますね。

O5-10: ある意味では正しいかと。

アルフィーネ: 協約を忘れたとは言わせませんよ。長期の問題に対処できない場合、緊急脅威への専念は不可能になります。

O5-6: ノース・ヒルクレスト高への対処を鑑みるなら、お宅らは十分に対処しているようだ。

アルフィーネ: 笑わせないでくれますかね。一体何のために?あなた方は全軍をイエローストーンに集中させられるのですか?何を隠しているにせよ、更に価値があるものなのですか?

O5-4: 情勢を踏まえるならば、評議会はこの件に係る情報の共有に同意してくれましょう。

D.C.アルフィーネは一番上にSCP-2000が印刷された短いファイルの束を手渡される。アルフィーネは目を通す。

アルフィーネ: 気は確かですか?

O5-10: 保証しましょう。文書にある通り、例の機械は実在のものです。

アルフィーネ: あり得ません。財団はこれを建造できる能力を持っていません。出まかせじゃないですか。それに今まで使用できたはずがないし、財団がGOCの技術的優位性を覆すなんて最低でも40年は無理です。

O5-10: 財団の産物ではありません。SCP-2000は世界的現実シフトによりこのタイムラインに流れ着きました。40年前には実在していないものです。

アルフィーネ: それでも撤退の正当化には不十分ですね。

O5-10: GOCの限界再増殖可能人口はどの程度でしょうか?

アルフィーネ: 目標には遠く及ばないです。それでも我々としてはこの危機の終結が近いのは分かっています。我々とペンタグラムの双方が現状を維持し続ければ、人類を救えるチャンスはまだ残っています。ほんの数か月辛抱すれば、ユーテックが莫大なコストをかけずとも即時展開が可能になるには十分に使用可能になる予定です。

O5-10: 目下の過剰使用で、我々がSCP-2000に歓迎されない恐れがあるという危険に晒されるかもしれません。現時点での予測を鑑みれば、危機が過ぎ去るのを待った上で再構築開始が可能です。

アルフィーネ: 過ぎ去るのを待っているなんて不可能です。シェルターに隠れていたら、人類は滅亡一直線なんですよ!

O5-10: 勿論既に邪道の奥深くに突き進んでいますよ。救うために残された策は何でしょうか?危機を乗り越え、一から再建しても、歴史と文化の全ては消え失せてしまうものです。

アルフィーネ: もう手遅れです。時計は過去には戻せません。

O5-10: 存じ上げております。再構築を開始した暁にはあなた方が頼りになってくれるのを願っています。ペンタグラムは既にUSを以前の状態に戻す事を同意してくれました。

アルフィーネ: こんな話受け入れられません。GOC以外に将来を見据えている所が無いのなら、勝利するのは我々以外にあり得ない話です。

(D.C.アルフィーネが退席する。)

<記録終了>

1976年11月 財団の部隊撤退により、SCP-7676収容の試みは打ち切られる。GOCは既定の事前通告に従い、大量の犠牲者を出しながらもアノマリーの終了に成功した。
1976年12月 シェルター防衛を試みる最中、GOCの多数の部隊がSCP-2316の引き起こした影響で敗死したため、シェルターの喪失という結果に至る。

1976年8月 他の実験と並行して、財団により高校を対象とした実験が行われる。高校での予測された異常性の発生は1976年以前の水準に戻っていた。この結果を受けて、手順ラザルス-01の実行が承認される。

1976年8月 パノプティコン及びペリメーター ― 後者はGOCとの共同承認― が完成後に失神交響楽の出現を調べる目的で稼働するも失敗に終わる。(注記: ナイトウォッチからの報告については、時間異常部門が独自に調査を行った。)

1976年8月 完成後、熱帯雨林に過剰拡大していた校舎は軌道光線砲により破壊される。

1976年8月 時間異常部門のエージェントらが再構築精度確認のために動員される。アメリカの高校は80%の精度で1975年時点の情勢の複製に成功していた。

O5評議会会議転写


<記録開始>

O5-10: 私が提案したいのは再構築期を5年間延期してほしいというものです。Δtを引き続きこの窓で使用し続ければ、1975年時の文化をほぼ100%の精度で再現できます。

O5-2: 受け入れられないのは分かっているでしょう。

O5-6: 全てを2年内の1月に期限を統一してある。20%の精度向上のために予定を組み直す価値は無いと考えられる。

O5-10: 考えられる、というと?

O5-6: 現実性が完璧に近づくと低下するなんて、よくある話だ。80%に到達できたのなら喜ぶべきだ。

O5-10: 承知しました。ENUI-5は予定通り散布され、手順ラザルス-01で計画完了となります。

O5-11: それに関してなんですが、2000の記憶処理部隊を編成する機会はあるのでしょうか?

O5-10: ありません。2000特有の科学技術の放出が何であれ、破壊工作のためにラザルスが開始されます。

O5-11: あのドクウツボを使うのはそれからですね。

O5-10: 更に言えば、2000運用後に昔の状態へと戻さねばなりません。

O5-6: 少々遅れるがな。財団の軌道光線砲を監視するだけにしてくれ。さもなくばパノプティコンだ。

O5-4: さもなくばユーテックですか。

O5-10: フリーポートの中には無秩序ぶりが高まっている所があるのも課題になりますね。ラザルスで解決できる機会は無いのでしょうか?

O5-4:GOCとの戦争を望んでいない限りは不可能です。あの者たちが戦うのは人類の生存のためであり、ちっぽけな縄張りを世界から隠し通すためならば、そのままで在り綴げるでしょう。

O5-2: 私も同意します。再始動に近づくためにも、過ぎ去った日々ではなく来たるべき日々をどのように切り抜けるかに専念するのが得策でしょう。

O5-10: 事情は理解しました。とはいえ歴史を正式に再始動するよりも先に、実施を検討しておきたい最後の実験があります。

<記録終了>

1976年8月 ペンタグラムが合衆国政府を再建する。前の世界との最大の違いとして、フリーポートに対する法制定の増加及びペンタグラムとUIU双方への予算増額が行われる。歴史は一時停止し、各地の高校は翌年から開校される。
1976年9月 プロトコル2000-過去改変に応じなかった、あるいは完全に応じなかったユーテックやバックドア・ソーホーのようなフリーポートにおける高校/中学校システムの発展に関する十分なデータを入手する試みが失敗する。










To: マリア・ジョーンズ
From: O5-10
件名: Re:SCP-7423スロットの不具合


返信が遅くなり申し訳ありません。あなたが送信してくれたファイルを整理していました。ここには無いものも数点あります。記載されたイベントの信憑性を確認するために、どこかで熟読せねばならないでしょう。スロットの不具合解決は現時点で十分と言えるのではないでしょうか。加えてSCP-7423の直接のファイルを作成しましたので、このスロットで問題が発生する事態は起きなくなりました。このファイルと全ての副次ファイルはアーキビストクリアランス限定に制限を設ける予定です。

O5-10





アイテム番号: SCP-7423

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-7423プロジェクト終了に伴い、更なる収容は実施されません。SCP-7423-1はSCP-1423の収容プロトコルに則って収容されます。

説明: SCP-7423はSCP-2000起動後のアメリカ文化再現を成功させる試みのために行われた財団による実験の一部です。SCP-7423は特に本来の西暦1976年5月にカーク・ロンウッド高校における異常なイベントの再現に重点を置いていました。

このイベントは本来の1976年及び翌年以降のADK-クラス"全異常存在不安定化"シナリオ中に出現した高校の最高学年及び音楽店の失神交響楽を中核とする未知の起源を持つ大量のアノマリーから選ばれました。

正確なイベントの再現には失敗したものの、実験は以降SCP-1423として指定されたSCP-7423-1の創造という結果に至りました。従ってSCP-7423は成功したものと暫定的に見なされています。

SCP-7423-1は保有した人型実体が高校の最後の夏季休暇の記憶を記憶処理を無効化する水準にまで強化する1点のポラロイド写真です。SCP-7423-1の裏面には"私達は最高の一年を過ごしました!"というメッセージが記されています。

ページリビジョン: 8, 最終更新: 01 Sep 2025 01:46
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