クレジット
タイトル: SCP-4256 - 密造酒家の印刷機
翻訳責任者: C-Dives C-Dives
翻訳年: 2025
著作権者: Ihp Ihp 、Uncle Nicolini Uncle Nicolini
原題: SCP-4256 - Bootlegger's Press
作成年: 2019
初訳時参照リビジョン: 12
元記事リンク: ソース
1932年、シカゴ・スピリットの活動拠点を強制捜索した後、SCP-4256と共に写るASCIエージェントと異常事件課捜査官。
アイテム番号: SCP-4256
オブジェクトクラス: Thaumiel
特別収容プロトコル: SCP-4256はサイト-19の生産エリア・B棟に収容されています。SCP-4256の保守点検に関わるスペアパーツと工具は、特定の表示が付された容器に保管されています。当該オブジェクトの使用は、自動可変速印刷機の操作訓練を受けた職員のみに制限されています。SCP-4256の担当者には、財団忠誠度試験のスコアが60点未満である、もしくは継続的な規定違反歴のある職員が配属されます。
印刷が完了したSCP-4256-1実例はパレットの上に配置し、配送用ラベルを貼ってください。
説明: SCP-4256は1920年代後半に製造されたアンティークの産業用印刷機です。SCP-4256の上部には "R.C.へ - コヴァレヴィチより" という真鍮の銘板が取り付けられています。
SCP-4256を長期間 (通常1週間以上) 操作した人間は、反体制的な欲求や行動の減少ないし完全消失を特徴とする認知変化に晒されます。SCP-4256に一般的な動力を供給する視認可能な仕組みが存在しないことから、SCP-4256は反抗的な行動を起こしたいという欲求を機械的なエネルギーに変換していると考えられています。
SCP-4256は挿入された紙をSCP-4256-1に変換する能力を有します。SCP-4256-1は、表面に押し付けた物品を、その物品の二次元画像、またはその物品を描写するテキストに変換して取り込むことが可能な紙です。
SCP-4256は、本来ならば産業用印刷機との互換性が無いものも含めて、あらゆる紙製品をSCP-4256-1変換の対象として受け入れます。SCP-4256は新聞紙、雑誌、パンフレット、折り紙細工、数ページの未製本原稿、複数冊の聖書などを特に問題なくSCP-4256-1に変換しています。
SCP-4256-1実例に収納できる物品の量を制限するのは、実例の表面積のみです。しかしながら、動物がSCP-4256-1の内部で長期間生存することは全く不可能であり、通常は酸素欠乏で死亡します。SCP-4256-1実例の中に手を差し入れると、内部の物品を回収できます。その空間効率と輸送の容易さから、SCP-4256-1はシカゴ・スピリット構成員によって、アルコール飲料や武器の密輸によく使用されていました。また、ザ・ファクトリーの関係者もSCP-4256-1を利用し、顧客に対して秘密裏に製品を配送していました。
SCP-4256-1実例の破壊は異常な作用をもたらします。SCP-4256-1実例を破ると内部の物品が放出されますが、それらには通常、紙の破れ目と一致する破損が見られます。SCP-4256-1を燃やすと、物品排出時の勢いが大規模な地形学的異常を引き起こします。SCP-4256-1が焼却処分されたエリアでは、内部と外部の面積が一致しなくなる現象が発生したため、シカゴ・スピリット構成員はこの特性を更に悪用しました。
補遺0.02- 歴史: 1932年以来、シカゴをはじめとするシカゴ・スピリット勢力圏においては、折り畳んだ紙の中から車両、武器、機械部品、製粉小屋などの様々な物体を取り出す不審者の存在が、民間人によって報告されていました。
最初のSCP-4256-1実例は1933年、捜査官1名の突然死をきっかけとして、超常犯罪者の潜伏先と疑われていたスワインズ・デン食肉包装工場の強制捜査が実施された際、アメリカ合衆国捜査局の異常事件課 (UIU) によって確保されました。問題の工場は、ザ・ファクトリーがフロント企業として所有・運営する広大な異常空間だったことが発覚しました。UIUが壊滅的な被害を被ったため、職工長オフィスで発見された署名入りの手紙からザ・ファクトリーとシカゴ・スピリットの提携が明らかになった時点で、全米確保収容イニシアチブへの支援要請が行われました。
手紙の内容は次の通りです。
リチャード・チャペルのデスクより
印刷機をどうもありがとう。
私のために尽力してくれたことへの感謝の印として、プレゼントを用意した。そちらの仕事場を嗅ぎ回っていた密偵はこれ以上迷惑をかけることはない。
すぐにでも働かせてやるといい。
特筆すべきことに、この手紙は元UIU捜査官 マイケル・ボスコヴィチのものと推定される血液に染まっていました。
SCP-4256は1934年、リチャード・チャペルの隠れ家へのASCIとUIUの合同強制捜査に続いて発見・確保されました。多数の人物の間で交わされた一連の書簡が共に発見され、その中にザ・ファクトリーの職工長からの数枚の手紙が含まれていました。
手紙の内容は次の通りです。
差出人: |
FACTORY |
---|---|
職工長 12-21 コヴァレヴィチ | |
メッセージID: | |
I-49392 | |
重要度: | |
中 | |
本文: | |
チャペル様、 更なる五年間のお付き合いを願って。 |
SCP-4256の認知改変特性は1936年に発見され、それに続いてASCIはSCP-4256-1実例を広範に使用し始めました。また、J・エドガー・フーヴァーはしばしば、彼と組織全体への忠誠心に基づいて、SCP-4256を操作する人員を個人的に選定していました。SCP-4256の異常性が認知に作用することから、フーヴァーはSCP-4256を利用して、捜査局副長官 クライド・トルソンとの同性愛関係疑惑を巡る噂が広まるのを抑止していたと考えられます。
ASCIの運用下において、SCP-4256-1は専ら、弾薬や救援物資などのリソース、並びに車両や (ある一例では) 建設資材などの嵩張る物体を秘密裏に輸送する手段として活用されました。ASCIが現代の財団に統合された後もSCP-4256-1の利用は続き、後には二次元空間への収容が必要とされるSCPオブジェクト3点の収容プロトコルに組み込まれました。
2005年に安定したワームホールの生成技術が開発された後、SCP-4256-1は収容外の目的では滅多に使用されなくなりました。しかしながら、全ての財団緊急避難壕には、5年分の飲料水・食料・燃料、並びに工具や他サイトとの通信手段を格納した改良版SCP-4256-1実例が備え付けられています。
現時点で、アメリカ合衆国本土の財団職員 (サイト-17、19、77を含む) の推定89%がSCP-4256の影響を受けています。ヒト型アノマリーの収容措置への導入計画は現在策定中です。
本ページを引用する際の表記:
「SCP-4256」著作権者: Ihp, Uncle Nicolini, C-Dives 出典: SCP財団Wiki http://scp-jp.wikidot.com/scp-4256 ライセンス: CC BY-SA 3.0
このコンポーネントの使用方法については、ライセンスボックス を参照してください。ライセンスについては、ライセンスガイド を参照してください。
ファイルページ: SCP-4256
ファイル名: press.jpg
タイトル: Fleets and Facilities Department ImageBank Digital Photographs ➔ Printing press
著作権者: Seattle Municipal Archives
ソース: https://archives.seattle.gov/digital-collections/index.php/Detail/objects/128206
ライセンス: パブリックドメイン/CC0